本 『ガン病棟のピーターラビット』 中島梓著

 

 

 

【あらすじ】

2007年11月、人気作家を再びガンが襲った。痛みに眠れぬ夜を過ごし、築地を見おろしてグルメを考察し、死を思い、生をふり返る日々。

もっと、もっと書こう。

一行でも多く―告知から手術、退院までをかろやかに綴って、毎日を生きる勇気にあふれるエッセイ25篇。

 

 

【感想】

あとがきの日付は2008年6月26日(木)です。

この日から1年を待たずに中島さんは逝去されました。

あとがきの中で膵臓ガンが肝臓に転移していたことを明かされています。

すごい人です。

自分の余命を理解しながら冷静に率直にご自身の心情を綴られています。

読みながら、生きることそしていずれ訪れる死のことについて考えさせられました。

中島さんにはグイン・サーガ、薫くんシリーズ、伊集院大介シリーズなどたくさんの作品で楽しませていただきました。

最後の最後にこのようなエッセイを読むことになるとは思いもよりませんでしたが。

感謝をしつつ、ご冥福を祈りたいと思います。

本 『まほろ駅前番外地』 三浦しをん著

 

 

 

【あらすじ】

第135回直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。

多田・行天の物語とともに、星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリーを収録。

 

 

【感想】

『光る石』

『星良一の優雅な日常』

『思い出の銀幕』

『岡夫人は観察する』

『由良公は運が悪い』

『逃げる男』

『なごりの月』

の7編収録です。

 

それぞれに個性的な登場人物たちの日常を描いたスピンオフ集。

『まほろ駅前多田便利軒』のファンなら「ふふふ」と笑いながら読めること請け合いです。

 

中でも強烈なのが星くんと曽根田のばあちゃん。

星くんはベッドのシーツにアイロンをかける程几帳面で、朝から出汁巻き卵を作り鯵の開きを焼くやくざ。

君なら堅い企業でも十分その才覚で渡っていけるよ。

清海ちゃんとシマの為にもぜひその道をお勧めします。

 

そして、曽根田のばあちゃんの名台詞。


「男ってのは一人でいるとおとなしいけれど、二人以上集まるととたんに、一緒になって悪だくみをはじめるもんなんだから。

女は一人で、悪いことを考えるものさ」

 

確かに!!

私も悪だくみをするなら絶対に一人で考えます(笑

ばあちゃんの若かりし頃のロマンス話にはびっくりでした。

人に歴史あり、ですね。

 

行天のことを温かく見守る(観察する?)岡夫人にもほろりときました。

最後で多田と行天の関係が微妙になってきました。

多田の恋の行方も気になるし、行天の過去も気になる・・・。

ああ、早く続きが読みたいです。

本 『まほろ駅前多田便利軒』 三浦しをん著

 

 

 

【あらすじ】

まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。

駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ。

ペットあずかりに塾の送迎、納屋の整理etc.―ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に。

多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。

 

 

【感想】

『まほろ駅前番外地』を読む前におさらいの為に再読しました。

やっぱり三浦さんの書く男の人っていいですね。

私は女なので男同士の友情ってどんなものかわかりませんが、こういう反発しながらも放っとけない感じっていいなぁと思います。

ただつるんでるだけなのは友情とは言わない気がするし。

 

『まほろ駅前番外地』を読んだ感じではまだ続きを書いてくれそうですね。

行天の幼少時代の話も出てくるでしょうか。

男二人で便利屋稼業もいいけれど、二人ともに幸せになって欲しいなぁと思います。

本 『奇跡のリンゴ』 石川拓治著

 

 

 

【あらすじ】

ニュートンよりも、ライト兄弟よりも、偉大な奇跡を成し遂げた男の物語。

 

 

【感想】

「ひとつのものに狂えば、いつか答えに巡り合う」

 

木村さんの言葉です。

ひとつのものを極限まで突き詰めた人の言葉なので重みがあります。

木村さんの生き方に全面的に賛同できるかというと微妙なところなのですが、人間が自然の摂理に背いて生きているということはよくわかりました。

今の世の中は進歩しているのか、破滅に向かっているのか・・・。

本 『龍神の雨』 道尾秀介著

 

 

 

【あらすじ】

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。

 

 

【感想】

私の苦手な不幸連鎖物でした。

しかも登場人物が子供たちというもの悲惨さを増幅させます。

ちょっとした気持ちの行き違いなのに・・・。

ラストで一気に畳み掛ける感じはさすがですが、犯人の気持ち悪さに鳥肌立ちそうでした。