姫彼岸花 ネリネのうた -6ページ目

おめでとう!


優勝おめでとう!
雅治!!





何も用意出来なくてごめんね。





でも、だから今日は特別!





ずっと雅治の傍にいるね。





あたしがそうしたいだけなんだけどね。笑





雅治は頑張ったあととか、誕生日だとか、祝日だとか。





2人の記念日以外の特別な日は、家でまったりしたがる。





いつもは強くあたしの腕を引く逞しい手で、『おいで』ってする。





抱きしめて、引っ付く。





2人の時間にたまに、特別な顔を見せてくれる。





あとは秘密だけど(笑)、そんなたまに見せてくれる雅治も大好き。





今日は優勝おめでとう。





お疲れさま!





ゆっくり寝ようね♪





おやすみなさい。









*

些細なこと




『おやすみ』





「おやすみ」





『先に寝てるねー?』





「あぁ、すぐ行く」





『うん、待ってる』





頬にキス。





途端にゆるんだあたしの口元。





「すぐ行く」





何気ない会話の、些細な一言だったけど





なんか嬉しくて。





『待ってる』





その言葉をこぼした唇がやけに熱くなった。









*

ヒーロー




あたしが泣いた日、君はいつも傍にいてくれました。





遠くても近くても、泣き止んで眠るまで、ずっと寄り添っていてくれました。





あたしが意味もなく怒った日、君はそっと叱ってくれました。





あたしを責めないで、優しく、でも真剣に。君が見つめるあたしの目には、君だけが映ってました。





あたしが諦めようとした日、君は理由を聞きませんでした。





そのかわりに黙って見守っていてくれました。「本当にそれでえぇの?」と最後に笑って励ましてくれました。





あたしが眠れない夜、あたしが眠るまで抱き締めていてくれました。





ゆっくりと聴こえる心臓の音と温かい温もりが、あたしの瞼を重くしました。





いっぱい、いっぱい愛してくれました。





あたしも





いっぱい、いっぱい愛しました。





いっぱい与えられて





いっぱい与えて





足りないものは埋め合って





全部が完璧で





不完全な完璧、だったね。





今更、知ったよ。





でもね。





やっぱり運命だと思うんだ。





君は永遠にあたしのヒーローで、運命の人で、大好きで大切で愛しい人。





たぶんずっと、ずっと、特別な人。










あたしだけの、ヒーロー!









*