リセット | ぬーてっくで在るが為

ぬーてっくで在るが為

なんとなく、思いついたことを思いついたままに書き出してみてます。

大体、小説風に書いてしまう癖があるので読み辛いこともあるかと思います。

今日は――、そう。意味のない話をしよう。
意味のない話・・・ですか?
うん。意味のない話でどうしようもなく仕方のない話だ。
――?どんな話でしょうか?
僕はトイレ掃除が好きだとしよう。
トイレ・・・掃除ですか?それは何故ですか?
トイレ掃除をすると気分がいい。
そうですね。何事も掃除をした後は気分がいいです。だけど何故トイレ掃除を選んだのでしょうか?
そうだね。それはこれからその話をするとするよ。
はい。お願いします。

――。君は先ずトイレ掃除と言えばどこから手を付けるかな?
私は――。そうですね、先ずは便器から・・・。でしょうか?
うん。きっと僕も便器から掃除をするだろうね。では、便器の中に洗剤をスプレーして馴染むのを待つ。その間に周りを拭き上げていくとしよう。
蓋を閉めて上を軽く拭き、周りを下に向かって拭いていく。それから、蓋をあけて便座を拭き、裏側もきれいにしよう。そろそろ最初に吹き付けた洗剤が馴染むころだろう。便器の内側をきれいにする。
その時に忘れがちなのがシャワーノズルや消臭ファンのフィルタ掃除だろう。

そうですね。消臭ファンに関してはフィルタが取り外せることを知らない方がいると聞きます。

そういったところを清潔に保つことに意味があるのかもしれないね。

はい。何事も積み重ねは大切なことだと思います。
では、便器が終わった後は、その周りをきれいにするとしよう。
はい。次は・・・そうですね。床・・・でしょうか?
そうだね。床もいいけど、僕は壁から掃除しようと思う。
なるほど。上から下へ、という流れですね。とても合理的だと思います。
実は壁や床には目には見えないけれど、手を洗った際の水しぶきや尿の飛び散りがある。
尿に関しては、僕はそれが気になるから坐って用を足すようにしているのでさほど心配はないのだけれど。
水しぶきは、どうしようもないだろう。
――あ。僕の家ではトイレの中に手洗い用のキャビネットが備え付けられているんだけれども。日本の一般家庭のトイレは狭いからね。手洗い用のキャビネットもそれに伴って小さい訳だ。したがって、手洗い時の水しぶきはかなり大きいと考えていいと思う。
確かに、面積が小さければそれは仕方のないことだと思います。
手を洗うときにも気を使うよ。
そうですね。ヤマアラシのジレンマ・・・みたいなものでしょうか?
はは。確かに。だけど少し違うかな。うん、手をきれいにしたければ思い切り水しぶきを上げてしまう。
だけど、水しぶきを上げないように気を付けると手を洗うのはなかなかに困難だ。その丁度いい具合を経験で掴んでいくことになるだろうね。ただし、この場合はどうしても一人称だけれど。
――あ。なるほど、ひとりでは傷付け合うことはできませんね。
そうだね。さて、話が少しずれてしまったので戻すとしよう。
はい。お願いします。
壁と床をきれいにすれば、もうほとんど終わっていると考えてもいいと思う。後は――。そうだね、換気扇のフィルタを少し掃除しようか。
はい。でも、何故上から下へと作業をしていたのに最後に一番上にある換気扇だったのでしょうか?
本来、その流れであれば換気扇が一番最初に手を付けるべきだろう。まぁ。それはすっかり忘れていたから・・・かな?そういうわけで最後になってしまったわけだ。
なるほど。わかりました。
これで、トイレ掃除が滞りなくとは言えないにしても無事に終了したわけだけれども、トイレがきれいになったことで気分がよくなったわけだ。
はい。何事も掃除をした後は気分がいいです。
そこでひとつ問題が発生するわけなのだけど、わかるかな?
――そうですね。何か掃除をし損ねた場所があってもう一度掃除をする気になれない――。とかでしょうか?
うん。そういった場合もあるかもしれないね。しかし、今回はそうじゃない。
では、どういった理由でしょうか?
トイレ掃除が終わった直後に尿意を催したんだ。
それは仕方のないことだと思います。生理現象はどうしようもできません。
そうだね。どうしようもなく仕方のないことなのだけれど、僕には折角きれいにしたトイレを使うのが躊躇われると思うんだ。
それは、考えに至りませんでした。ひとそれぞれですから視野が狭かったかもしれません。
それで、どうするのでしょうか?我慢するのですか?
いや、結局きれいにしたばかりのトイレを使うことになるだろうね。君の言った通りに生理現象なのだからどうしようもないことなんだ。つまり、掃除されたという事象がリセットされてしまったわけだ。
それは、とても残念だと思います。だけど仕方がありません。――あ。なるほど。意味がなく仕方のない話とはこういうことだったのですね。
そうだね。これもどうしようもなく仕方のない話だね。・・・だけど、少し違うかな。
では、答えを教えてもらってもいいでしょうか?

 

うん。そうだね。もう答えは話している。とだけ言っておこうか――。

 

 

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<<あとがき>>

ミステリの巻末とかにあるような簡単な謎を含んだ会話を描いています。

仕草や行動等を説明せずに会話だけとしたのは2人の会話の風景を自由にイメージしてもらいたかったのでこういう形で書いています。

楽しんでもらえたでしょうか?

 

でわ。

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