ななちのブログ

ななちのブログ

このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

当ブログは花とゆめ連載中「スキップ・ビート!」の二次創作を扱っています。また、平成25年1月よりララDX連載中の「帝の至宝」の二次創作も取り扱いはじめました。,そしてそして!!平成27年2月より「コレットは死ぬことにした」の二次創作も取り扱いはじめました。一個人の趣味でおこなっております。出版社様、原作者様とは一切関係ありませんのでご了承ください。


スキビは蓮×キョ中心、帝の至宝は志×香、コレットは……。ど、どうだろう。とりあえず、コレットさんの相方はハ―様というSSです。基本、楽しいものを書こうと思っています。


のんびり、本当にの~んびり、更新される予定です。2次創作(小説)が苦手な方や嫌悪感を感じる方は回れ右でお願いします。



【ス・○・ビ非公式ファンサイト有志同盟からのお願い】
原作画像を掲載しているなど、原作への著しい権利侵害が見受けられるサイト様からのリンクは拒否させていただきます。
心当たりのある運営者様へ。この【お願い】文章を載せているサイト&ブログに関しての名称と作品名、そしてリンクの即時削除をお願いいたします。



なお、本ブログの目次は、このブログ内にはございません。





「リク魔人」の妄想宝物庫様




が、作ってくださった目次がございますので、目次をご利用いただく皆さまは、そちらから記事のご確認をお願いいたします。こちらの二つから、sei様が作ってくださった『ななちのブログ』目次を確認できます♪






目次1
   目次2





そして、この目次作成にご協力をくださっているKB様のブログもご紹介☆ 「三日茶坊主」様






テーマ:

 その日、クオンの周囲では転機が訪れていた。

 

「クオン、ようやくだな!!」

「あぁ、今までありがとう、ヤシロ。」

「なんのなんの!!これくらいどうってことないよ!!ちょっと胃薬飲みすぎたくらいで済んでよかったよ!!」

「……………。本当にごめん。ありがとう。」

 

 イキイキとした笑顔をクオンに見せるヤシロは、モガミ領から戻って以来、かなり体重を落としている様子であった。

 

 それは、宰相たるコウキの陰謀……にしたいところではあるが、そうではなく、単に旅に向かっていた際にたまった仕事による結果であった。

 本来であれば、もう少し長い期間をもって通常の量に戻していけるように配分していた仕事を、1ヶ月の間に再びモガミ領に向かうために時間を工面したのだ。

仕事の量も配分するどころか増えるというもの。

 

 そう考えれば宰相のせいといえばせいではあるが、自業自得の感も否めない。

 

 そんな責める先もない中での執務は二人の心身を攻め勇めた。

 

 そのため、すっかりヤシロは胃薬と親友関係となってしまい、常に共にいる相棒としてしまったのだ。

 体調面での救いという意味では、クオンよりもできた相棒である。

 

「さて、こうしちゃいられない…では殿下。私はこれより、旅の準備をしてまいりますので、一刻ほどお時間をいただきます。」

「あぁ。俺もすぐに準備をする。」

「はい。では、準備ができ次第、参りますので少々お待ちください。」

 

 ヤシロは姿勢正しく立ち上がり、辞去の挨拶をすると丁寧に頭を下げ、それから優雅な歩調で執務室から出ていく。

 

「……ふぅ……。」

 

 一刻、とは言っていたが、恐らくそれほど遅くはならないだろう。旅の準備は、ある程度、彼付きの女官が済ませているはずだ。

 

「……キョーコ……。」

 

 一度は、王太子宮に上がったという、少女。

 クオンの手紙を受け取り、その通りに近くまで来てくれていた、愛しい人。

 

 それなのに、クオンは彼女に出会うことができる芽をつぶしてしまった。

 

 あの娘は、他の貴族の令嬢とは違う。

 

