社員という存在は、主に2種類に分類されます。
「内側の社員」と「外側の社員」です。
会社が順調な時、成長速度が速いときは、混在していて判別が難しいのですが、コロナ禍で会社が苦境に立った時、大変革が起きた時、この2種類の社員像がハッキリします。
私たちスモールカンパニーが、コロナ禍で得た“怪我の功名”の一つであったと思います。
内側の社員:
社望の高い人。自社の環境に適応して伸びる人。事業の仲間。
外側の社員:
社望の低い人。自分に合った職場環境を探している人。事業の協力者、お手伝いさん。

「社望」とは、会社との価値観共有度(信頼・親密度)や社内の人望が高いことを意味します。
単にスキルが高い低いというのではなく、スキル以上に、会社の価値観に共感する力を持ち、会社の出来事を自分事として捉えて向き合う姿勢があり、会社に期待されている状態を社望の高い人といいます。
「社望」は、「エンゲージメント」と同じ意味合いを含みますが、よりマネジメントサイドからの視点にたって、社員との向き合い方、距離感を計るものです。
更にそれぞれの特徴を言うと・・・、
内側の社員は、
転職を考えず、自分の成長と豊かさを会社のそれに重ねているマネジメント幹部またはその候補生。
会社を運営していく大切な仲間であり、会社の環境変化に適応して、自分の役割を全うしようと奮闘し、育成すれば伸びる人。
外側の社員は、
転職予備軍であり、自分の暮らし優先で待遇第一主義。
会社の成長にはあまり関心がない“お手伝いさん”。
あくまでも事業の協力者なので、待遇条件に見合ったサポートはしてくれるが、将来を期待できないし、育成しても伸びない人。
・・・となります。

ここで大切なことは、内側が良くて、外側が悪い、という単純な話ではないということ。
どちらも必要な存在であり大切にすべきではあるが、
一緒にするな、ということです。
また、社歴が長いとか、スキルが高い有能な社員が必ずしも内側の社員ではない、ということにも気を付けて欲しいです。
単に雇用条件や職場環境が本人にマッチしていたから長期間“お手伝いさん”を続けてこられただけかもしれないし、自分のスキルが活かせる環境を気に入っているだけかもしれないので、価値観共有度とは何ら関係がない場合が多いからです。
このコロナ禍の3年間、影響をモロに受けて経営が傾いた会社では、生き延びるために様々な手立てを打ってきました。
やむを得ず、事業閉鎖や規模縮小に伴うボーナスカットや配置転換等の厳しい人事をせざるを得ない場面が多々ありましたが、そういう苦難の時こそ、”社員の真の姿”が映し出されてきました。
会社の状況と向き合って突破口を模索する人・・・
会社の苦境は自分のせいではないので生活保障を優先しろと会社と対峙する人・・・
多くの経営者にとって、いろんな社員の内面が見えたコロナ禍の3年間だったのではないでしょうか。

私はこの3年間、コロナ禍で露呈した「外側の社員」の多さに愕然とする経営者に沢山出会いました。
これまでずーっと仲間だと思っていた社員が、実はただの“お手伝いさん”だったという衝撃に身を震わせた社長もいれば、その逆もあります。
会社を大切に想ってくれる「内側の社員」たちは、資金と同じかそれ以上に大切な宝物です。
私たちスモールカンパニーの経営者は、自社の戦力を見誤らないためにも、2種類の社員の区分を曖昧にせず、きちんと見極めて、それぞれに合った距離感、向きあい方で成果を出してもらえるように仕向けなければなりません。
コロナ禍は昨年末で強制終了しました。
このコロナ禍で失ったもの、得たものをじっくりと振り返り、自社の現有戦力で出来ることに注力して、アフターコロナの世界を力強く前進しましょう!