『背の眼』 道尾秀介著
【あらすじ】
児童失踪事件が続く白峠村で、作家の道尾が聞いた霊の声。
彼は恐怖に駆られ、霊現象探求所を営む真備のもとを訪れる。
そこで目にしたのは、被写体の背中に人間の眼が写り込む、同村周辺で撮影された4枚の心霊写真だった。
しかも、彼ら全員が撮影後数日以内に自殺したという。
これは単なる偶然か?
第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
【感想】
図書館の新刊情報を見て「道尾さんの新刊が出てる」と思い『花と流れ星』を予約した後でシリーズ物だったことを知りました。
それならば順番に読まなくてはと思い、まずこの本を読みました。
あらすじ見たらホラーっぽいので今まで避けてたんですけどね。
でも、ホラーが苦手な私でも面白く読めました。
特に「霊現象」の定義は面白かったです。
私は今まで幽霊などは見たことないのですが、絶対いないとは思えず・・・。
先日たまたま会社で霊現象の話になったんですが、みんなの体験談を聞いてるとやっぱり怖い。
なにしろ会社が原爆ドームから目と鼻の先ですから、みんなの話も説得力ありありです。
さて、物語の方は霊体験をしたホラー作家の道尾くんが大学時代の友人で霊現象探求所を営んでいる真備さんを訪れるところから始まります。
となると、真備さんがホームズ役で道尾くんがワトソン役と思うところですが、真備さんにはちゃんと可愛い凛ちゃんという助手がいます。
この3人の微妙な距離感が面白く、時に切なかったり。
ちょっと長すぎるかなぁとも思いましたが、ラストの謎解きも納得のいくものでしたし、とても哀しい犯行動機に切なくなりました。
これまで何作か道尾さんの作品を読みましたが、誤解が発端の悲劇ものが多いですね。
やりきれない気持ちになりますが、このシリーズは主役3人の人間としての真っ当さに救われます。
好きなシリーズがまた一つ増えました。