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妄想劇場

現実逃避の日々

ティーダ  「エボンのたまもの。

        エボンの教えに従う人ならこんな言い方をしたんだろうな。

        みんな一緒だし、無事だった。

        先のこと考えると、アタマ痛かったけどさ。」

目が覚めると、湖底だった。

瓦礫の中でみんな無事だった。

祈りの歌が聞こえていた。

ユウナはまだ気を失ったままだった。

キマリ  「ユウナはすぐに目覚める。キマリにはわかる。」

キマリは優しくユウナを見守っていた。

ルールー  「ここ、湖の氷の下よね。」

ティーダ  「たぶん。」

ルールー  「ほら、あれ、マカラーニャ寺院の底よ。」

ティーダとルールーは頭上に見える寺院を見上げた。

ルールー  「ずいぶん落ちたわね。

        ・・・・・・・・・・老師を殺めた反逆者か・・・・。」

ルールーは小さく呟いた。

ワッカ  「はあ~ガーン

ティーダ  「そんなに落ち込むなよ。悪いのはシーモアだろ。」

ティーダはワッカの肩をたたいた。

ワッカ  「どっちが悪いかなんて関係ねえんだよ。

      オレはずっとエボンの教えを守って暮らしてきた。それなのに今じゃ反逆者だぞ。

      どうしてこんなことになっちまったんだ・・・。

      くっそぉ・・・・・。」

ワッカはリュックを見た。

ティーダ  「リュックは関係ないぞ。」

ワッカは、はっとしてリュックから目をそらした。

そして空を見上げた。

ワッカ  「オレの気持ちなんか、わかんねえよ・・・しょぼん

アーロン  「さて、・・・どうしたものかな。」

アーロンがおもむろに呟く。

ティーダ  「あんたってさ、とりあえずやってから考えるって感じだよな。

        いい年なんだし、みんな頼りにしてるんだしさあ・・・。」

アーロン  「説教か?」

ティーダ  「そういうわけじゃないッス。感想ッスあせる

慌てて否定するティーダ。

アーロン  「他人に頼るな、とまでは言わんが、頼って当然、守られて当然とは思うな。

        そんな人間にはなるなよ。」

ティーダ  「説教ッスか。」

にやりと笑ってティーダが言った。

アーロン  「助言だ。」

ティーダは真顔で頷いた。

そして、ユウナを見た。

リュック  「ユウナは大丈夫だよ。ちゃんと息してるしね。ルールーとワッカは?」

ティーダの様子を見て、リュックが話しかけた。

ティーダ  「ワッカは見たとおりキツそうだな。ルールーは・・・・いつもと変わらない。」

リュック  「なんかカッコいいよね、オトナって感じだし。」

ティーダ  「ふーん。」

リュック  「ま、あたしもあと5、6年ってとこかなドキドキ

ティーダは返答に迷い、キマリに話をふった。

ティーダ  「なあキマリ、どうやってここから出ようか?」

リュック  「ハナシそらすなっ!」

キマリ  「・・・・よじ登るしかない。」

リュック  「キマリも!」

キマリ  「なりたい者になれるのは、なろうとした者だけだ。」

リュック  「う~?」

考え込むリュック。

ティーダ  「ルールーみたいになりたかったら、努力せいってことだろ?」

リュック  「おっ!がんばるよ!」

キマリ  「リュックはリュックのままでいい。」

リュック  「う~?

       ・・・・あっ!ムダな努力するなってこと!?キマリ~!」

ティーダ  「あはははは!」

ワッカ  「おまえらよく笑ってられんな!?」

ユウナ  「ん・・・・・。」

ティーダ  「あっ!」

ティーダたちの話し声でユウナが意識を取り戻した。

ユウナ  「・・・・・・・・・シーモア老師にジスカル様のことを聞こうと思ったの。そして、きちんと寺院の裁きを受けてもらいたかった・・・。」

ルールー  「結婚は、その引き換え?」

ユウナ  「必要なら、そうしようと思った。」

ティーダ  「んで、シーモアはなんて言ってたんだ?」

ユウナ  「何も答えてもらえなかった。結局、わたしのやったことって、なんだったんだろうな。

       もし、最初からみんなに相談していたら・・・。」

アーロン  「もういい。しなかったことの話など、時間の無駄だ。」

アーロンがユウナの話を終わらせた。

リュック  「そんな言い方しなくてもいいのに!」

アーロンに迫るリュック。

アーロン  「ユウナの後悔を聞けば満足するのか。」

リュック  「そんな言い方しなくてもいいのに・・・。」

リュックは下を向いて、呟いた。

アーロン  「決めねばならんのは、今後の身の振り方だ。

        旅は続けるんだな。」

アーロンはまっすぐユウナを見た。

ユウナ  「はい。

       でも・・・・、寺院の許可が得られるでしょうか。」

アーロン  「召喚士を育てるのは、祈り子との接触だ。寺院の許可や教えではない。

        おまえに覚悟があるなら、俺は寺院に敵対してもかまわんぞ。」

ティーダ  「おわっ!」

リュック  「すっごいこと言うなあ~ガーン

アーロンの言葉に慌てるルールーとワッカ。

ルールー  「アーロンさん!」

ワッカ  「オレは反対だ。オレたちは犯した罪を償わなくちゃならねえ。

      確かに・・・シーモア老師のことはあまり好きじゃなかった。ああ、ミヘン・セッションの時から気に入らねえと思っていたよ。

      ジスカル様のことを殺したのはもちろん許せねえし、それから、あれだ。オレたちを殺そうともした。

      けどなあ!」

ルールー  「それでも、やはり罪は罪。裁きを受けるべきです。」

ユウナ  「ベベルへ行こう。聖ベベル宮のマイカ老師に事情を説明しよう。

       それしか、ないと思う。」

ワッカ  「そのつもりだ。」

ルールーも頷いた。

ユウナ  「アーロンさん・・・。」

アーロン  「話はついたようだな。」

ユウナ  「一緒に来てくれますか?」

アーロン  「ことを荒立てたのは、俺だからな。」

ティーダ  「そうそう!たいていアーロンが話をややこしくするんだよな。」

リュック  「だよねえ。キマリがガーって吠えて、おっちゃんがつっぱしってさ~。」

アーロン  「ついて来いと言った覚えはない。」

ティーダ  「仲間が行ったらほっとけるかっつうの!な?」

リュック  「うん!」

リュックは照れたようにほっぺたをかいた。

ユウナはティーダのそばへ来て言った。

ユウナ  「・・・・・ありがとう。」

ティーダ  「は?」

リュック  「仲間かあ・・・・ニコニコ

ティーダ  「へへ・・・・・。」

ワッカ  「ったく、この非常時に。のんきだなあ、オイ。単純っちゅうか、図太いっちゅうか。」

ルールー  「あんたはカリカリしすぎ。歌でも聞いて気を静めたら。」

祈りの歌がまだ鳴り響いていた。

ティーダ  「寺院から聞こえるのか?」

ユウナ  「うん。心静める、エボンのたまもの。」

ユウナは祈った。

ティーダ  「これ、誰が歌ってるんだ?」

ルールー  「祈り子様よ。」

ティーダ  「へー。・・・え?祈り子って歌ったりするもんなのか!?」

ルールー  「それ以外に説明がつかないでしょ?」

ワッカ  「なんかよう、少し前からザワザワっちゅうか、ゾクゾクっちゅうか・・・・、そんな気しないか?」

キマリ  「このあたりの匂いが変わった。良いことか悪いことか、キマリにはわからない。」

ルールー  「ねえ・・・・地面揺れてない?」

ワッカ  「落ちつかねえなあ・・・。」

みんなそわそわしていた。

アーロンだけは落ち着いていた。

アーロン  「この歌、ジェクトも歌っていたな。」

ティーダ  「ああ、こればっかりな。

        ・・・・はは、へったくそでさ~!」

アーロン  「下手なのは、おまえも同じだ得意げ

ティーダ  「聞いてたのかよ!?」

        かーっ!?油断もスキもないなあ。」

アーロン  「おまえの歌を聞くたびに、スピラを思い出した。」

ティーダ  「そっか・・・・。あんた、スピラからザナルカンドに渡ったんだよな。やっぱり心細かったのか?」

アーロン  「さあな。」

ティーダ  「なあ、どうやってザナルカンドに行ったんだ?『シン』?」

ティーダ  「やっぱ、・・・・そうだよな汗

ティーダ  「決定的だった。ザナルカンドとスピラをつないでいるのは『シン』。

        だから、『シン』を倒したら、ザナルカンドへは帰れない。」

リュック  「あれ? 」

ルールー  「歌が終わったみたいね。」

その時、大きな地響きがした。

ユウナ  「あっ!」

ワッカ  「なんかいるんじゃねえか!?」

アーロン  「下だ!」

ユウナ  「『シン』!?」

ワッカ  「げっ!?」

リュック  「ひっ!?」

ルールー  「毒気に気をつけて!」

ティーダ  「この時だった。

        『シン』はオヤジなんだってこと・・・。初めて素直に受け入れることができたんだ。

        歌・・・・聞いてたんだろ?

        今度は・・・・なんだよ。」

ティーダは意識を失った。

夢のような映像だった。

ティーダ  「ザナルカンド・・・・?

        ああ、あんたが思い出してんのか。」

ブリッツボール。

ティーダ  「もうムリだって。あんた、『シン』なんだろ。」

小さかった頃のティーダ。

ティーダ  「オレ・・・・もっと大きくなったって。

        わかったよ。終わらせたいんだよな。オレがなんとかしてやるからな。」

雷平原を抜けると、キラキラと光る森に入った。

リュックは雷平原を抜けて大喜びしている。

ティーダはただ、ユウナを見つめて歩いていた。

アーロン  「ユウナのことが気になる、か。」

ティーダ  「気にすんなってのが無理だよ。

        なにするつもりなんだ?」

アーロン  「単純に考えれば、・・・結婚を承諾することを材料にして、シーモアと交渉するつもりなんだろうな。」

ティーダ  「なんの交渉?」

アーロン  「さあな。」

ティーダ  「一人で大丈夫かなあガーン

アーロン  「ふっ。・・・・望み薄だな。

        シーモアの方が役者が上だ。」

ティーダ  「わかってんならさあ、なんとかしない?」

アーロン  「ユウナがそれを望んでいない。」

ティーダ  「んああ・・・ショック!

        それもわからないんだよな。オレたち、信用ないのか?」

アーロン  「逆だな。皆を巻き込まぬよう、一人で解決しようと決意している。」

ティーダ  「うん、そんな感じだ。

        でも、そっちの方が心配するっつうの。

        話してくれるだけでいいのにさ。」

アーロン  「それができん娘なのだ。

        生真面目で、思い込みが激しく、・・・・甘え下手だ。」

ティーダ  「よく見てんなあ。」

アーロン  「ユウナはわかりやすい。」

ティーダ  「ははは・・・。たしかにあせる

アーロン  「いつかガードの出番がくる。その時は、おまえが支えてやれ。」

ティーダは頷いた。

リュック  「おそ~い!」

先の方でリュックが叫んでいる。

ティーダ  「わりぃ!」

ティーダは走って追いかけた。


ティーダ  「オレは不思議と落ち着いていた。

        ユウナの結婚は、オレが想像するようなあれやこれやの結婚じゃなくて、そう、旅を続けるためのちょっとした儀式みたいなもの。

        そういうふうに、考えられるようになってたからだと思う。

        まあ、なんていうか・・・、あきらめの境地ってやつだったのかもしれないけどさ。」


ティーダ  「行こうか、ユウナニコニコ

ユウナは微笑んだ。




マカラーニャの森の入り口に、ルチルとエルマがいた。

ルチル  「ユウナ様、無事のご到着、なによりです。

       それから、ご婚約のこと、おめでとうございます。」

エルマ  「シーモア老師の使いが迎えに来てるみたいですよ。

       ユウナ様の結婚式が終わるまで、寺院の警備を手伝うことにしました。お祝いを邪魔する奴らがいたら、あたしたちが退治しまっす!

