-金持ち父さん貧乏父さんから2-
当時9歳の私は、どうすれば金儲けできるかを知りたくて、金持ち父さんに聞きに言った。
ところが金持ち父さんは、マイクと私を自給たった10セントと何週間も働かせるだけで、私たちに何も教えてくれなかった。頭にきた私はついに意を決して金持ち父さんに談判しに言ったのだが…
金持ち父さんは椅子の背に寄りかかって、本当に愉快そうに笑った。
それからやっと笑うのをやめるとこう言った。
「君はものの見方を変えなくっちゃだめだよ。
つまり問題なのは私だと言って私を責めるのをやめるんだ。
私が問題だと思っていたら、私を変えなければそれは解決しない。
もし自分自身が問題なんだと気付けば、自分のことなら変えられるし、
何かを学んでより賢くなることも出来る。
たいていの人が自分以外の人間を変えたいと思う。
でも良く覚えておくんだ。他の誰かを変えるより、自分自身を変えることの方がずっと簡単なんだ」
「よくわからないんですけど…」
「君が抱えている問題を私のせいにするなということだ」
金持ち父さんは少ししびれを切らしたような口調で言った。
「でもあなたは10セントしか払ってくれなかった」
「そうだよ。で、君は何を学んだ?」
「あなたがけちだっていうことです」私は少し意地悪そうな笑いを浮かべて答えた。
「ほら、もう私が問題なんだって考えている」
「でも、そうなんですから」
「そういう考え方をしているうちは何も学ぶことはできないよ。もし、私が問題だっていう考えをするとしたら、君にどんな選択の道があるんだい?」
「ええと…もし給料上げてくれなくて、僕のことをまともに扱ってくれず、お金もうけの方法も教えてくれないんなら、仕事をやめます」
「そうだね。たいていの人は今君が言った通りの事をする。仕事をやめて新しい仕事を探す。もっと昇進の見込みがあって給料も高い仕事をね。で、新しい仕事が見つかって給料が上がれば問題が解決すると思っている。でも大抵はそうならないんだ」
「じゃあ、どうすれば問題が解決できるんですか?時給わずか10セントで仕事して、ニコニコしていろとでもいうんですか?」
金持ち父さんはにこりとした。
「仕事をやめない人のうち多くはそうする。こんな給料では家族を十分養うことも出来ないと知りながら、おとなしく給料を受け取る。給料さえ増えれば問題は解決すると思いながら、昇進をじっと待つんだ。大抵の人はそうだ。中にアルバイトしてもっと働く人もいる。でも、そこでの給料だって微々たるものだ」
私はソファに座ったままじっと床を見つめていた。
金持ち父さんが言おうとしていることが少しづつわかりかけてきた。
これが人生の味なのだと実感できるようになったのだ。
しばらくして私は顔を上げ質問を繰り返した。
「じゃあ、どうすれば問題解決できるんですか?」
「ここだよ」金持ち父さんは私の頭を軽くつつきながら言った。
「君の耳と耳の間にあるこいつを使うんだ」