「しんかんくんと あかちゃんたち」

『ぼく、仮面ライダーになる!』シリーズでもお馴染みの「のぶみ」さんの「しんかんくん」シリーズの作品である。

「しんかん君」ってのは新幹線が化けた巨大なキャラクターで、愛嬌のある面白い子供みたいな性格。

今作では、しんかん君が預けられた大量の赤ちゃん達の子守をする。当然、途中ハプニングもあり!

 

あらすじ

新幹線の「しんかん君」は、赤ちゃんが大好き。

近所で、赤ちゃんが泣き出してママが困っていたところ、しんかん君が抱っこして泣き止んで笑った。

これを見ていた、赤ちゃんのお母さんたちが、次々にしんかん君に赤ちゃんを預けに来て長蛇の列になる。

「ちょっとだけおねがいー」みたいなノリで。

大量に引き受けた赤ちゃん達は、しんかん君に悪戯をしたり、泣き出したり、まあ大変な状況に・・・

泣きつかれた赤ちゃんは眠るんだけど、しんかん君も疲れて一緒に寝てしまう。

起きたころには赤ちゃんは行方不明に!

しんかん君が赤ちゃんを探して見つからない。最後は泣き出してしまう・・・

そんな時に、赤ちゃん達がママの格好をして、しんかん君をあやしに戻ってくる。

そのあと、お母さんたちも迎えに来て、めでたしめでたし。

 

感想

しんかん君は架空のキャラクタで結構現実離れしている。

本シリーズは、あらすじには書かなかったけど、主人公の少年としんかん君が様々なハプニングを起こすけど、最後は収拾して、ハッピーエンドという流れかな。今作も最後赤ちゃん達が見つかってハッピーエンドだった。

印象的だったのが、しんかん君が泣く赤ちゃんをあやすシーンと、逆に赤ちゃん達がしんかん君をあやすシーンの両方で、それぞあやす側がママに扮する。

このママが大仏パーマのいわゆるオバタリアンみたいな髪型で、昭和のママみたいで面白かった。

今時、母親の髪型がこれってないかなぁ(笑)

ということで、「昭和のママ賞」を授与します。

 

作者さん情報「のぶみ」さん (nobumi_ehon instagram)

"1978年、東京都生まれ。「ぼく、仮面ライダーになる!」シリーズ(講談社)や、「しんかんくん」シリーズ(あかね書房)、「おひめさまようちえん」シリーズ(えほんの杜)、『うんこちゃん』(ひかりのくに)など、170冊以上の絵本を発表。『ママがおばけになっちゃった』は40万部を超えるベストセラーに。ほか、NHK「おかあさんといっしょ」では、「よわむしモンスターズ」を、NHK「みいつけた!」では、「おててえほん」のアニメーションを担当。EXILEのUSAや漫画家・森川ジョージとのコラボレーション絵本の出版、内閣府「子ども・子育て支援新制度」(すくすくジャパン!)シンボルマークを手がけるなど、幅広く活躍している。Facebook、Twitterで積極的に情報を発信。"

 (引用元 : 絵本ナビ)

 

「おふろじゃ おふろじゃ」

お風呂から出てこない困った王様『バスタブ王ビドグッド』のお話。

ユーモアたっぷりで、楽しい絵本だった!

 

あらすじ

早朝からお風呂に入ったまま王様が出てこない。

王様をお風呂から出すため、「お知恵拝借!お知恵拝借!」と可愛い小姓が家臣たちに叫ぶ。

家臣たち女王さまも、王様をお風呂から出そうと仕掛けるが、王様はそれをお風呂の中でこなしてしまう。

どうやっても、王様をお風呂から出すことがなかなかできず、一日は過ぎていく・・・

さてさて、どうなることやら。

 

感想

この絵本は、お風呂の中でなんでもやってしまう王様が飛んだ曲者。

騎士、女王陛下、公爵、最後は宮廷中の家臣の大人たちが、王様をお風呂から出そうとするがすべて失敗に終わる。

最後は、小姓の機転で簡単に王様をお風呂から出すことに成功してしまう。具体的な方法はネタバレだから書かないけどね。

何か、この大人の常識では打ち破れない大問題を、子供(小姓)の「とんち」が簡単に解決させてしまうってのが、『一休さん』のようで面白かった。

 