       あ、そうそう。クラスコはチョコボと一緒に留守番してますよ。時間があったら、声でもかけてやってくださいね。

       今度会う時は、かっこいいチョコボ騎兵に戻ってますからね。」

ルチル  「最近、召喚士が行方不明になる事件が多発しているようです。くれぐれもご注意を。

       われわれは、この任務が一段落したら北へ向かいます。新たなチョコボを捕まえて、騎兵隊を再編成するつもりです。

       それにしても・・・・おめでたいですね。こんな話題は、ずいぶん長い間ありませんでしたからね。」

二人とも嬉しそうだった。


しばらく歩いていると、向こうからバルテロが走ってきた。

バルテロ  「おーい!

        ・・・あんたたち、ドナを見かけなかったか?」

バルテロはぜいぜい言いながら聞いてきた。

ティーダ  「ドナぁ?見てないッスよ。」

ワッカ  「どうしたんだ?」

バルテロ  「森に入ってからはぐれちまって・・・。

        くそっ!どこ行っちまったんだ!?」

アーロン  「落ち着け。」

バルテロ  「でも!あいつにもしものことがあったら・・・ショック!

アーロン  「取り乱して無駄口をたたいてもなんの解決にもならん。

        今はドナの無事を信じて全力で探すことだな。」

バルテロ  「でも!!」

アーロン  「ガードが取り乱していたら、召喚士はどうする。」

バルテロ  「!!

        ・・・・そうですね。」

急にシャンとするバルテロ。

アーロン  「手伝いが必要か?」

バルテロ  「いいえ。一人で大丈夫です!

        アーロンさん、ありがとうございます。」

バルテロはお祈りをすると来た道を戻っていった。

リュックがなにか考えている。

ワッカ  「どーした?」

リュック  「あ、元気出してって言おうと思っただけあせる

 



森の出口付近になってアーロンがみんなを止めた。

アーロン  「ちょっと待て。

        たしか・・・このあたりだ。」

ティーダ  「なんスか?」

アーロン  「見せたいものがある。」

ユウナ  「でも・・・アーロンさん・・・あせる

アーロン  「すぐに済む。」

そう言うと、アーロンは剣を振りかざし、周りにあった木の枝を切り始めた。

人が進める程度切ると、先へ進んだ。

そこは木々の光が降り注ぐ湖だった。

ティーダ  「ここって・・・、普通の水じゃないのか?」

アーロン  「スフィアの原料となる水だ。人の想いを封じ、留める力がある。」

ワッカ  「なんだあ!?」

湖の底から魔物スフィアマナージュが現れた。

アーロン  「想いが集まる場所は魔物が生まれやすい。」

ティーダたちはスフィアマナージュを倒した。

スフィアマナージュはスフィアを落としていった。

ワッカ  「ずいぶん古いな。こりゃ中身消えてっかもなあ。」

アーロン  「10年前、ジェクトが残したスフィアだ。見てみろ。」

ティーダ  「お、・・・おうあせる

ティーダはスフィアの再生ボタンを押した。


どうやら、出発の時のようだ。

アーロン  「おまえ、何を撮ってるんだ!」

ジェクト  「よくわからねえが、長い旅になるんだろ。珍しいものもたくさん見れそうだ。

       となりゃ、全部スフィアに記録しといて、ニョウボとガキにも見せてやらねえとよニコニコ

アーロン  「この旅は遊びではないんだぞ!」

ジェクト  「しっかし、ブラスカよお。

       『シン』と戦うショーカンシ様の出発だってのに、・・・これじゃあなんだか夜逃げみたいじゃないか。」

ブラスカ  「これでいいさ。見送りが多すぎると、かえって決意が鈍りかねない。」

ジェクト  「そんなもんかねえ・・・。

       ま、おめえがここに帰る時には、もうちょいにぎやかになるだろうさ。『シン』を倒した英雄として、ハデに凱旋パレードよ!」

ブラスカ  「ははは。

        そろそろ行こう。夜が明けてしまう。」

次はここ、マカラーニャの映像だ。

今度はブラスカが撮っているらしい。

ブラスカ  「アーロン、もう少し寄ってくれ。」

アーロンはしぶしぶジェクトに近寄った。

ブラスカ  「よし、それでいい。」

ジェクト  「そんなイヤがんなよ、カタブツにひひ

アーロン  「うるさいプンプン

ジェクト  「ブラスカ、おめえも映っとけよ。ユウナちゃんへのいい土産になるぞ。」

ブラスカ  「・・・そうだな。」

アーロン  「ブラスカ様。

        こんなことをしていては、時間がいくらあっても足りません!」

ジェクト  「な~に焦ってんだか。」

アーロン  「この旅がどういうものだか、教えてやろう!」

ブラスカ  「アーロン!」


ティーダ  「なんだよ・・・。なに楽しそうにしてんだよ。」

リュック  「続き、あるみたいだよ。」


次に映ったのは、この湖だった。

ジェクトが自分で撮っていた。

ジェクト  「よう。

       おめえがこれを見てるってことは、オレと同じようにスピラに来ちまったわけだな。

       帰る方法がわからなくて、ぴーぴー泣いてるんじゃねえか。

       まあ、泣きてえ気持ちもわかる。オレも人のこと言えねえよ。

       だがよ、いつまでも、ウジウジ泣いてんじゃねえぞ。なんたって、おめえはオレの息子なんだからな。

       あー、・・・・なんだ、その・・・、・・・・・だめだ、まとまりゃしねえよ。」

ここで一旦消えるが、また同じ場所が映った。

今度はジェクトの声だけ入っていた。

ジェクト  「とにかく・・・、元気で暮らせや。・・・・・・そんだけだ。

       じゃあな。」

ここで映像は終わっていた。


ティーダ  「最後だけマジなふりしたって、説得力ねえっての。」

アーロン  「ふりではない。

        あの時、ジェクトはすでに覚悟を決めていた。」

ティーダ  「覚悟?」

アーロン  「ジェクトは、いつでもザナルカンドの家に帰ることを口にしていた。

        風景をスフィアに収めて続けていたのは、帰ってからおまえに見せるためだ。

        しかし、旅を続け、スピラを知り、ブラスカの覚悟を知り・・・、そう、前に進み続けるうちに、ジェクトの気持ちは変わった。

        ジェクトは、ブラスカとともに『シン』と戦うことに決めた。」

ティーダ  「帰るの、あきらめたってことか・・・。」

アーロン  「覚悟とは、そういうものだ。」


ティーダ  「なんとなくわかった。

        オヤジは、ザナルカンドに帰る方法が見つからないから覚悟した。

        本当は帰りたかったけど、帰れないから覚悟を決めた。

        そうしないと前に進めなかったんだと思う。

        それに・・・、もし、帰る方法を見つけたとしても、途中で仲間と別れるなんて、できなかったと思う。」


ティーダ  「さーて、出発するッスよ!」


ティーダ  「あきらめが、・・・覚悟に変わったような気がした。」


ジェクトに救われたのか、気持ちがすっきりとしたティーダをアーロンは呼び止めた。

アーロン  「おい。」

ティーダ  「なーんスか?」

アーロン  「ジェクトはおまえを愛していた。」

ティーダ  「んな気持ち悪いこと言うなよガーン

アーロン  「しかし、愛し方がわからなかったと言っていた。」

ティーダ  「オヤジの話はもういいって。」

アーロン  「・・・これだけは伝えたかった。」

ティーダ  「そりゃどーも。・・・・・・・・・ありがとう。」



森を抜けると、冷たい湖だった。

ティーダたちは旅行公司に寄った。

そこでクラスコがチョコボの世話をしていた。

クラスコ  「こんちは。

       見てくれよ、これ。いっつもオレひとりが留守番なんだよな。」

チョコボ  「くえ~~っ。」

クラスコ  「あ~、はいはい、首がカユイんだな?」

クラスコはチョコボの首をかいた。

チョコボは嬉しそうに鳴いた。

クラスコ  「おう、よかったなあニコニコ

ティーダ  「よくわかるなあ。」

クラスコ  「ああ、チョコボの気持ちがなんとな~く伝わってくるんだよね。

       もしかしたらオレ、騎兵よりもこういう方が向いてんのかもな。

       なあ、オレ、どっちの仕事が向いてるかな?」

ティーダ  「チョコボ飼育係り。」

クラスコ  「そうか、オレもそんな気がしてたけど・・・。うーん、こりゃちょっとマジメに考えてみるかなあ。」

クラスコは嬉しそうに考えていた。


公司の中にいても、ユウナの顔は暗かった。

ユウナ  「ん?」

ティーダ  「ニコニコ旅すんだろ?」

ユウナ  「ん・・・・・そだね。がんばるよ。」

そう言って、引きつった笑顔を見せるユウナ。

ユウナ  「笑顔・・・、練習中・・・。」

ティーダ  「ん。がんばるッス。」

それを心配そうに見つめるルールーとワッカ。

ルールー  「ユウナ、思いつめてるわね。

        こうやって立ち止まると、いろんなこと考えてしまうわね。」

ワッカ  「やっぱよう、こんなくら~い気分になる結婚ってヘンだよなむっ

ティーダ  「今更やめろよ。」

ワッカ  「ヘン!オレはガキのころからゆ~じゅ~ふだんでよ!」

ティーダ  「あ、開き直ってるし。」

ワッカ  「へへ~ん!ってなもんだ。」

全然、楽しくなんてなかった。


公司の中にメイチェンがいた。

メイチェン  「ユウナ様はシーモア老師とご結婚なさるとか。まずは、おめでとうございますと申し上げておきましょう。

        しかし、いささか残念ですなあ。ユウナ様なら『シン』を倒してナギ節を招いてくださると思うだが。」

ティーダ  「ユウナは結婚しても旅はやめないってさ。」

メイチェン  「おお!それはそれは、素晴らしい覚悟ですなあ。

        そうそう、このマカラーニャ湖は一年を通じて凍結しとるんですわ。どんなに暑い日でも、氷は絶対に溶けやしません。

        湖が凍っているのは寺院の祈り子様が放つ凍気の影響ですな。」




ひと休憩して、ティーダたちは寺院へ向かった。

公司を出ると、トワメルが迎えに来ていた。

トワメル  「ユウナ様。お迎えに参上いたしました。

       こんなに早くにお返事をいただけるとは・・・、まったくもって予想外の出来事。

       何も告げずに留守にしたこと、シーモア様になり代わり・・・。」

トワメルは頭を下げて言った。

ユウナ  「それはいいんです。

       ・・・あの、ひとつ聞きたいことが。」

トワメル  「なんなりと。」

ユウナ  「わたし、結婚しても旅を続けたいんです。シーモア老師は許してくださるでしょうか?」

トワメル  「それはもう・・・。シーモア様もそのつもりでいらっしゃいます。」

ユウナは安心するとみんなの方を振り返った。

ユウナ  「いってきます。」

笑顔で言うと、ユウナはトワメルのそばへ行った。

トワメル  「さて・・・、グアドのしきたりがありましてな。

       皆様はもう少しだけここでお待ちください。ほどなく、迎えをよこしますゆえ。」

ユウナ  「あの・・・。」

ユウナはアーロンを見た。

アーロン  「ガードはいつでも召喚士の味方だ。好きなようにやってみろ。」

ユウナ  「はい!」

ユウナはトワメルとともに去っていった。

アーロン  「悪かったな。」

アーロンはぼそっとティーダに言った。

ティーダ  「ん?」

アーロン  「おまえのセリフだった。」

それを聞いてティーダは離れていくユウナを呼んだ。

ティーダ  「ユウナ!」

そして指笛を吹いた。

ユウナ  「了解っす!」

ユウナは笑顔で答えた。

ティーダたちはユウナを見送った。


リュック  「あ~っ!!」

ユウナが小さくなる頃、リュックが叫んだ。

ワッカ  「アルベド族だ!」

見ると、ユウナの周りをアルベド族が囲んでいた。

ティーダたちはすぐにユウナたちのところへ向かった。

アーロン  「任せろ。」

トワメル  「かたじけない。」

トワメルはユウナの手を引いて先へ進もうとした。

しかし、ユウナはその手を振り払った。

トワメル  「ユウナ様!?」

アニキ  「リューック!!ビャヤヌウハナ、ヨミユダワミセガ!

