-金持ち父さん貧乏父さんから3-
金持ち父さんの1回目の授業はまだ終わっていなかった。
「時給10セントで働くことに君が腹をたててくれてよか
ったよ。腹を立てずに喜んで働いていたら、いずれは
『君には何も教えても無駄だ』と言うしかなかったと
思うよ。いいかい。本当に何かを学ぶためには、たく
さんのエネルギー、情熱、どうしても知りたいという
欲望がないとダメなんだ。怒りも原動力の一つになる。
情熱は怒りと愛が合わさったものだから。お金のこと
となると、たいていの人は安全そうなことだけやって
安心したいと思う。つまりそこに情熱はない。そう言う
人は恐怖に動かされているんだ」
「それはどういうことですか?」
「たいていの人は恐怖が原因でひとところで無難に働き
つづけるということだ。月末に支払ができないんじゃな
いか、首になるんじゃないか、お金が足りなくなるんじ
ゃないか、やり直したら失敗するんじゃないかと常に恐
怖を抱いているんだ。この恐怖はお金の為に一生懸命働
くという道を選んだ場合に支払わなければならない代償
のようなものだ。たいていの人はお金の奴隷になってい
る…だからこそそれを満足させてくれない上司や経営者
や国に腹を立てるんだ」
「じゃどうすれば、いいんですか?」
「そうだな、レッスン1は本当のことを言うんだ」
「僕達が嘘つきだというんですか」
「そうだ、君たちだけでなくほとんどの人が嘘をついて
る。本当のことを言うんだ。別に他人に言わなくてもい
い。自分にだけ言えばいいんだ」
「みんなそうしていないってことですか?」
「うん、そうだと思うよ。みんな本当の気持ちを見つめ
ず、お金がなくなったらどうしようと心配ばかりしてい
る。金持ちだって同じだ。金持ちがお金を持っているの
は欲望のためではなくて恐怖のためなんだ。そしてその
恐怖に真正面から立ち向かおうとしないんだ。つまり、
考えもせずに反応だけしている。頭を使う代わりに感情
にまかせて反応しているんだ」そういいながら金持ち父
さんは私たち2人の頭を軽く指でつついた。
「それで、いくらかのお金を手にすると今度は、喜びと
欲望、さらには欲張りの感情が出てくる。そして、また
それに流されるままに反応するんだ。考えもしないでね」
「つまり、考える代わりに感情にうごかされているんだ
ね」マイクが言った。
「その通りだ。自分がどう感じているかってことを正直
に自分に伝える代わりに、考えもせずに感情に反応して
いるんだ。恐怖に感じるから仕事に行く。でもいくら働
いても次の朝起きると、いつもそこに昨日と同じ恐怖が
待っている。何百万という人が、昔から変わることのな
いこの恐怖の為に、心配で悶々と眠れない夜を過ごす。
だから朝になるとベッドから飛び出して仕事に行く。自
分達の恐怖を給料が消してくれるのではないかと願いな
がらね。こういう人の人生はお金によって動かされてい
る。でも本人達はそのことについて本当のことを語ろう
としない。実際は彼らの感情も魂もお金に支配されてい
るのだけれどね」
「いいか、君たちにひどいことを言っているかも知れな
いが、君たち2人には何とか『あること』に気付いても
らいたいんだ。君たちにはものの見方を広げて、それが
見えるようになってほしいんだ。たいていの人はものの
見方が狭くてそれを見ることができない。みんな自分の
足にかかっている鎖が見えないんだ」
人はその視野の範囲でしかいきられない。
ジョン・パウエル