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スモールカンパニー 加速経営塾 原田将司

リソースアクティベーション株式会社(経営コンサルティング会社)
株式会社ことぷろ(電子機器・システム開発会社)
両社の代表取締役。
【著書】
『スモールカンパニー 本気の経営加速ノート』
『スモールカンパニー 最速のブルー・オーシャン戦略』

会社を経営していく上で、避けては通れない経営課題として、人材育成と仕組づくりがあります。

 

長年に渡って、「人材は企業の宝」だとか、「仕組みで会社を成長させる」というようなことが常識として定着してきたし、今も、そのような“人材信奉論”とか、“儲かる仕組み偏重主義”が跋扈しています。

 

確かに、人材の能力開発はとても大切だし、仕組みもある程度整っていなければ生産性も再現性も上げることは出来ない大切な経営課題であるといえます。

 

しかしながら、その会社の人材が有能だから、仕組みが素晴らしから、という理由だけで大きな成長を遂げたという事例は聞いたことがありません。あるとしたら、それはあくまでも間接的要因でしょう。

 

企業にとって、最も影響力のある大きな成長要因は、良い商品(サービス含む)しかありません。
(それを世の中にリリースしていくタイミングも含めてここでは「良い商品」といいます。)

 

【良い商品とは】

売れば儲かる、高い利益率の商品。

飛ぶように売れる、需要の高い商品。

クレームがこない、高品質な商品。

 

こういった良い商品さえ生み出し、育てていけば、企業の命である利益がどんどん生み出されて、受注がリピートしていくことで、企業は成長を遂げます。

 

人も仕組みも、この利益の実現と再現のために必要ではあるが、それだけで成長できるわけではありません。

 

というのは、日本では長らく、製造業が経済成長の牽引役を果たしてきたことから、良い製品を生み出すのは技術であり、それを使う人材が重要とされてきました。

 

そして、人材が効率的に高いパフォーマンスを発揮するためには仕組みも重要とされてきました。(トヨタのJITシステムとか“カイゼン”とかが有名ですね。)

 

しかし、時代も社会も様変わりした今、超高速で変容する消費者の多様な価値観や社会の動静を捉えてビジネスチャンスをものにしていく上では、無用の長物と化しているのです。

 

膨大な時間と労力を要する人材育成だとか、複雑に作りこんだ仕組みでは、修練した頃には陳腐化してしまい、さらなるアップデートが求められるばかりでまったく追いつかないからです。

 

そして、この人材育成と仕組づくりは、今や“経営の毒と罠”となって私たちスモールカンパニーを蝕んできています。この変化はとても致命的なので、経営者は思考をアップデートしておかなければなりません。

 

 

【経営の毒と罠】

 

毒)人材育成   

罠)仕組づくり

 

まず、人材育成は経営の毒である。

経営の毒とは、先天的に介在するリスクであり、対応を誤ると有害化するものを指します。

主に、人の問題であり、知識、経験、技能、人間性、バックグラウンドの違いから毒化して経営を蝕んでいきます。

中小企業が最も苦手とする経営課題の一つです。

通常、膨大な時間と労力、それにともなう費用がかかる割には、目に見える成果が極めて乏しく実現性も再現性も極端に低い経営施策となります。

また、毒性は個人差が大きく、取り扱いを誤れば組織が壊死してしまいます。

 

 

そして、仕組づくりは経営の罠である。

経営の罠とは、後天的に発生するリスクであり、普遍的に介在するトラブルのもとを指します。

主に組織運営や業務の問題であり、ルール、手順、手段、コミュニケーション、前提条件や立場の違いから発生します。

 

構築に膨大なコストがかかり、その維持にもまた膨大なコストがかかります。

常に改善活動が必要であり、それにともなう社員への定着・運用力向上を目指して、無限アップデート地獄に陥ってしまいます。

 

更には、社長が音頭をとって頑張れば頑張るほど、社員は顧客志向から離れてしまい、社内都合優先思考に陥って、自社が「仕組み改善業」の様相を呈していくことになります。

 

これからの時代、私たちスモールカンパニーに“十徳ナイフ”は必要ないのです。

 

あれもこれも出来る!と多機能で便利に使えそう・・・とみえて、その実、一つ一つの機能は専用の道具に比べると劣るし、ほとんどの機能は滅多に使われないものばかり。

 

スモールカンパニーに必要なのは「小さな経営」なのだから、シンプルで洗練されたものでないと、使いこなせないのです。

 

今すぐ、思考をアップデートして「経営の毒と罠」から離れましょう。