       (リューック!!邪魔するなら、こいつが相手だ!)」

アニキが高台から叫んだ。

出てきたのは大型の機械だった。

アニキ  「ヤロフコキョフアンビュフコ、クフビヨレセタウゲ!

       (魔法も召喚獣も、封じ込めてやるぜ!)」

リュック  「え~!?」

ティーダ  「通訳!」

リュック  「魔法と召喚獣を封印しちゃうって。」

アニキ  「タッヒヤヘ!

       (やっちまえ!)」

アルベドシーラーとアルベドガンナーが襲ってきた。

どうやら魔法と召喚獣を封じているのは浮遊機械のアルベドシーラーらしい。

そこで、ワッカが攻撃してアルベドシーラーを壊した。

ワッカ  「ルー!これで魔法が使えるぞ!」

そしてアルベドガンナーの強力な魔法ビームにも負けず、ルールーの魔法で応戦し、勝利した。

トワメル  「ユウナ様!」

ユウナは申し訳なさそうに一礼し、トワメルに連れられていった。

アニキ  「リューック!!」

またアニキが叫んだ。

アニキ  「トタビシミミユテウアナハ!

       (オヤジに言いつけるからな!)」

リュック  「ワサキ、ユウナオガードシハッサアナ!

       ユウナマガミビョフズ!インハベヤコウアナガミビョフズ!

       (あたし、ユウナのガードになったから!

       ユウナは大丈夫!みんなで守るから大丈夫!)」

アニキ  「ゴフハッセコキナメネアナハ!

       (どうなっても知らねえからな!)」

そう言って、アニキは去っていった。

リュック  「あははははは・・・・・。

       ガードになったって言っちゃった。・・・・・・うーん、仕方ないよねあせる

リュックはほっぺたをかいた。

ワッカ  「なんでアルベド族の言葉知ってんだ?なあ?」

ワッカはティーダとルールーに聞いた。

ティーダ  「えっと・・・あせる

リュック  「あたし、アルベド族だから。あれ、あたしのアニキ。」

リュックは物怖じせずに言った。

ワッカは驚いてティーダとルールーを見た。

ワッカ  「・・・・知ってたのか。」

二人は頷いた。

ワッカ  「なんで黙ってたプンプン

ルールー  「あんた、怒るでしょ。」

ワッカ  「最悪だぜ・・・。」

ワッカは頭を抱えた。

ワッカ  「反エボンのアルベド族と一緒だなんてよ!」

リュック  「あたしたちはエボンに反対なんかしてないよ!」

二人とも大きな声で言い合った。

ワッカ  「おまえら禁じられた機械を平気で使ってんじゃねえか!わかってんのか?

      『シン』が生まれたのは人間が機械に甘えたせいだろうがよ!」

リュック  「しょーこは?しょーこ見せてよ!」

ワッカ  「エボンの教えだ!教訓もたくさんある!」

リュック  「答えになってな~い!

       教え教えってさあ!もっと自分のアタマで考えなよ!」

ワッカ  「じゃあ教えてくれ。

      な、どうして『シン』は生まれたんだ?」
リュック  「それは・・・・わからないよ。」

ワッカ  「けっ!エボンの教えをバカにして、結局それかよ。」

リュック  「でも!教えだからって、何にも考えなかったらこのままだよ!いつまでたっても何にも変わんないよ!」

ワッカ  「変わんなくてもいいんだよ!」

リュック  「『シン』が復活し続けてもいいの?もしかしたら、それ、止められるかもしれないんだよ。」

ワッカ  「オレたちが罪を償いきれば、『シン』は復活しない。」

リュック  「どうやって償うのさ!」

ワッカ  「教えに従って暮らしていれば、いつかは償えるんだよ!」

リュック  「・・・・・なんか、ハナシにならないね。」

不穏な空気が流れる。

アーロン  「リュック!

        これは動くのか?」

アーロンの一言で少し和らいだ。

アーロンが指しているのはアルベド族が乗っていた機械の乗り物だった。

リュック  「うん!」
リュックは駆け寄って機械をいじり始めた。

ワッカ  「あれに乗ろうってのか?まさかアーロンさんもアルベドじゃないだろうなむっ

ティーダ  「へんだよ、ワッカ。」

ワッカ  「なにが?」

ティーダ  「リュックがアルベド族だってわかったら、急に怒るなんてさ。ここまで仲良くしてただろ!」

ワッカ  「そりゃあ、おまえ・・・・。」

ティーダ  「オレ、スピラのことはよく知らないけど、アルベド族がどんな人たちなのか全然知らないけど、リュックはいい子だと思う。

        リュックはリュックだよ。」

ワッカ  「ルー・・・。」

ワッカは答えきれずにルールーに助けを求めた。

ルールー  「アルベド族を知るいい機会。そう考えてみない?」

ワッカ  「けっ!」

ルールーにも見放された気がしたワッカは一人で歩き出した。

ティーダはワッカを追おうとした。

アーロン  「放っておけ。簡単には受け入れられまい。」

リュック  「・・・・・ごめんね。」

ルールー  「あんたが謝ることないわ。」

ティーダ  「さーて、行くッスか!」

ティーダは明るく振舞った。

リュック  「運転できんの~?」

安心したリュックはティーダに言った。

キマリが転がっていた機械を起こし、それに乗って寺院へ向かった。

ティーダ  「キマリには負けられないッス!」

ルールーを後ろに乗せて、ティーダも出発した。




ルールー  「ワッカのこと、嫌わないであげてね。」

ティーダ  「だいじょぶだって。」

ルールー  「・・・・・・ありがとう。」

ティーダ  「ルールーはリュックのことどう思う?」

ルールー  「私?・・・・・・そうね、見ていて飽きないかな。」

ティーダ  「そんだけ?」

ルールー  「悪い子じゃないわ、それはわかる。」

ティーダ  「だろ~?ワッカもさ、それはわかってると思うんだよな。」

ルールー  「うん。」

ティーダ  「ワッカも頭カタイよな。

        エボンの教えって、そんなに厳しいのか?」

ルールー  「教えのせいだけじゃないわ。」

ティーダ  「え?」

ルールー  「あいつがアルベドを嫌うのは、チャップのことがあったから。」

ティーダ  「あ、機械の武器使ってたんだっけ。・・・・・んで、やられたんだよな。

        みんな・・・『シン』のせいか・・・・・・。

        ・・・・・・・・・・くそオヤジ。」

ルールー  「なに?」

ティーダ  「ああ、こっちの話。

        あのさ。『シン』って、誰かが変身するものなのか?」

ルールー  「そんな話、聞いたことないけど、どうして?」

ティーダ  「なんとなく。」

ルールー  「『シン』は罰であると同時に、私たちの罪が形になったもの。」

ティーダ  「んあ?

        結局、わかんないってことか。」

ルールー  「考える必要、あんまりないから。

        逃げるか戦うか、選ぶだけで精一杯よ。

        あんまり深いこと考えない方がいいわ。」

ティーダ  「なんかさあ・・・・。いいのか?それで。」

ルールー  「ふふ・・・・。やっぱりあんた、ほんとに『シン』のない世界から来たんだね。」

ルールーは笑いながら言った。




寺院に着くと、まずリュックが僧官に止められた。

僧官  「お待ちなさい!ここはアルベド族が来てよいところではありません。」

アーロン  「この娘はユウナのガードだ。」

僧官  「アルベド族が・・・・ガードですと?信じられませんな。」

リュック  「あたしはユウナを守りたい。誰にも文句は言わせない。」

リュックはまっすぐに僧官を見た。

アーロン  「そういうことだ。ガードに血筋は関係ない。」

僧官  「や、やむをえませんな。」

そう言って僧官は道を開けた。

中に入るとトワメルが迎えた。

トワメル  「おお。ガードの皆様。先ほどはありがとうございました。皆様のおかげで、無事にユウナ様をご案内できました。

        心より、感謝申し上げます。

        シーモア様とユウナ様はヒトとグアドとの架け橋となるでしょう。

        異界のジスカル様もさぞやお喜びでございましょう。

        さてさて、式の準備も始めねばなりませんな。これから忙しくなりますなあ。」

トワメルは浮き足立っていた。

シェリンダ  「あっ!来た来た!

         ユウナ様、やっぱりご結婚なさるんですよね。

         もう、からかわないでくださいよ。」

シェリンダがティーダに駆け寄ってきて言った。

ティーダ  「結局、こうなったよなあむっ

シェリンダ  「嬉しくないんですか?」

ティーダ  「まあ、いろいろあるッスよ。

        ・・・・・あのさ、ユウナがどこにいるか知らないか?」

シェリンダ  「ユウナ様は、試練の間へ向かわれたようです。シーモア老師とご一緒でした。」

それを聞いて、ティーダたちは試練の間へ向かった。

と、その時、脇の部屋から女官がおびえて出てきた。

女官  「ジスカル様!!

    ・・・・・・・・ユウナ様のお荷物のスフィアが・・・・。」

ティーダたちはその部屋に入った。

アーロン  「これがユウナを悩ませる原因・・・だな。」

そう言ってアーロンはティーダにスフィアを渡した。

ティーダは再生した。


ジスカル  「わしがこれから言うことは、曇りなき真実。グアドの誇りにかけて誓おう。

        心して聞いて欲しい。わが息子、シーモアのことだ。

        あやつが何を考えておるのか、わしにもわからぬ。見えるのは、ただあやつの胸に燃え盛る黒い炎。

        あやつはエボンを利用し、グアドを利用し、召喚士を利用し、・・・このままでは、スピラに災いをもたらす者と成り果てるだろう・・・。

        わしは・・・まもなく死ぬ。わが子によって、殺められ死ぬ。

        ・・・・・・・・それは受け入れよう。

        わしがふがいないばかりに、あやつは苦しみ、歪んでしもうた。

        わしは、シーモアとあれの母親を世間から守ってやれなかった。

        わしに科せられた罰として、この死を受け入れよう・・・。

        しかし、・・・これを見る者よ。シーモアを止めてくれ。息子を・・・・たのむ。」


アーロン  「・・・・こういうことか。」

リュック  「ユウナ、大丈夫かな?」

アーロン  「ここまで大ごととはな・・・。」

みんなは部屋を出ていった。

ワッカ  「どこへ!?」

ティーダ  「シーモアはヤバイ。それははっきりしただろ!」

ワッカ  「相手はエボンの老師だぞ。」

ティーダ  「んああああ!じゃあワッカはここにいろよ!」

耐え切れずにティーダは叫んだ。

ルールー  「ワッカ、行こう。話しを聞いてみよう。」

ワッカ  「どうなっちまってんだよ・・・。」

ワッカは頭を抱えながらみんなの後を追った。




アーロン  「キマリが待っている。先に行け。」

ティーダ  「うっす!」

ティーダは先に走っていった。

アーロン  「相手の出方次第では・・・・やる。」

後から来たワッカに言った。

アーロン  「覚悟しておけ。」

ワッカ  「ははは・・・・。アタマん中、真っ白だぜ・・・・。」

ルールー  「老師に非があれば・・・・・仕方ない!」

ルールーはすでに覚悟を決めているようだった。


試練の間をガードだけでかいくぐり、祈り子の部屋の前まで来た。

シーモアは奥の扉の前にいた。

ティーダ  「シーモア!」

怒りでいっぱいの叫びだった。

シーモアはゆっくりと振り返ってティーダたちを見た。

シーモア  「お静かに。ユウナ殿が祈り子と対面中です。」

ティーダ  「うるせえ!」

ティーダはシーモアを睨みつけた。

その時、奥の扉が開き、ユウナが出てきた。

ティーダ  「ユウナ!」

ユウナ  「どうして!?」

ユウナはティーダたちに駆け寄った。

ティーダ  「ジスカルのスフィア見たぞ!」

シーモアが小さく反応した。

アーロン  「・・・・・・・・殺したな。」

シーモア  「それがなにか?