あと、絵は「ドン・ウッド」さんが描いている。中世の西洋の絵画のようなリアルな絵で、一瞬難しい絵本だと手に取るのを躊躇したけど、よく見ると、登場人物の表情がほんとに豊かに描かれている。この表情を見ているだけでも、ストーリーの展開が伝わってくるようでかなり楽しめる。

 

総合して、『おふろじゃ おふろじゃ』は「お風呂のユニーク絵本賞」を授与しよう。

これまで、絵本評をいくつかブログにアップしてきたけど、自作「賞」を作ったのは初になるかな。

なんだか少し楽しめそうだから、今後はなんちゃっての賞をいろいろ考えてみたい。

 

作者さん情報「オードリー・ウッド」さん

"アメリカのアーカンソー州で生まれ育ち、アーカンソー美術センターで脚本と美術を学ぶ。

本と輸入品の店を経営したり、子供のための脚本や美術を教えたり、インディアンの民族芸術を学ぶためにメキシコやグアテマラを旅したり、と数多くの経験を持つ活動的な女流作家。現在は子供の本の執筆と等身大の張子の人形作りに熱中している。"

         (引用元:絵本「おふろじゃ おふろじゃ」(BL出版))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えんぴつのおすもう」

個性豊かな鉛筆が相撲大会を行うとてもユニークな絵本である。

話も面白いし、絵も個性的。表紙を見ただけで思わず手に取って読みたくなった。

 

あらすじ

夜、みんなが寝静まったあと、デスクの鉛筆立ての中にいた鉛筆たちがわしゃわしゃと出てきて、お相撲大会を始める。

電気スタンドの丸い明かりを土俵と見立て、電気スタンド君が行司を務める。

鉛筆力士だけの相撲大会。様々な色の様々な長さの鉛筆たちがそれぞれ優勝目指して相撲を取る。

しかし途中、乱暴で強いハサミ君が相撲大会に怒鳴り込んで鉛筆力士を投げ飛ばし、大会を荒らす。

果たして、相撲大会はどうなってしまうのやら・・・

 

感想

物語の中で、暴走するハサミ君を止めたのが、一番背の低い鉛筆「ちびたやま」。

すばしっこさで、ハサミ君を翻弄して捕まえる。なかなかお見事な小兵力士の相撲っぷりで、ちょっと感動した。

 

私は大相撲が好きで、子供のころから暇があれば、テレビやラジオで観戦していた。

相撲は体重による階級がない、世界でも珍しい格闘技である。大きな醍醐味の一つに、小さい力士が、巨漢の力士に勝つことがあること。

小さな力士を「小兵力士」と呼ぶ。昔は舞の海さん、最近だと、炎鵬、宇良もかな。

巨漢力士に勝つときの技の繰り出し方、スピード、体の回転の速さなど、『おみごと!』と叫びたくなる。

Youtubeにも映像ありそう。

 

この絵本に出てる「ちびたやま」がまさにそんなシーンを思い出させる。相撲大会の優勝者もちびたやま。

イケメンの炎鵬には期待していたんだけど、最近見ないと思ったら、どうやら幕下まで番付を落としてしまったようだ。

また、「ちびたやま」のような個性的な小兵力士が大相撲を盛り上げる日が待ち遠しい。

 

作者さん情報「かとう まふみ」さん (mafumikatou instagram)

“絵本作家。福井県生まれ。小学4年から北海道北広島市で育つ。
北海道教育大学卒業後、ディスプレイデザインの等の仕事を経験し、絵本作家の養成講座「あとさき塾」をきっかけに28歳の時に上京。神田須田町の蕎麦屋の神田まつやでアルバイトをしながら[3]絵本を学び、2001年『ぎょうざのひ』でデビュー。その後、東日本大震災をきっかけに札幌に戻る。ゆびにんぎょう制作や絵本のワークショップ、挿絵も手掛ける。”

  (引用元 : Wikipedia かとうまふみ)