 秘され、辺境の地へと追いやられた少女は、普通であれば『悲劇の令嬢』となっていたはず。

 しかし、少女はその辺境の地と呼ばれる場所で、彼女を慕う者達に愛され、大切にされ、そして彼女自身も愛し、大切にして住みよい地へと変えていった努力の人であった。

 

 そんな彼女が、他の令嬢たちのように、きらびやかな馬車で王太子宮に上がることなどありえないのだ。

 少し考えればわかったことなのに、煌びやかな世界の女性たちを見すぎてそのことに思い当りもしなかった。

 

 これは完全なるクオンの落ち度。

 責められて当然のことなのだ。

 

「でも、必ず、君に会うから。」

 

 その結果がどのようなものとなろうとも。

 

必ず会う。

 

会って話をして、できればクオンの唯一の願いをかなえてほしい。

 

「……………。」

 

 待っていて、と願うことはできない。これ以上を、キョーコに望める立場ではないのだ。

 それでも、少しでもクオンのことを想ってくれたらと思う。チャンスをくれたらと、そう願ってしまう。

 

 信じなかったのはクオンの方なのだ。

 

 全ては自分が悪い。

 ゆえに、少女に会えたら、ひたすら乞うしかないだろう。

 

 君の愛がほしいと。ずっと愛していた、忘れられなかった。だから、共に生きてほしい、と。

 

「………………。」

 

 クオンを見つめる、キラキラと輝く大きな瞳を忘れたことはない。

 さらりと流れる、美しい茶色の髪の指通りの良さは、心が震えるものだった。

 

 きっと、可愛らしく成長しているであろう、クオンのお姫様。

 

 どんな姿になっているのかを絵姿ですら見たことはないけれど、一目見たら間違うはずがない。

 

 その自信が、ある。

 


テーマ:

「………………泣くな。」

 

 穏やかなテノールが耳元で響き、コレットの身体がハデスの腕で囲われる。

 

「死にたく、ない………。」

 

 自分は今、死ぬところだった。

 死んだら今まで接してきた人たちと触れ合えないところだった。

 そしていずれ、全てを忘れてしまうところだった。

 

 『恋』をした、ハデスも含めて、全部。

 

 そう自覚したら、涙が止まらない。

 ポロポロ、ポロポロと溢れる雫の止め方が分からなくなってしまった。

 

「忘れたく、ないよ~~~………。」

 

 死した人々は、どんな想いでいるのだろう。

 愛した人々を残して死んだ自身を、どう思ったのだろう。

 

 送った人々のことは、冥府に行けるようになってからも関わらないと決めた。

 アンノ先生のことだけはどうしてもとどまることができなかったけれど、本来、生きているコレットが触れていい領域ではないのだ。

 

 あの場には、亡くなった父も母もいるのだろう。

 

 でも、どれだけ想っても触れないと、そう固く誓った。

 

 それなのに、ハデスのことだけは割り切れない。

 忘れたくないのだ。

 

芽生えた想いは、少しずつ芽を伸ばし、花を咲かせた。

 咲いた花の先にある世界は、今までとは全く色彩の異なる世界で。

その世界がなくなったところに、もう戻りたくはない。

 

「泣くな、コレット。」

 

 想像するだけで、感情が揺れる。

 揺れた感情は、涙として身体の外に溢れ出る。

 

「薬は飲んだとはいえ、まだ本調子じゃない。…泣けば、体力を消耗する。」

「うぅぅぅぅぅっ……。うぇぇぇぇぇ………。」

 

 耳に優しいテノールの声が、コレットを気遣う。

 この声も。

 

「大丈夫だ。お前は生きている。」

「うえぇぇ……。うぇぇぇぇぇぇ………。」

 

 背を撫でてくれる、大きな手のひらも。

 コレットを包みこむ、暖かな腕も。

 

「死なせはしない。…大丈夫だ。」

「うぅぅぅぅ…。うぅぅぅぅ……。」

 

 ギュっと抱き込まれると、ハデスの香りがした。

 

 忘れたくない。

 忘れないためには……死にたくない。

 

「お前は生きている。……大丈夫だ。」

 