        もしや・・・、ユウナ殿もすでにご存知でしたか?」

頷くユウナ。

シーモア  「ならば、なぜ私の元へ?」

ユウナ  「私は・・・・・・・・・・・、あなたを止めに来ました。」

振り返り、シーモアを見て言った。

シーモア  「・・・・・なるほど。あなたは私を裁きに来たのか。」

そう言うと、シーモアはユウナに手を差し伸べた。

ユウナはティーダたちの方へ下がった。

シーモア  「残念です。」

そして、シーモアの目の色が変わった。

ティーダたちは守るようにユウナを囲んでシーモアを睨んだ。

シーモア  「・・・なるほど。

        命を捨てても召喚士を守る誇り高きガードの魂・・・。見事なものです。

        よろしい!ならばその命、捨てていただこう!」

シーモアは右手を挙げ、連れてきていたグアド族を戦闘体制にした。

ユウナ  「シーモア老師。ガードはわたしの大切な同士です。その人たちに死ねと言うのなら、わたしもあなたと戦います!」

ユウナも構えた。

ティーダ  「おっし!」

ティーダたちはいつでも戦える。

が、ワッカだけは違った。

ワッカ  「シーモア老師!!」

すがりつくように叫ぶワッカ。

シーモア  「覚悟を決めなさい。」

ワッカ  「老師!もうやめましょう!」

シーモアは黙ったままだった。

ワッカ  「ちっくしょう・・・。どーなってんだよ。」

ユウナ  「老師様が相手でも、わたし、戦います!」

シーモア  「結構。そのひたむきな眼差し、実に美しい。」

ティーダ  「最初っからおまえのこと気に食わなかったんだよ!」

シーモア  「ほう。それはまことに申し訳ない。」

ティーダ  「なめんな!」

ティーダたちはシーモアの魔法攻撃を受けながらも戦った。

すると、シーモアが召喚獣を出した。

シーモア  「私の闇を知るがいい・・・。

        出でよ、アニマ!」

ルカで出した召喚獣だ。

ティーダ  「ユウナ!新しい召喚獣だ!!」

ユウナ  「祈り子様、力を貸して!」

ユウナはシヴァを召喚した。

シヴァのダイヤモンドダストでアニマを消した。

シーモア  「アニマを退けたその力、なんとしても手に入れよう。」

シーモアは連続魔法で攻撃してきた。

傷つきながらも、ティーダたちはシーモアを倒した。

深手を負ったシーモアに近づくユウナ。

シーモア  「今更、・・・・私を哀れむのですか。」

ユウナは何も言わずにシーモアを見ていた。

シーモアはばったりとその場に倒れた。

すると、寺院側の扉が開いた。

トワメル  「おお・・・・シーモア様!?

       い、いったい何が!」

慌ててシーモアに駆け寄るトワメル。

ワッカ  「オ・・・オレは・・・・。」

まだ混乱の中にいるワッカ。

ティーダ  「ワッカ、気にすんな。先に手を出したのはシーモアだ。」

トワメル  「なんと!あなたたちが!」

驚いてティーダたちを見るトワメル。

アーロン  「ユウナ、送ってやれ。」

トワメル  「お止めなさい!反逆者の手は借りません。」

そう言うと、従者たちにシーモアを抱えさえ出て行った。

ユウナはその場にへたへたと座り込んだ。

ユウナ  「・・・・・・反逆者・・・・・・・。」

ワッカ  「もう、・・・・・終わりだ。」

ティーダ  「ちょっと待てよ!悪いのはシーモアだろ!それを説明すれば、みんなわかってくれるって!」

アーロン  「それほど甘くはないだろうが・・・。

        とにかく、ここを出るぞ。」

ティーダたちは試練の間を出た。


 


そこには、トワメルたちが睨みをきかせて待っていた。

ユウナ  「あの・・・・。」

アーロン  「申し開きの機会をくれ。」

ユウナたちの言葉をトワメルは無視した。

トワメル  「他の老師たちにはわたしが報告しておきましょう。」

アーロン  「と言うと?」

トワメル  「シーモア様は、エボンの老師である前に、グアドの族長ですから。」

ティーダ  「やる・・・・・ってことッスか。」

トワメル  「ここから無事に帰してしまっては、シーモア様が許しますまい。」

リュック  「待ってよ~!

       ほら、あのスフィアを見ればわかってくれるよ!」

トワメル  「これですかな?」

トワメルはジスカルのスフィアを叩き割った。

トワメル  「グアドの問題はグアドが解決します。」

キマリ  「どけ!」

アーロン  「走れ!」

ティーダたちは強行突破した。

グアド族の追っ手をうまくかわしながら寺院を出た。

グアド族に追われながら湖に出た。

そこにはウェンディゴという雪男のような魔物がいた。

ティーダたちはグアド族とのはさみうちになった。

やるしかない。

ティーダたちは戦った。

ウェンディゴは倒れる寸前に残りの力を振り絞り、凍った湖面を殴った。

氷にひびが入り、ティーダたちはその中へ落ちた。

グアドサラムを出ると、そこは雷が轟く黒い風景だった。

リュック  「あ~あ・・・、来ちゃったよ・・・ガーン

どーーーん!!

リュック  「きゃあああっ!?」

リュックは雷が苦手らしく、雷が鳴る度に叫んでいた。

ティーダ  「どうやって進むんだ、ここ。」

ルールー  「あちこちに避雷塔が立っているわ。雷は避雷塔が受け止めてくれるってわけね。」

ワッカ  「避雷塔から離れすぎず近づきすぎず北へ進め、だな。」

ルールー  「何もない広い場所は危険ってことよ。」

どーーーーーん!!

リュック  「きゃあぁぁ~~っ!?

       ・・・・ちょ~っとだけ、グアドサラム戻る?」

リュックは引きつった笑いを見せた。

アーロン  「短い付き合いだったな。」

そう言うと、アーロンは先を歩き出した。

リュック  「あ~・・・・、わかったよ、行くよ!」

半泣き状態でリュックは追いかけた。




雷を避けながら進んでいくと、シェリンダと会った。

シェリンダ  「あ、お疲れ様です。」

ティーダ  「ども!」

シェリンダ  「そうそう!シーモア老師とユウナ様がご結婚なさると聞きました。

         素敵なお話ですよねえ。早くみんなに知らせたいです!」

ティーダ  「誰から聞いた?」

シェリンダ  「グアド族からですよ。みんなとっても嬉しそうでしたニコニコ

ティーダ  「それ、ちょっと違うな。ユウナは断るつもりだから。」

シェリンダ  「えっ!本当ですか!」

ティーダ  「うん。結婚はナシ。」

シェリンダ  「そうなんですか・・・。がっかりしました。

         スピラ中が喜びと祝福に沸きかえったでしょうに・・・しょぼん

シェリンダは肩を落とした。

ティーダはちょっと心苦しかったが、それ以上何も言わなかった。




中腹まで来た頃。

ワッカ  「お~!近い近い!うはははは~!!」

ワッカは避雷塔に落ちる雷を楽しんでいた。

ルールー  「さっさと行くわよ。」

あきれるルールー。

ワッカ  「へいへい。」

リュック  「へへへへへ・・・・。」

ワッカ  「ん?どした?」

リュック  「へへへへへ・・・・。」

リュックの顔は笑っていなかった。

ティーダ  「へへへへ・・・・ってなんだよ、気持ち悪いな。」

どーーーーんっ!!

リュック  「いぃやぁぁぁ~~っ!?」

リュックはその場に座り込んだ。

そして、地面を這いながらティーダの足にしがみついた。

リュック  「やだ~!もうやだ~!雷やだ~!!

       そこで休んでこ!ね?ね?」

見ると、旅行公司があった。

アーロン  「ここの雷は止むことはない。急いで抜けた方がいい。」

リュック  「知ってるけどさ~!リクツじゃないんだよ~!」

ティーダの足にしがみつきながら、リュックは必死に懇願した。

ティーダ  「はは。だってさ。どーする?」

アーロンは鼻で笑い、先へ進んだ。

みんなもそれに続いた。

リュック  「頼むよ~!休んでこうよ~!」

みんなは振り返ったが止まらなかった。

リュック  「雷はダメなんだよ~!休もうよ、ね?お願い!」

止まらない。

リュックは旅行公司から叫び続ける。

リュック  「こんなにヤだって言ってるのにさあ・・・。」

ますます離れる。

リュック  「ヒドイ・・・ヒドイよ・・・。血も涙もないよ・・・しょぼん

みんなは小刻みに震えていた。

リュック  「もしかして、楽しんでる~?」

アーロン  「やむをえん。休むぞ。うるさくてかなわん。」

みんなはリュックを笑いながら店に入った。

ユウナ  「少し・・・疲れました。

       お部屋はありますか?」

店員  「あっ、召喚士様ですね。どうぞ、あちらを使ってください。」

ユウナ  「ありがとうございます。」

中に入るとすぐにユウナはみんなに何も言わず部屋へ入っていった。

ワッカ  「おい、ユウナ?」

ルールー  「らしくないわね。」


ユウナを待っている間、ティーダはリュックに話しかけた。

ティーダ  「そんなに怖いのか?」

リュック  「子供の頃、海で遊んでたら魔物に襲われたんだよ。

       一緒にいたアニキが、魔法で倒そうとしたけど・・・。」

どーーーーんっ!!

リュック  「きゃああ!?

       アニキったら慌ててあたしに魔法をぶっつけてさあ!

       サンダーの魔法でびゃびゃびゃびゃびゃ~!って。」

ティーダ  「うひゃ~ガーン

リュック  「あの時から雷ダメだあ・・・。」

ルールー  「でも、有効な戦法ではあるわね。

        水中に現れる魔物は、魔法攻撃に弱いから。」

リュック  「あ!アニキもそう言ってた!」

ルールー  「あんたたちも覚えたら?」

どーーーーんっ!!

リュック  「きゃあああ!?」

ルールー  「無理みたいね汗

すると、奥からリンが出てきた。

リン  「これはこれはみなさん。わが旅行公司にようこそ。

     ・・・・・・おや?」

リュック  「し~っ!」

リン  「ふむ。」

リンは気を利かせてそれ以上リュックにはふれなかった。

リン  「時に・・・、あの方、もしやアーロンさんでは?」

ティーダ  「そうだよ。」

リン  「やはりそうですか。ミヘン街道店でお見かけして以来、気になっていたのですよ。」

リンはアーロンのところへ行った。

リン  「アーロンさん!

     ご記憶にないでしょうか?

