精霊牛 | ぬーてっくで在るが為

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なんとなく、思いついたことを思いついたままに書き出してみてます。

大体、小説風に書いてしまう癖があるので読み辛いこともあるかと思います。

学校のとある風景。

--もうすぐ夏休みです。夏といえばなんでしょうか。
夏休み!花火!海…かき氷!お盆!…ボーナス!
と、教師の問いかけに生徒達は思い思いに声を上げた。

はい、そうですね。大体そんなところでしょうか?
最後に良いフレーズが出ましたね。お盆とボーナス。
わかりますか?
…あ。お年玉!!と、快活な声があがった。
それはお盆でなくお正月に貰えるお金ですね。元々、お金を貰えるわけではなく。現在でも舞妓さんのお年玉と言えば縁起物を…っと、この話はまた別の機会に--。
お年玉は、ある意味ボーナスではありますが。違います。どうですか?誰か解りませんか?
皆それぞれに顔を見合わせ頭を振っている。
わかりませーん。と、控えめな声がきこえた。
お盆にはご先祖様が帰って来るという言い伝えがありますね--。教室を隅から隅へと視線を流していう。
その時に歩いての行き来はとても大変です。
そこで、ご先祖様のために乗り物を用意したわけです。
それも、茄子と胡瓜で作った牛と馬で、です。
諸説ありますが胡瓜を馬とみなし、早く帰ってこれるようにと。また、茄子は牛とみなして帰りをのんびりと風景などを楽しんでもらえるようにと思いを込めています。これを精霊馬・精霊牛と呼びます。
えー?なんでー?キュウリとナスビ?と、疑問符をたっぷり含んだ質問があがる。
なぜ胡瓜と茄子を用いたのか。と、いうのは実はよく解っていません。夏に採れる極身近な野菜であったからといわれています。
作り方は簡単です。身体に見立てた野菜に四肢に見立てた4本の棒を刺して立てる。このとき、野菜は反っているのがより動物に見えます。皆さんも作ってご先祖様を迎えてみましょう。
せんせーい。少し訝しげな声で手を挙げる。
はい、なんですか?
もしかして、ボーナスってナスビに棒って事ですか?
えぇ。そうです。棒・茄子です。と、少しはにかんだ。
オヤジギャグじゃーん!と、声とともに教室に笑い声が響いた。