「くつやさんとおばけ」(いわさき さとこ)
日本のお化けって、なんだか愛嬌のあるお化けも多い。心が通っている。
だから、怪談話もただ怖いだけでなくて感動が残る。
この絵本もそんな日本固有のお化けの物語かな。
あらすじ
さびれた商店街の靴屋さんに、ある日ちょうちん小僧が現れる・・・
ちょうちん小僧は、アスファルトの道を歩いていたら、足が痛くなって・・と靴屋に相談に来たのであった。
草鞋を履いていたちょうちん小僧、靴屋がその足を見ると、なんと足には靴連れがたくさんできていて痛そう。
ちょうちん小僧の悩みに応えて、靴底が柔らかい運動靴をはかせてあげると、大喜びで帰っていった。
次の夜から、ちょうちん小僧の口コミで、靴屋には次々とお化けが来るようになる。
天狗、青鬼、河童、からかさこぞう・・・
感想
さびれた商店街の復興に、最後はお化けが一役買う。「おばけ商店街」と呼ばれるようになって。
商店街の空き店舗にお化けがお店を開いたりしていた。
靴屋さんへのお化けたちの恩返し。ちょっと心温まるお話だった。
日本の怪談話には、このちょっと心を動かされるような話が多いと思っている。それが海外のホラーとの違いだと。
この絵本の絵は可愛く描かれていて、まったく怖さはないんだけどね。
「いい靴屋さん賞」
作者さん情報「いわさき さとこ」さん
”1977年 長崎県生まれ。東京藝術大学美術学部油画専攻卒業。同大学院修了。卒業後、雑貨デザイナーを経てその後フリーランスへ。第36回日産童話と絵本のグランプリで大賞受賞。第2回ビルボ絵本大賞で優秀賞受賞。第11回日本童画大賞 絵本部門で大賞受賞。作品に『おかしのまちのおかしなはなし』(フレーベル館)『くつやさんとおばけ』『カッパーノ』(いずれもBL出版)がある。"
(引用 : 絵本ナビ「いわさき さとこ」)