     あれは10年前、ブラスカ様のナギ説のはじめです。」

アーロン  「ああ、世話になったな。」

リン  「いえいえ。重症を負われた方を放ってはおけません。

     それにしても、翌朝、あなたの姿が消えていた時は驚かされました。常人ならば、歩けないほどの傷でしたのに。」

アーロン  「悪いが、その話は止めてくれ。」

リン  「かしこまりました。」

リンはアーロンから離れた。

リン  「先ほど、シーモア老師のご一行をお見かけしました。

     なんでも、老師はご結婚なさるとかで・・・。」

ティーダ  「なんであんたが知ってんだ?」

リン  「グアド族が広めているのですよ。」

ティーダ  「勝手なやつらだなあ。」

ティーダはため息をついた。


ティーダは待ちきれず、ユウナの部屋の前まで行った。

すると、中から声が聞こえてきた。

ティーダ  「あれ?」

ティーダは中の様子をみようとドアに近づいた。

ティーダ  「うわ!?」

勢いでドアが開き、ティーダは部屋の中に入ってしまった。

ユウナ  「な、なに!?」

ユウナは慌ててスフィアの映像を止めた。

ティーダ  「あ・・・・、あのさ、別に用事はなくってさ。

        ・・・・・・・ごめん。まずかった・・・・よな。」

ティーダは部屋を出ようとした。

ティーダ  「あ!あのさあ!」

思い出したかのように戻るティーダ。

ティーダ  「今のって、グアド族のジスカルだよな?」

ユウナ  「・・・・・・うん。」

ユウナはしばらくためらっていたが、思い切ってティーダに話した。

ユウナ  「遺言だったの。息子をよろしく・・・・だって。」

ティーダ  「ふーん。息子って、シーモアだろ?」

ユウナは頷いた。

ティーダ  「よろしくなんて言われても、困るよなあ?」

ユウナ  「・・・・・・・ごめんね。」

ユウナはそう言うと、耐え切れずに部屋を出て行った。

ティーダ  「あ?」

ユウナが出て行った後、ティーダはジスカルのスフィアに触れようとした。

ワッカ  「な~にしてんだ、こら!」

ワッカが後ろからヘッドロックをかけた。

ティーダ  「わあ!痛い痛い!ユウナの様子がヘンだったからさあ!」

ワッカ  「んなこたあ、わかってるって。

      そのうち、自分で言い出すって。それまで待ってやろうぜ。」

ティーダ  「痛い痛い痛い痛い!わかった!わかった!待つから!痛いって!!」

やっとワッカはティーダを放した。

ティーダはしばらくうずくまっていた。

ワッカ  「どんな面倒が起ころうと、オレたちはユウナのガードだ。」

ティーダ  「わかってるって。」

ワッカ  「んじゃ、いつも通り旅を続けようぜ。」



ロビーに出ると、リュックが憂鬱そうに外を見ていた。

リュック  「雷、止まらないね・・・。」

アーロン  「期待していたわけでもあるまい。」

どーーーんっ!

リュック  「きゃあ!」

アーロン  「一生やっていろ。」

アーロンは店の外に出た。

リュック  「わかったよ・・・。

       でも!そんな言い方しなくたっていいじゃんよ!

       もっと、こう、やっさしく励ますとかさあ!それならあたしだって、その気になるのに!

       ぜんっぜんわかってないんだもんな~、もう!

       こらぁ!聞いてんの~?

       ・・・・・・・負っけないぞ~!ふぬぬぬぬ・・・・負けるかっちゅ~の!」

リュックは力いっぱいアーロンの後を追いかけた。



ユウナ  「みんな・・・いいかな。」

ワッカ  「どうした?」

ユウナ  「聞いてほしいことがあるの。」

ルールー  「ここで?」

リュック  「もうすぐ終点でしょ。さくさく行っちゃおーよ。」

ユウナ  「今話したいの!」

ユウナの異常な様子にみんなは黙った。

アーロン  「あそこで聞こう。」

アーロンが指したのは雨宿りができる屋根のある場所だった。

ティーダたちはそこへ入った。

ティーダ  「イヤな予感だけは当たるんだよな。」


ユウナ  「わたし、結婚する。」

ルールー  「やっぱり・・・。」

ティーダ  「そう・・・きたッスか・・・。」

どーーんっ!

リュック  「ひっ!」

ワッカ  「な、どうしてだ?気ぃ変わったのか?」

ユウナ  「スピラのために・・・。エボンのために・・・。

       そうするのが、一番いいと思いました。」

アーロン  「説明になっていない。」

ルールー  「もしかして・・・、ジスカル様のことが関係してるの?」

ティーダ  「あ!あのスフィア!」

アーロン  「・・・見せろ。」

ユウナ  「・・・できません。

       まず、シーモア老師と話さねばなりません。

       本当に申し訳ないのですが、これは、・・・個人的な問題です。」

ワッカ  「水くせえなあ。」

アーロン  「・・・好きにしろ。」

ユウナ  「すみません。」

アーロン  「だが、今一度聞く。」

ユウナ  「あ・・・、旅はやめません。」

アーロン  「ならば・・・よかろう。」

ティーダ  「ちょっと待てよ、アーロン。

        旅さえしてれば、あとはどーでもいいのかよ!」

アーロン  「その通りだ。

        『シン』と戦う覚悟さえ捨てなければ、何をしようと召喚士の自由だ。

        それは召喚士の権利だ。覚悟と引き換えのな。」

ティーダ  「でも、なんか・・・。」

ティーダは一人でとまどった。

ワッカ  「ユウナ、いっこだけ質問がある。

      シーモア老師と、話すだけじゃダメなのか?結婚しねえとマズイってか?」

ユウナ  「・・・わからない。

       でも、覚悟は必要なんだと思う。」

ワッカ  「そ、そうか。」

リュック  「ユウナ・・・。」

どーーんっ!!

リュック  「!・・・・・・・うるさいッ!」

雷に怒るリュック。

リュック  「覚悟ばっかりさせて、ごめんね。」

ユウナ  「いいの。・・・大丈夫。」

ユウナはリュックの手を握った。

ティーダ  「なにが『ごめんね』で、なにが『大丈夫』なのか・・・、なにが『覚悟』で、なにが『権利』なのか・・・、よくわからなかった。

        みんなと考えが離れてしまったような気がして、・・・みんなと離れちゃったら、オレはこのスピラで・・・ひとりだ。

        自分が一人きりなのを感じるのは、辛かった。」

アーロン  「ともあれ、ひとまずは、マカラーニャ寺院を目指す。

        ユウナはシーモアと会い、好きに話し合えばいい。

        俺たちガードは、その結論を待ち、以降の旅の計画を考える。

        いいな。」

ティーダは複雑な気持ちを抱えたまま、残りの雷平原を歩いた。

ユウナはまた黙ったままだった。

幻光河を出発すると、岸辺で倒れている女の子を見つけた。

どうやらアルベド族のようだ。

ティーダ  「死ん・・・・でる?」

ティーダはそろりと近づいた。

すると女の子が立ち上がった。

そしておもむろにボディースーツを脱ぎ始めた。

ティーダは驚きながらその様子を見ていた。

女の子は最後にゴーグルをはずした。

リュックだった。

リュック  「死ぬかと思った・・・ガーン

ティーダ  「あっ!?リュック!?リュックだよな!無事だったんだな!元気だったか?」

リュックは首を横に振った。

リュック  「ぜんっぜん。」

ティーダ  「顔色悪いな。なんかあったのか?」

リュック  「キミにやられたの!」

リュックはティーダを指差した。

ティーダ  「え?あ!さっきの機械!あの中にいたのかえっ

リュック  「そ。めちゃめちゃ痛かった。ヒドイよねえ、もお・・・しょぼん

ティーダ  「でもさあ!そっちが襲ってきたんだろ。」

リュック  「ちっが~う!ふっかい事情があるんだよ。」

ティーダの後をユウナたちが追ってきた。

ワッカ  「おーい!知り合いか?」

ティーダ  「えっと、まあ・・・そんな感じ。」

リュック  「どうも!リュックでーす!」

ティーダ  「ほら、ユウナとルールーにはルカで話したよな。

        ビサイドに流れ着く前にオレが世話になった・・・・あぁあぁ・・・・ショック!

ティーダはワッカを意識してアルベド族だと言えなかった。

ユウナ  「あ・・・・。」

ルールー  「ああ。」

ユウナとルールーも気をきかせてごまかした。

ワッカ  「そりゃおまえ、恩人だろ。会えてよかったよなあ。

      まったく、エボンのたまものだ。」

ワッカは祈った。

ワッカ  「で、リュック?倒れてたみたいだけど、ケガないか?」

ルールー  「ワッカ、ちょっと待って。」

ワッカ  「ん?なんだよ。」

ワッカはルールーを見た。

ユウナ  「ちょっと・・・話したいんだけどあせる

ワッカ  「おお、話せよ。」

リュック  「女子だけで話し合いで~す!男子は待っててください!」

ルールー  「そうね、そうしましょう。」

ワッカ  「ん?ああ?」

ユウナたちは困惑するワッカをよそに離れたところで3人で話した。

そして、アーロンの元へ行った。

ユウナ  「アーロンさん。リュックをわたしのガードにしたいんですけど・・・。」

アーロンはリュックの前に立った。

リュックは俯いた。

アーロン  「顔を上げろ。」

リュック  「え?」

アーロン  「顔を見せろ。」

リュック  「あ、いいよ。」

リュックは目を閉じて上を向いた。

アーロン  「目を開けろ。」

リュックはおそるおそる目を開けた。

アーロン  「やはりな。」

アーロンはアルベド族特有の緑の瞳を見て悟った。

リュック  「ダ・・・ダメ?」

アーロン  「覚悟はいいのか。」

リュック  「ったり前です!」

リュックは笑顔で答えた。

リュック  「と、いう訳で・・・・・いいんだよね?」

アーロン  「ユウナが望むなら。」

ユウナ  「わたしは、是非。」

ワッカ  「う~ん・・・・むっ

ティーダ  「リュックはいい子だよ。オレも世話になったし。」

ワッカ  「そうだな。ニギヤカになっていいかもな!」

リュック  「そうそう。じゃ、あたしはニギヤカ担当ってことで!

       よろしくお願いしま~す!」

ティーダ  「不思議だった。

        ワッカはあんなにアルベド族がキライなのに、リュックがアルベド族だって気づかなかった・・・。」

グアドサラムに着くと、年老いたグアド族に迎えられた。

年老いたグアド  「お待ちしておりました、ユウナ様。ようこそ、グアドサラムへ。

            ささ、ユウナ様、こちらへ。」

年老いたグアドがユウナに触れようとした手をワッカが止めた。

ワッカ  「なんなんだ、あんたプンプン

年老いたグアド  「これは失礼。

            わたくし、トワメル=グアドと申します。

            グアドの族長、シーモア=グアドの身内の者でございます。

            シーモア様がユウナ様に大切なお話があるそうで・・・。」

ユウナ  「わたしにですか?どんなお話でしょう?」

トワメル  「ともあれ、まずは、シーモア様のお屋敷へどうぞ。

       もちろん、皆様も歓迎いたしますよ。」

こうして、シーモアの屋敷に行くことになった。

リュック  「な~んか強引だよね~。」

途中で、シェリンダと会った。

シェリンダ  「あ、ガードのお勤め、ご苦労様です。

         シーモア老師が久しぶりにグアドサラムにお戻りのようです。

         まだまだお若いのに、すごい方ですよね。

         老師はマカラーニャ寺院の僧官長でもいらっしゃいます。

         グアド族とマカラーニャの両方を管理するなんて。

         シーモア老師とお会いできれば嬉しいのですが・・・。」

ユウナ  「どんなお話なのかな。」

シーモアの屋敷で待たされた部屋には数々のグアド族の肖像が掛けられていた。

ルールー  「歴代の族長ね、グアド族の。」

ティーダ  「おんなじ顔だガーン

ワッカ  「シーモア老師だけ、なんか違うよなむっ

ルールー  「知らなかったの?シーモア老師は、先代の族長、ジスカル老師と人間の女性との間に生まれた子よ。」

ティーダ  「へえ。」

そんな話をしていると、奥の部屋からトワメルが出てきた。

トワメル  「どうぞ、こちらへ。」

ティーダたちは奥の部屋に入った。

トワメル  「シーモア様をお呼びして参ります。しばしお待ちを。」

そう言ってトワメルは出て行った。

ユウナ  「ドキドキするなあ。もう。

       叱られるようなこと、してないよね・・・あせる

ユウナの緊張は高まっていた。

ルールー  「このグアドサラムには寺院がないでしょう?