 確かに生きている。しかも、天界の神が作った薬によって生かされた。

 

 しかし。

 

「で……でも………。」

「ん………?」

「でも………い、いつかは………私……死にます……。」

 

 それは、『人間』である以上。

 覆らない、真実。


テーマ:

「……………。」

 

 節々が痛み、吐くもののない胃から壮絶な痛みがこみ上げ、身体をむしばんでいた。

 頭は朦朧とし、セラやポーラと思しき人間が、何かを問いかけてきたけれど、何をいっていたのかは分からない。

 開く視界は滲んでいて、何も見えなかった。

 体中が寒く、だが、暑かった。

 

 何がなんだか分からない、痛みや苦しみにのたうち回って……最終的には、その痛みたちが消え去りかけていて。

 

 ―――私、死ぬのかな……―――

 

 そう、感じた。

 

 もし、本当にあのまま、命が絶えていたら。

 死んでいたら、どうなっていたのだろう?

 

 死んだら。

ハデスの裁判が待っている。

 

 そうしたら、彼はコレットを、どう判ずるのだろうか?

 

 不敬がすぎると牢に閉じ込められるだろうか?…いや、それはない。

 きっと、師匠であるアンノ先生と同様に、あの暖かな明るい場所に行けと、判じてくれる。

 

 でも………

 

「死にたく、ない………。」

 

 死んだら、ポーラやセラに教えることができない。

 立派になってきたけれど、彼らはまだ一人前ではないのだ。

 それに、この村はもう、コレットの故郷も同様。

 やっと分かった大切な場所なのに。これからたくさん、思い出を作っていく場所なのに、失ってしまいたくない。

 

「ハデス様、私……。」

 

 それに、死んでしまったら。

 死んだらもう、ハデスの薬師ではいられない。

 ハリーやコツメ、ガイコツ達には会えないし、カロンとも時々しか会えなくなるだろう。

 何より、自由にハデスに会うことができない。

 

 実体を亡くしたコレットは影になり。

 そして、徐々に全てを忘れていく。

 

「死にたく、ないです。」

 

 ……忘れたく、ない……

 

 次の生に向かうには、忘れたほうがいいこともある。

 それは冥府の王の祝福ともいえるのだろう。

 

 全てを忘れ、新たな生を得ることで、また違う生き方をしていく。

 きっと次に生まれる『自分』は、『コレット』と違う生き方をするのだろう。

 

 父や母…村の皆の命が理不尽に奪われることはないかもしれない。

 温かな『家族』に恵まれて。

 思わず井戸に堕ちてしまいたくなるほど、心身ともに過酷な仕事に就くこともなく。

 他者の『死』を前に、悔やむことはない、ただただ、温かくてぬるま湯のような一生を、送ることができるのかもしれない。

 

 全てを忘れ、そうして生きることができたら。

 それはもしかしたら『幸せ』なのかもしれない。

 

 けれど。

 

「死にたくない……。」

 

 じわり、と視界が滲んだ。

 でも、逸らすことなく見つめる先の黒髪の冥府の王は、ただ黙ってコレットを見つめていた。

 

「忘れたく、ないです。ポーラや、セラのこと。村の、皆のこと。」

「………そうか。」

「ハリーやコツメや…カロンやガイコツ達のことも……ケルやベロやスーのことも、忘れたくない……。」

 

 そして、誰よりも。

 

「ハデス様のこと……絶対に、忘れたく、ない………。」

 

 これだけは、絶対に。

 

 だって、『恋』なんて知らなかったのだ。

 目線があったら恥ずかしくてドキドキして。ずっと見つめることはできない。

 傍にいたらソワソワして。それでも、離れることなんて考えられない。

 会えない時でも何度も思い出して。会いたい気持ちを募らせて。

 

 苦しくなったり、幸せになったり、フワフワした気持ちになったりと。

 

 たくさんの今までにない『感情』を、教えてもらったのに。

 
 
 
 

 

web拍手 by FC2

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス