『花と流れ星』 道尾秀介著
2009/11/17(火) 23:55読了
【あらすじ】
死んだ妻に会いたくて、霊現象探求所を構えている真備。
その助手の凛。
凛にほのかな思いをよせる、売れないホラー作家の道尾。
三人のもとに、今日も、傷ついた心を持った人たちがふらりと訪れる。
友人の両親を殺した犯人を見つけたい少年。
拾った仔猫を殺してしまった少女。
自分のせいで孫を亡くした老人…。
彼らには、誰にも打ち明けられない秘密があった。
【感想】
真備シリーズ初の短編集です。
『流れ星のつくり方』
『モルグ街の奇術』
『オディ&デコ』
『箱の中の隼』
『花と氷』
の5編収録です。
中でも好きな3編について・・・。
『流れ星のつくり方』
白峠村の事件(『背の眼』)の後、温泉旅行にやってきた真備さん・道尾くん・凛ちゃんの三人。
散歩に出かけた凛ちゃんが出会った少年から投げかけられた謎。
私は凛ちゃんが好きなので彼女が主役のこの短編は楽しく読みました。
とても短い話ですが、最後に「あ!」という驚きとなんとも言えない切なさを感じます。
凛ちゃんという優しい女性のフィルターを通して語られる話なので、とても優しい気持ちになれました。
しかし、凛ちゃんって平気で真備さんや道尾くんと同じ部屋に泊まりますよね。
道尾くんは眼中にないとしても、真備さんと同部屋というのはかなりドキドキしそうですが。
『オディ&デコ』
真備霊現象探求所を訪れた小さな相談者。
小学4年生の莉子ちゃんが子猫に取り憑かれたというのだ。
「今日から春なんだけどな・・・」
凛ちゃんのつぶやきから始まりますが、このつぶやきまで伏線とは。
そして、初めて謎解きの役に立った道尾くん。
せっかく凛ちゃんに見直してもらったのに天然発言で台無し(笑
ちっちゃな悪意が引き起こした事件でしたが、道尾くんのおかげでほっこり気分になれました。
『花と氷』
これは辛かった(涙
真備さんも凛ちゃんも薪岡さんも、みんな心に氷を抱えて生きていかなければならないんですね。
早く綺麗なお花を咲かせられますように。
こんなしんみり話でも天然ぶりを発揮する道尾くん。
君はすごいよ。
シリーズ初の短編集は三人の日常生活やバックボーンが垣間見えて面白かったです。
どんどんキャラが立って育っていく感じも楽しいです。