        だから普通、召喚士たちは通り過ぎるだけなのよ。」

ティーダ  「へへへ・・・にひひ

ルールー  「なに?」

ティーダ  「いや、なにも聞かなくても説明してくれるからにひひ

ルールー  「余計なお世話ってわけ?」

ティーダ  「違う違う!オレが何も知らないってこと、わかってくれたんだなって思って。

        ザナルカンドから来たこと、信じてくれたのかなってさ。」

ルールー  「・・・まあね。

        私には知らないことがたくさんある・・・。その中の一つに、あんたのザナルカンドがある。

        そう考えれば、納得できない話じゃないわ。

        でも、気をつけて。私たち以外には、言わない方がいいわね。」

ティーダ  「うん。わかった。」

そんな中、アーロンだけは険しい顔をしていた。

アーロン  「・・・警戒を怠るなよ。」

ティーダ  「なんでぇ?エボンのエライ人の家だろ?」

アーロン  「力を持つと使わずにはいられない。・・・・・・そういう輩かもしれん。」

ティーダ  「あんたさあ・・・、エボンの教えとか、信じてないのか?」

アーロン  「・・・ふっ。俺もザナルカンド暮らしが長かったからな。」

ティーダ  「ああ。」

しばらくすると、トワメルが入ってきた。

トワメル  「ふふふ・・・。

       お客人を迎えるのは楽しいものです。

       ジスカル様がなくなって以来、この屋敷は静か過ぎました・・・。」

ユウナ  「ジスカル老師の死は、スピラにとって大きな損失です。」

ユウナは残念そうに言った。

ティーダ  「ジスカル老師って、そんなにすごいのか?」

ティーダはワッカに耳打ちした。

ワッカ  「グアド族に、エボンの教えを広めたんだ。

      まったく、惜しい方を亡くした。」

このひそひそ話にトワメルが反応した。

トワメル  「そう、まことに残念です。

       しかし、われらには新たな指導者、シーモア様がおられる。

       シーモア様はグアドとヒトの間に生まれたお方。必ずや、二つの種族を結ぶ絆となって下さいます。

       いいえ、それだけではありません。

       シーモア様は、このスピラに生きるすべての者の未来を照らす光となるでしょうな。」

シーモア  「それぐらいにしておけ、トワメル。あまり持ち上げられると、居心地が悪い。」

誇らしげに語るトワメルの話を遮り、シーモアが入ってきた。

シーモア  「ようこそ、みなさん。」

ユウナ  「あの・・・、お話って・・・・?」

シーモア  「そう結論を急がずに、ごゆるりと。」

アーロン  「ユウナは先を急ぐ身だ。手短に済ませてもらいたい。」

シーモア  「失敬。

        久方ぶりに客人を迎えたので、つい・・・。

        ユウナ殿、こちらへ。」

シーモアはユウナを呼んだ。

ユウナが1歩踏み出した瞬間、周りの景色が一変した。

星が一面に流れ出した。

まるで、宇宙の真ん中にいるような景色だった。

ティーダたちはその不思議な光景に目を奪われた。

シーモア  「これは異界をただよう死者の思念から再現した貴重なスフィア。」

そして、現れたのは、ティーダのいたザナルカンド。

ホログラフのように、人々がティーダたちの間をすり抜ける。

ティーダ  「ザナルカンド!!」

シーモア  「そう、ザナルカンド。およそ1000年前の姿です。

        繁栄を極めた機械仕掛けの街、ザナルカンド。彼女はここで暮らしました。」

ユウナ  「彼女・・・?」

ふっと、景色が消え、どこかの寺院のような場所になった。

部屋の真ん中に女の人が座っていた。

ユウナ  「ユウナレスカ様!」

シーモア  「歴史上、初めて『シン』を倒し、世界を救ったお方です。

        そして、あなたはその名を受け継いでいる。」

ユウナ  「父がつけてくれたそうです。」

シーモア  「ブラスカ様はあなたに願いを託したのでしょう。

        ユウナレスカ様のごとく、『シン』に立ち向かえと。」

ユウナは照れたように笑った。

シーモア  「しかし、ユウナレスカ様はお一人で世界を救ったのではありません。

        無敵の『シン』を倒したのは、二つの心を固く結んだ、永遠に変わらぬ愛の絆。」

ユウナレスカの元に、恋人、ゼイオンがやってきた。

ふたりは慈しむように抱き合った。

その様子を見ながら、シーモアはユウナに小声で耳打ちをした。

ユウナは驚いた。

そして、俯いた。

ユウナは近くにあった水を一気に飲み干し、一息ついた。

ある程度の落ち着きを取り戻すと、ユウナはティーダたちの元へ行った。

心配そうにティーダたちは駆け寄った。

リュック  「うわ!顔、真っ赤!」

ティーダ  「大丈夫か?」

ユウナは顔を抑えながら小さく呟いた。

ユウナ  「・・・・・・結婚を、申し込まれましたあせる

ティーダ  「マジッスか?」

少し、困惑するティーダ。

アーロン  「ユウナの使命を知っているはずだがむかっ

アーロンはきつくシーモアに言った。

シーモア  「もちろん。

        ユウナ殿の、・・・いえ、召喚士の使命は、スピラに平和と安定をもたらすこと。

        しかし、『シン』を倒すことだけが、すべてではありますまい。

        『シン』に苦しむ民の心を少しでも晴れやかに。それもまた、民を導く者の務め。

        私は、エボンの老師として、ユウナ殿に結婚を申し込んだのです。」

アーロン  「スピラは劇場ではない。

        ひと時の夢で観客を酔わせても、現実は変わらん。」

シーモア  「それでも、舞台に立つのが役者の務め。」

シーモアはゆっくりとユウナを見た。

シーモア  「今すぐに答える必要はありません。どうか、じっくり考えて下さい。」

ユウナは下を向いた。

アーロン  「そうさせてもらおう。

        出るぞ。」

アーロンは早々に立ち去らせようとした。

シーモア  「ユウナ殿、良い返事をお待ちしています。」

そして、不機嫌なアーロンにシーモアは言った。

シーモア  「何のためにとどまっているのです?」

アーロンはシーモアを睨んだ。

シーモア  「これは失礼。我々グアドは、異界の匂いに敏感なもので得意げ

シーモアはにやりと笑った。

アーロンは黙って部屋を出た。

屋敷を出ると、ユウナは座り込んだ。

ルールー  「大召喚士の娘と、グアドの族長シーモア。その二人が、エボンの名の下、種族の壁を越えて結婚、か。

        たしかに、スピラにとって明るい話題になるわね。」

ワッカ  「でもよ。ホントひと時の夢って感じだよな。」

ティーダ  「っていうかさ。早く旅の続き、行かない?

        冗談キツイッスよ。」

リュック  「あ、やきもち?」

ティーダ  「違うって!

        『シン』を倒すのが一番。それ以外は後回しだろ?」

ワッカ  「余計なことに巻き込まれちまったよな・・・。」

ユウナ  「余計なこと・・・、なのかな。」

ティーダ  「マジッスか!」

ユウナ  「わたしが結婚することで、スピラ中の人たちが、少しでも明るい気持ちになれたら・・・・。

       そんな風に役に立てたら、・・・・・・それも素敵だなって思うんだ。

       こういうことって今まで想像したことなかった。

       だから、よく考えてから、返事をしたいの。」

ティーダ  「マジッスか!」

リュック  「結婚して旅を止めちゃうのも、アリだと思うなあ。」

ユウナ  「旅は・・・・続けるよ。

       シーモア様も、きっとわかってくれると思うな。」

リュック  「うん、・・・・・そうだね。」

ユウナ  「わたし、召喚士だもん。

       『シン』を倒すって、決めたんだから。」

アーロン  「ブラスカと同じようにな。」

ユウナは少し微笑んで頷いた。

ティーダ  「それなら何を考える必要があるッスか!って叫びたかった。」

ユウナ  「わたし、異界に行ってくる。異界で父さんに会って、考えてみるね。」

ルールー  「そうね。気が済むまで、考えなさい。」

ユウナ  「うん。」

ティーダ  「誰もユウナに聞かなかったのが、不思議だった。

        シーモアのこと、好きなのか?って。」

ティーダたちは異界へ向かった。

異界はグアドサラムの一番奥に入り口があった。

ティーダ  「質問ッス!

        異界のことなんだけどさ。

        誰かが死んだら、召喚士が異界送りするんだろ?

        で、死んじゃった人の魂は、異界に行くんだよな?

        でさ、これから行くのが、その異界?

        そこにはユウナのオヤジさんがいる?

        ようするに、死んじゃった人が住んでんの?」

ティーダは少し想像してみた。

そして、苦笑いした。

ワッカ  「ま~たヘンなこと考えてんだろ?」

ティーダ  「テヘヘヘ・・・べーっだ!

ワッカ  「ま、行けばわかるさ。」

ティーダはみんなについていった。

途中で、アーロンがその場に座ってここで待つと言った。

ティーダ  「どーして行かないんだ?」

アーロン  「異界は気に食わんむっ

ティーダ  「はっはーん。怖いんだろ?」

アーロン  「未来の道を決めるために、過去の力を借りる・・・。

        異界とはそんな場所だ。性に合わん。

        ・・・さっさと行け。」

リュック  「ホントはさ。死人じゃなくて、思い出に会いに行く場所なんだよ。

       会いたいって思う気持ちに幻光虫が反応するの。

       でね、幻光虫が人のカタチになる。

       よーするに、マボロシってわけ。」

ティーダ  「ふ~ん。」

リュック  「じゃあ、行ってらっしゃいパー

リュックは手を振った。

ティーダ  「あれ?おまえ、行かないのか?」

リュック  「思い出は心の中に。」

ティーダ  「はあ?」

リュック  「思い出は優しいから甘えちゃダメなの!」

ティーダは二人を残して、ユウナたちの後を追った。

ティーダ  「何だ?」

異界の中はなんとも不思議な空間だった。

今、立っている場所、それは雲の上に浮かんだ岩の上。

いや、よく見ると、滝が流れ、花畑があり、そこを幻光虫が飛び回っていた。

すでに先に来ていたワッカの前には弟のチャップが、ユウナの前にはブラスカとユウナの母親が幻となって宙に浮いていた。

ティーダ  「初めて来た異界のことより、ユウナの気持ちが気になってた。

        ユウナの両親って仲良さそうでさ。

        そんなの見たら、ユウナの気持ちも、結婚する方に傾くかも・・・とかさ。」

ティーダはワッカのそばに近づいた。

ワッカ  「よう、チャップ。すぐおまえに会いに来るつもりだったけど、・・・・すまん!

      これからシャキっとすっから、勘弁してくれ。

      ブリッツボールも引退したし、あとはガード一筋だ。

      おまえに、なんとなく似てるやつが現れてな。そいつと一緒に旅をしてるうちに・・・思った。

      おまえもどこかで生きてるんじゃないかってな。

      でも、やっぱりおまえは異界の住人なんだよな・・・。はっきりわかったよ。

      ・・・・・なあ、そっちはどうだ?

      あ、さっき話したやつにな、おまえの剣をやったんだ。いいよな?」

ティーダは改めてワッカからもらった剣を見て、その思いを痛感した。

ルールー  「彼は死んで、私は生きている。

        ここに来るとよくわかるわね。

        そろそろ私も、人生前向きに考えないとね。

        ふふふ・・・。」

ティーダ  「なに?」

ルールー  「前向きって何よ・・・・ってね。」

ティーダ  「チャップのことにこだわらないってことじゃないの?

