その理由を教えて(3-2) | ななちのブログ

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馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

「敦賀様~~~~!!!!」

「待って、待って。よく分からないけれど、とりあえず土下座はやめよう。それから、テーブルの上の包丁、物騒すぎるから今すぐしまおう。ね?」

 

俺の家に上がり込むと、彼女はスタスタとリビングルームへと移動し、そこに風呂敷を置くと、その後、キッチンへと向かった。 

 

そして、戻ってきた時には手に包丁を握りしめていた。

なぜ包丁!?俺、刺されるのか!?と一瞬驚いたのだが。

その包丁は静かに音もたてずテーブルに置かれ。

そして、彼女はテーブルと風呂敷の間に身体を滑りこませると……

 

流れるように行動する彼女に対し、何一つ口をはさむことも行動することもできない俺に向かって。

深々と頭を下げたのだった。

 

「恐れながら申し上げます!!」

「……どこの時代劇だい。」

「敦賀様はっ!!呪いにかかっています!!」

「………なんだって?」

「敦賀様はっ!!呪いにかかっています!!」

「……………呪い、ねぇ……。」

 

 二度同じ発言をされて。

その意味を把握する。

 そして、なぜか気が遠くなっていくのを感じた。

 

 どうやら俺は呪われやすいらしい。

 

 …いや、あのグアムの設定は俺がでっちあげたものだから、仕方がない。

 普通だったら信じないのに、彼女がまんまと信じて、『クオン』の『呪い』を解いただけだ。

 

「敦賀さん、そんな呪いに負けてはいけません!!」

「……ごめん、待って?もしかして、それが俺の質問に対する答えじゃないよね?」

 

―――俺が君を恐れる理由。君に会ったら話をしたくて、こうして触れたくなる理由。……その理由を、考えて。―――

 

 その答えを今日、聞くことになっていた。やっと重なった、俺と彼女のオフの日。そして、俺の誕生日である日。

 

 今日、欲しい答えがもらえるはずだったのだ。

 それなのに……この状況は、なんだ。

 

「下手人は分かっております!!ちゃんと連れてまいりました!!」

「……え?」

 

 俺の質問に意図してなのか分からないが、一切答えることなく、最上さんは次の行動に出る。

 

「こちらです!!ご確認を!!」

 

 ささっ、と俺に差し出されたのは風呂敷包み。…やっぱり俺へのプレゼントではなかったようだ。

 そして、それが下手人(?)であるらしい。

 最上さんは風呂敷包みの結び目をほどく。すると、重力に従い、布がはらりと落ちてしまう。

 

「………………………。」

「………………………。」

 

 深々と頭を下げ、土下座に戻る最上さん。

 風呂敷包みから現れた物体を見て固まる俺。

 

 俺の視界の先には、土下座をする茶色の髪と……ものすごく見覚えのある、つぶらな瞳のニワトリ…の、生首が。

 

「………………え?」

「そもそもが、誤解だったんです!!」

「え?どういうこと?」

「このニワトリがっ!!ダークムーンの撮影の時に、敦賀さんに妙な呪いをかけたのが悪いんです!!」

「待って、最上さん……」

「16歳の女子高生に、大人な敦賀さんは似合いません!!」

「いや、待って…」

「仕草が可愛いというだけで、それが恋の前兆であるわけがありません!!それならこの世は恋に溢れてカオス状態になるはずです!!犬や猫だって…ニワトリだって、恋愛対象になりかねません!!」

「……に、ニワトリはムリがある気がする………。」

 

 土下座体制のまま、勢いよく訴えてくる最上さん。

 それに唯一まともに返せた言葉が、『ニワトリはムリ』……って、なんだこれは。

 
 
 
 

 

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