おととい、読了した。これで宇佐見りんの著作は三冊すべて読んだことになる。著作三冊ともに、家族の軋轢を抱えた女子学生の語りという設定で共通しているのが、この設定以外では小説が書けないのかと思ってしまう。芥川賞受賞作の『推し、燃ゆ』はベストセラーとなったが、個人的には『くるまの娘』の方が物語に深みがあって良かった。今回読んだ『かか』は、宇佐見りんがまだ20歳のときに書いた小説で、これが彼女にとってのデビュー作である。正直、これはつまらなかった。話の内容的にも特に興味を惹かなかったし、一人称の女子学生の独り言になんで付き合わないといけないのだろうと思ってからは一気に集中力が切れてしまった。だから最後まで読んでいない。基本的に、つまらない小説には論じる言葉がそもそもない。今回は以上である。