        チャップには悪いけど、新しい誰かと付き合うとか。」

ルールー  「なるほど。そういうのもアリね。」

ティーダ  「ワッカと付き合うとかにひひ

ルールー  「どうしてワッカが出てくるのよむかっ

ティーダ  「だって、仲いいだろ?」

ルールー  「仲がいいのと、そういうことは全然別ね。」

ティーダ  「ああ、・・・そうなのにひひ

ルールー  「そう、覚えておきなさい、少年。

        女の子の気持ちをカン違いして、恥かかないようにね。」

ティーダ  「・・・・・・・・覚えとく。」

ルールー  「私も忘れないようにするわ。

        ・・・・・・・・さよならチャップ。いつも不機嫌そうだって、あんたは言ってたけど、・・・楽しかったよ、とてもね。」

ルールーはワッカの前に立つチャップに向かって言った。

そして、ティーダはユウナのところへ向かった。

ティーダ  「で、どう?」

ユウナ  「決めたよ。」

ユウナは清清しく笑った。

ティーダ  「そ、そりゃ良かった。・・・・・・で、どっち?」

ティーダは焦る気持ちを一生懸命抑えた。

ユウナ  「10年前、父さんが『シン』を倒した時のこと、思い出したのね。

       わたしはベベルにいたんだけど、街中が大騒ぎだった。みんな笑っていて、とっても楽しそうだった。

       『シン』を倒すのが、一番の明るい話題、だよね?」

ティーダは頷いた。

ユウナ  「あれもこれもなんて、欲張っちゃダメだよね。」

ティーダ  「じゃ、戻る?シーモアに返事するんだろ?」

ユウナは結婚しない、そう確信したティーダは嬉しそうだった。

ユウナ  「その前に・・・、ジェクトさん、呼んでみない?」

ティーダ  「え?」

ユウナ  「大丈夫、きっと来ないから。」

ティーダ  「思わないようにするのは、思うのと同じことなわけで・・・。」

ユウナ  「ほら、来ない!」

ユウナは嬉しそうに言った。

ティーダ  「オヤジは『シン』だから、ここには来ないってことか・・・・。」

ユウナ  「きっと、どこかで会えるんだよ。」

ティーダ  「でも、本当にオヤジが『シン』だったら・・・、オレは、ユウナやスピラの人たちに、なんて謝れば・・・。

        いや、どうしてオレがアイツの代わりに謝るんだよ・・・。」

ティーダ  「最低だな、オヤジ。」

ティーダは呟いた。

ユウナ  「ね、どうしてそんなにキライなの?」

ティーダ  「いちいち腹が立つんだよな、アイツ。

        アイツのせいで、オレと母さんは・・・・・・。」

その瞬間、目の前にティーダの母親が現れた。

ティーダ  「・・・・・・・・母さん。

        はは・・・・・出てきちゃった汗

ユウナ  「きれいな人だね。」

ティーダ  「あれ?母さんは、異界送りなんてされなかったのに・・・。」

ユウナ  「生きてる時から、死を受け入れていたんだよ。」

ティーダ  「ひどいな、それ。オレ、いたのになあ・・・。」

ユウナ  「あ、ごめん。」

ティーダ  「ん、いいんだ。

        ・・・・・・・・あ。なんか、オレ、わかっちゃった。」

ユウナ  「なに?」

ティーダ  「オヤジがキライな理由・・・・・・・。」

ティーダは思い出した。

ジェクト  「な?そんでオレははっきり言ってやったんだ。」

母親  「ほんと!?」

二人は寄り添って話をしている。

ジェクト  「ったりまえだろ!」

母親  「そうだけどぉ。」

そして、母親はジェクトにキスをした。

ティーダ  「お母さん・・・。」

母親  「ちょっと、待っててね。」

ティーダ  「オヤジがいると、母さんはオレの方を見てくれなかった。

        だからオレは、オヤジがキライになっていったんだろうな。

        オヤジがいなくなってからさ・・・・、母さんはどんどん元気がなくなって・・・・。」

アーロン  「具合はどうだ?」

ティーダ  「あんたには関係ないだろ!」

アーロン  「あの人に死なれては、俺も困るのでな。」

ティーダ  「母さんが死ぬって言うな!」

アーロン  「・・・・・・・悪かった。」

ティーダ  「近所のおばさんが言ってた。

        つがいの鳥は、どっちかが死んでしまうと、残った一羽は後を追うように死んでしまうって・・・。

        ほんとに・・・・・そうなった。

        オレはますますオヤジを憎んだ。

        ・・・・・・・・でも、オヤジ、本当は・・・・・・・・。」

ティーダ  「お母さん・・・。」

母親  「ちょっと、待っててね。」

ジェクト  「行ってやれよ。またビースカ泣くぞ。」

ティーダ  「なんか、オレ・・・。」

ユウナ  「ん?」

ティーダ  「めちゃくちゃかっこ悪いよなあせる

ユウナ  「そんなことないよ。」

ティーダ  「カッコわりいいいいいいい!」

ティーダは苦笑いをした。

後ろからワッカの声がした。

ワッカ  「どうだ?もうちょっと、考えてくか?」

ユウナ  「ううん。大丈夫。」

ルールーがティーダの様子に気づいて声をかけた。

ルールー  「あんた、なんかあったの?」

ティーダ  「ははははは・・・・。」

ティーダは頭をかいた。

異界を出て、アーロンたちと合流した。

ユウナ  「お待たせしました。

       シーモア老師に、返事をしに行きます。」

アーロンは頷いた。

後ろの方で、叫び声が聞こえた。

行ってみると、ジスカルが異界からこちら側へ入ってこようとしていた。

グアドA  「ジスカル様!?」

グアドB  「おお・・・・ジスカル様。」

アーロン  「迷って・・・・いるようだな。」

ユウナ  「どうして・・・。」

アーロン  「ユウナ、送ってやれ。」

ユウナはジスカルのところへ行った。

ユウナ  「ジスカル様・・・。」

ルールー  「もうジスカルさまじゃない。早く送って差し上げなさい。」

ユウナは頷いて祈った。

ジスカルが消える直前、スフィアを落とした。

ユウナはそれを拾った。

アーロン  「話は後だ。ここを出るぞ。」

場の雰囲気が嫌なのか、アーロンはみんなを異界の外へ導いた。

ワッカ  「さっきのどういうことだ?なんでジスカル様が?」

ティーダ  「ジスカル様ほどのお方が、送られずに亡くなるなんて・・・。」

ルールー  「異界送り、されたのかもしれないわ。それでも・・・・スピラにとどまった。

        強い、とても強い思いに縛られていたら、そういうこともある・・・らしいわ。」

リュック  「反則だよねえ、それ。」

アーロン  「まともな死に方をしなかったということだな。」

出口近くでメイチェンに会った。

メイチェン  「異界とは、異界送りで生まれた幻光虫が集まり、死者が生きていた頃の姿をとって現れる場所でしてな。

        なんとも不思議な現象ですが、仕組みはよくわかっておらんのですわ。

        アルベドの者たちはこう言いますな。

        『異界を訪れた生者の想いに幻光虫が反応しているだけだ』と。

        しかし、異界に現れるのは死者のみ。生者の姿は出て来やせんのです。

        この仕組みがわかっとりませんな。

        おそらく、生者の心には死者の想いが住みついており、その想いが、幻光虫の力を借りて姿を見せるのではないかと・・・。

        いやいや、証拠などありゃせんのですがな。

        幻光虫といっても、虫ではありゃせんのですわ。

        魔物を倒すと現れる光、あれのことですな。

        幻光虫はいろいろと不思議な現象を見せてくれます。

        過去の幻影、スフィア、魔物・・・、すべて幻光虫の仕業ですわ。

        そうそう、召喚獣にも幻光虫が大きく関係しとるようです。

        あれは、祈り子様たちの夢が召喚士の精神を通じて、そう、現実の世で形になったもの、そのように推理しとります。

        いやいや、証拠などありゃせんのですがな。」

ユウナ  「わたし、シーモア様に会ってきますね。」

ユウナは一人でシーモアの屋敷に向かおうとした。

アーロン  「ユウナ!

        ジスカルのことはグアドの問題だ。おまえが気にすることはない。」

ユウナは何も言わずに中に入った。

ティーダはルールーに話しかけた。

ティーダ  「あのさ。」

ルールー  「なに?」

ティーダ  「ユウナの結婚のこと、どう思った?」

ルールー  「旅を続けるなら、どちらでもよかったわ。」

ティーダ  「それだけ?

        ユウナがシーモアを好きかどうかとかは?」

ルールー  「人はいろんな理由で結婚するわ。」

ティーダ  「どういう意味?」

ルールー  「あの結婚には、そういう感情は必要ないってこと。

        『シン』を倒して、スピラの人たちを幸せにしたい。明るいニュースで、スピラの人たちを幸せにしたい。

        ユウナにとってはどっちも同じなのよ。

        必要なのは、自分の覚悟。覚悟があれば、感情はなんとかなるでしょ?」

ティーダ  「そうかなあ・・・・。よくわからないッス汗

ルールー  「あのね・・・。私だって、もしユウナが結婚するんだったら、好きな相手としてほしいわよ。」

ティーダ  「だろ~!!」

ルールー  「でも・・・、ユウナが好きな相手と結婚したいって言い出したら・・・、私は反対するわ。」

ティーダ  「は?言ってること、ムジュンしてるッスよ。」

ルールー  「わかってるわよ。」

ティーダ  「あのさ。」

ルールー  「続きならもう止めて。」

ティーダ  「なんで?」

ルールー  「悪かったわ、忘れてちょうだい。」

ティーダ  「・・・・・・ずるいよ。」

ルールー  「理由は、・・・・いつかわかる。

        私は、その理由を言葉にしたくない。

        ・・・・・・・・・余計なお世話かもしれないけど、ユウナを好きになっちゃダメよ。」

ティーダ  「わかってるって。」

ルールー  「・・・それなら、いいわ。」

ユウナを待っていると、シェリンダが現れた。

シェリンダ  「あら?召喚士様はご一緒ではないんですか?」

ティーダ  「ああ、シーモアの家に行ってるんだ。」

シェリンダ  「シーモア老師、またはシーモア様ですね。」

ティーダ  「あ、気をつけます、はい。」

シェリンダ  「それでいいです。

         あ、シーモア老師は先ほどご出立されましたよ。」

ティーダ  「マジッスか?」

シェリンダ  「マカラーニャ寺院へ向かわれたようです。シーモア老師は、あの寺院の僧官長でもありますから。」

ティーダ  「あ、みんなに教えてやらなくちゃ。」

ティーダはみんなに話した。

ユウナはジスカルの肖像の前で話していた。

ユウナ  「ジスカル様・・・。わたしにできること、ありますか?」

リュック  「ユウナ~、行くよ~!」

ユウナはジスカルの前でお祈りをすると、屋敷から出た。

ティーダ  「シーモアは、マラカーニャ寺院へ行ったんだってさ。」

ワッカ  「マカラーニャ寺院だ。」

ティーダ  「そうそう汗

ワッカ  「・・・にしてもよ。いくら老師様でも、何も言わないで行くなんてなあ?」

リュック  「こ~んなに早く返事されるとは、思ってなかったんだよ。」

ワッカ  「あ、そうだな、きっと。」

ユウナの様子にアーロンが気づいた。

アーロン  「ユウナ、何かあったのか。」

ユウナ  「いいえ、何も。」

アーロン  「ふ・・・、隠し事が下手だな。」

ユウナ  「本当になんでもないんです。

       さ、行きましょう!」

ユウナは先頭を切って、出発した。

幻光河までの道は細い山道だった。

途中でシェリンダに会った。

シェリンダ  「こんにちは、みなさん。

         あの作戦はわたしたちにとっても、大きな教訓になりますよね。

         エボンの教えに反していては、やはり『シン』は倒せないのです。

         わたし、グアドサラムへ行こうと思っています。グアド族とはきちんとお話をしたことがないですからね。」

そう言って、まだミヘン・セッションの傷を深く抱えたまま笑った。


しばらく行くと、今度はルカで会った、ロンゾ族のビランとエンケに会った。

遠くの方に、ウイノ号からユウナの追っかけをしている少年がいた。

ビラン  「見ろ。キマリの仲間だ。よく似ている。」

ティーダ  「どこが?」

ビラン  「どちらも召喚士を追いかけるツノなしの小さい奴!」

エンケ  「ツノなし!ツノなし!」

二人は大笑いした。

キマリ  「キマリを嘲りに来たかプンプン

ビラン  「違う。小さなキマリに忠告に来た。」

エンケ  「召喚士が消え、帰らない。」

ビラン  「次はキマリの召喚士の番だ。」

エンケ  「哀れなキマリ。ツノをなくし、召喚士もなくす!」

ビラン  「惨めなキマリ!一人で泣き叫べ!」

二人は笑いながら去っていった。

ティーダ  「あいつらさ、キマリに恨みでもあんのか?」

キマリは首を横に振った。

ティーダ  「じゃあ、ただのイヤがらせ?」

キマリ  「いつかケリをつける。」

ティーダ  「いつでも手伝うからな!」

キマリ  「キマリ一人で。」

ティーダ  「お、・・・おう。」

ワッカ  「うん、キマリの問題だ。オレたちは黙って見てるのが礼儀ってもんだ。」

ルールー  「気になるわね。」

ワッカ  「ロンゾ族の問題はロンゾが解決する。

      昔っからのしきたりだろ?」

ルールー  「そうじゃなくて、・・・・・召喚士が消えるってことむっ

アーロン  「突然消えるわけでもあるまい。」

ティーダ  「ま、ガードがしっかりしてれば、大丈夫ってことだ。」

ワッカ  「お!」

ルールー  「言うわね。」

ティーダ  「へへん!」

ティーダは胸を張った。


また、しばらくして、ベルゲミーネと会った。

ベルゲミーネ  「また会ったな。

           ミヘン・セッションに加わっていたそうだな。機械の無力、理解できたか?

           やはり『シン』を倒せるのは召喚士しかいない。」

ユウナ  「そうですね、もっと修行しないと・・・。」

ベルゲミーネ  「おまえが望むなら、修行に手を貸そう。

           召喚獣の実践訓練だ。どうだ、私と戦ってみるか。」

ユウナ  「お願いします。」

ベルゲミーネ  「そうこなくてはな。さ、始めようか。」

ユウナはまた、ベルゲミーネに勝つことができた。

ベルゲミーネ  「そこまで、もう十分だ。

           たいしたものだ。圧倒されたよ。

           次に会う時が楽しみだ。ではな、ユウナ。」

ベルゲミーネは満足そうに帰っていった。




幻光河に到着すると、そこにはなんとも幻想的な光景が目に入った。

ティーダ  「うわぁ・・・。」

ルールー  「これが、幻光河よ。」

ティーダ  「へえ・・・。」

ユウナ  「幻光花っていうの。夜になると、たくさんの幻光虫が集まるんだって。」

河には蓮の花のような幻光花が咲いており、その周りを幻光虫がふわふわと浮いていた。

幻光虫、ユウナが異界送りをした時に出てくる魂のような光、あれだった。

ルールー  「河中が光って、まるで星の海。」

ティーダ  「へえ・・・。

        あ!そうだ!」

ティーダは腕を上げた。

アーロン  「夜までなど待たんぞシラー

ティーダ  「・・・・・・じゃ、『シン』を倒したら、ゆっくり見に来よう!」

みんなは答えなかった。

ワッカ  「急がないと、シパーフが満員なっちまうぞ。」

ティーダ  「シパーフ?船のことか?」

ワッカは指差した。

ティーダ  「おわっ!すげえ!!」

ワッカ  「こいつがシパーフだ。」

象のような大きな動物だった。

象よりも長い鼻はくるくると巻いていた。

ティーダ  「乗りたい!これ、乗りたいぞ!」

ワッカ  「おっし!準備ができたら、乗るぞ~!」

ユウナ  「シパーフ、久しぶりだな~。」

ティーダ  「あ、乗ったことあるんだ。」

ユウナ  「うん、1回だけ。10年前、キマリと一緒にね。

       覚えてる?」

ユウナはキマリを見た。

キマリ  「シパーフが揺れて、ユウナが河に落ちた。シパーフは長い鼻でユウナを助けた。

      ユウナは喜んで、3回わざと河に飛び込んだ。」

ユウナ  「あ・・・・。」

キマリ  「キマリは心配した。」

ユウナ  「・・・・ごめん。」

キマリ  「ユウナは楽しそうだった。だから、いい。」

バツが悪そうにユウナは苦笑いをした。

ユウナ  「わたし、10年前まで、ベベルに住んでたんだ。父さんが『シン』を倒してから、ビサイドに移ったの。

       キマリが一緒に旅してくれたんだよ。」

ティーダ  「ベベル?」

ユウナ  「エボン寺院の中心地で、スピラで一番大きな街だよ。

       ね、早くシパーフ乗ろうニコニコ

ユウナは嬉しそうにシパーフを見上げた。

アーロン  「10年前に・・・。」

ティーダ  「ああ、昔話?」

アーロン  「ジェクトもここで初めてシパーフを見た。

        驚いたジェクトはいきなりシパーフに斬りかかってな。」

ティーダ  「な、なんで!!」

アーロン  「酔っていた。

        魔物だと思ったらしい。」

ティーダ  「しょーがねえなあ・・・むっ

アーロン  「俺たちの有り金を全部出して詫びを入れた。

        そしてジェクトはそれ以来酒をやめた。

        あの時のシパーフは今も現役のようだな。

        スピラは10年経っても何も変わっていない。・・・もっとも、ここは変わることを拒否している世界。

        そう簡単には変わらんだろうがな。」


シパーフに乗るため、シパーフ使いのところへ向かった。

そこにはルチルたちがいた。

シパーフ使い  「ダメダメね~ん。ムリっぽいかもヨ~?」

ルチル  「そこをなんとかお願いしたい!」

シパーフ使い  「ダメなものはダメなのネ~。」

ティーダ  「どうしたんスか?」

エルマ  「あいつったら、この子をシパーフに乗せないって言うの!」

ティーダはチョコボを見た。

ティーダ  「あ~、デカイもんなあ・・・。」

エルマ  「ったく、ハラ立つわ、あいつ!」

クラスコ  「どう考えてもムリだと思うけど・・・・しょぼん

エルマ  「それじゃあ、なに?この子を置いていけっていうの?」

クラスコ  「いや、そんなつもりじゃ・・・・あせる

ルチル  「やむをえん。シパーフはあきらめるぞ。

       どこか、徒歩で渡れる浅瀬を探す。」

エルマ  「了解です、隊長っ!」

クラスコ  「それ、すごい遠回りじゃないスか!」

ルチル  「道がなければ、切り開けばいい。」

クラスコ  「そんなムチャな・・・ショック!

エルマ  「さっすがルチル隊長!」

そう言って、ルチルたちは道を探しにいった。


ティーダ  「道がなければ、切り開けばいい。

        ちょっと印象に残っている言葉なんだ。

        ルチル隊長、元気かな。」

メイチェン  「シパーフの生態についてはわからんことが多いんですわ。

        たとえば、そう、食事ですな。シパーフは何も食べやせん。鼻で、河の水を吸い込むだけで、あの巨体を維持しとる。

        水中の小さな小さな生物を食べているという説もありますな。

        シパーフ使いの連中は水辺の民、ハイペロ族。

        陸ではのらくらしとっても、水の中ではそりゃあ素早い。

        いいブリッツ選手になれそうなのだが・・・、なにしろのんきな連中で全然その気にならんのですわ。」

シパーフ使い  「シパーフ、乗りな~よ?」

ティーダたちはシパーフに乗った。

シパーフ使い  「シパーフしゅっぱーつ!」

シパーフはゆっくりと河を進んだ。

ティーダたちはシパーフの背中でのんびりした時間を過ごした。

ワッカ  「おい。」

ティーダ  「ん?」

ワッカ  「見てみろ。」

ティーダ  「なに?」

ティーダは川底を見た。

ティーダ  「あ!

        街が沈んでる!」

ワッカ  「1000年以上前の機械の街だ。河にたくさんの橋を架けてその上に街を作ったらしい。」

ルールー  「街の重さで橋が崩れて、河の底に沈んでしまったそうよ。」

ワッカ  「ま、いい教訓だな。」

ティーダ  「教訓?」

ワッカ  「ああ。河の上に街を作るなんて、なんの意味がある?」

ティーダ  「うーん、・・・・・水がたくさんあって、便利だから、とか。」

ワッカ  「うんにゃ、違うな。ただ、その技術、・・・力を試したかっただけだ。」

ティーダ  「そうかなあ。」

ワッカ  「エボンの教えだ。

      人は力を持つと使わずにはいられない。禁止しなくちゃキリがないってわけだ。」

ティーダ  「でもさ、結構機械使ってるだろ?

        スタジアムとか・・・そうだよな?」

ルールー  「寺院がね、決めるの。

        この機械は可。あの機械は不可・・・ってね。」

ティーダ  「どんな機械がダメなんだ?」

ワッカ  「ミヘン・セッションで見ただろ?ああいう機械だ。」

ルールー  「また戦争が始まるからね。」

ティーダ  「戦争?」

ユウナ  「1000年以上前にね、機械の武器をたくさん使った戦争があったんだって。」

ワッカ  「戦争の間も、武器はどんどん強力になってな。」

ルールー  「街だけじゃなくて、スピラそのものを・・・、世界を破壊しつくす力を持つ武器も作られた。」

ユウナ  「このままでは、スピラがなくなってしまうかもしれない。」

ワッカ  「それでも戦争は終わらなかった。」

ティーダ  「ど、どうなったんだ!」

ユウナ  「突然、『シン』が現れて、街や武器を破壊した・・・。」

ルールー  「戦争は終わったわ。でも、その代償として、『シン』が残った。」

ワッカ  「な?『シン』は調子に乗りすぎた人間への罰ってわけだ。」

ティーダ  「キツイ話ッスねえ。」

ワッカ  「ああ、キツイな。」

ティーダ  「でも、機械が悪いわけじゃないだろ?」

ルールー  「そう、使う側の問題ね。」

ワッカ  「アルベドみたいのがいるから、ダメなんだよなむっ

その時だった。

シパーフが揺れた。

何かに追突されているような揺れだ。

シパーフ使い  「なんかへんだ~ぞ?」

ティーダたちは立ち上がって周りを見渡した。

アーロン  「座っていろ!」

アーロンはユウナに言った。

ユウナ  「は、はいっ。」

ユウナが座ろうとした時だった。

河から、人間が飛び出してきた。

そして、ユウナを抱えて河に引きずり込んだ。

ワッカ  「アルベドだ!!」

ティーダとワッカは慌てて後を追った。

ワッカ  「ユウナ、今助ける!」

河の中にいたのはアルベドキャプチャーという機械だった。

ティーダたちはアルベドキャプチャーを倒して、ユウナを救いだした。

ルールー  「ケガは・・・ない?」

ユウナ  「うん、大丈夫。」

ティーダ  「・・・ふう。」

ワッカ  「まったく・・・、アルベドのやつらめ!」

シパーフ使い  「だいじょ~ぶかな~?」

シパーフを止めていたシパーフ使いがユウナに聞いた。

ユウナは慌てて立ち上がった。

ユウナ  「すいませんでした!もう大丈夫です!」

アーロン  「ユウナ!」

ユウナ  「あ、はいっ!」

アーロンの一喝にまた慌てて座るユウナ。

シパーフ使い  「シパーフ出発進行~~!」

そして、シパーフはゆっくりと動き出した。

ワッカ  「ちっ!アルベドめ。なんだってんだあ?ルカでのことと、関係あんのか?

      あいつら、ユウナを襲ってどうする気だ!

      あっ!試合に負けたハラいせか!

      あっ!?ミヘン・セッション失敗のハラいせか!?」

ルールー  「どうかしら。

        キマリの知り合いが言ってたでしょ。最近、召喚士が消えるって。」

ワッカ  「ああっ!それがアルベド族の仕業か!

      くっそう・・・・・アルベドめ・・・・何考えてやがるプンプン

ティーダ  「どーでもいいって。

        アルベド族のことをここで話しても仕方ないだろ。

        誰が相手でもユウナを守る。それだけ考えて、オレはやるッスよ。」

ワッカ  「そりゃあ・・・そうだけどよむっ

ルールー  「そうだね。」

ティーダの一言で、やっと場の雰囲気が和んだ。

ユウナはティーダに口パクで「ありがとう」と言った。

そして、ティーダたちは岸へとたどり着いた。

着くとすぐにユウナは民に囲まれた。

今回はガードみんなでユウナから目を離さなかった。

ユウナが解放されるとティーダたちはグアドサラムへ向けて出発した。