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スモールカンパニー 加速経営塾 原田将司

リソースアクティベーション株式会社(経営コンサルティング会社)
株式会社ことぷろ(電子機器・システム開発会社)
両社の代表取締役。
【著書】
『スモールカンパニー 本気の経営加速ノート』
『スモールカンパニー 最速のブルー・オーシャン戦略』

私たちスモールカンパニーの経営者が辞める時、それは、

 

潰すか、

譲るか、

死ぬか、の3択しかありません。

 

この職業は、一度、はじめたらやめられない。

病気もケガもできないし、人に代わってもらうことできません。

 

本来の株式会社制度とは違うのですが、今の日本の制度と事業環境ではこれしかありません。

起業家はこのことをよく理解した上で、起業に踏み切ったほうが良いと思います。

 

ですから、起業家にとって意識しておくべきことの一つに、「将来、いかにして自分の経営を終わらせるか?」ということがあります。

 

いわゆる経営者の出口戦略ですが、ここを見据えているのとないのとでは途中の迷走度合いが全く違ってきます。

 

「そんな先のことなんてわからないよ!」という声が多いのも事実ですし、私自身も出口をよく考えずに起業してしまい、長らく迷走してきた反省もあります。

 

この迷走を如何にして回避するかで起業後の生存率に大きく影響するので、未来はわからないにせよ、出来るだけ具体的に出口をイメージしておくことはやはり重要です。

 

言い換えると、夢に日付を入れて、出口を計画レベルまで落とし込んでおくということです。

 

なぜなら、私が創業した17年前より以前からずーっと、今も変わらない事実があるからです。

それは、基本的に9割超の企業が創業10年以内に倒産するということです。

 

様々な統計データでも示されておりますし、私自身も多くの起業→倒産の事実を目の当たりにしてきました。

 

 

また、その倒産企業のうち9割超が、キャッシュアウト→債務不履行に陥り、取引先や従業員への支払いができなくなり、近しい周囲から多くの恨みを買い、実質的に社会生活を破綻させています。

これはかなり悲惨です。

 

あわよくば、手元資金が残っているうちに債務整理して自主廃業を選択できれば、再起のチャンスもまだ残されるでしょうが、廃業すれば、生活給の源泉を失ってしまうことになるので、ほとんどの経営者はこれを選択できません。

第一、サンクコストを考えると「まだやれるのにやめる」という判断は難しいです。

 

サンクコストとは埋没費用ともいわれ、それまでに費やしたお金や労力・時間などのコストのことです。

 

ですので、自主廃業とは、後継者のいない黒字企業の老齢社長がご勇退されるときの選択肢だ、くらいの理解で良いと思います。
フツーの人はなかなかできない経営の出口だということです。

 

詰まる所、すべての起業家はこの最初の10年間の生存競争を突破しなければならない、そのためには出口戦略から逆算的にイメージすることが重要だという話です。

 

一般的には、道に迷わないためには企業理念や行動指針を定めておきましょう、という話が多いのですが、そもそも抽象度が高い理念(ビジョン)は創業時点では描きにくいですし、自らが経験に基づいて生み出したものではない借り物の行動指針を定めたところで、なぜそのような指針を定めたのか、という根拠が弱いままで、それを貫くことができず、意味の無いものとなってしまいます。

 

ですので、願望的な自身の出口をイメージするほうが、より具体的な戦略・計画レベルに落としやすいのです。


これまでの起業スタイルは、ゴールを見据えないまま走りだして、迷走しながら出口を探す、というものが主流でしたが、これはコストとリスクが高すぎました。
人生のすべてを経営に捧げることになってしまい、全く割が合いません。

 


ですので、これからの起業スタイルは、イメージするゴールから逆算して、最短コースを見つけ出し、人生のすべてを経営に捧げることなく目的を達成するためのスタートを切る、となります。

 

そうなるべきだ、と私は考えています。

 

そして、最初の10年間を生き延びた企業のうち、収益事業化できたものは、上場して代表者交代への道筋をつけたり、M&A(事業売却)で事業承継という出口が見えてくるかもしれませんが、ここまでくるとたいていの経営者は出口を求めず、死ぬまで辞めることはありません。

 

いわば、すべてを達成した「終身名誉監督」になります。

 

もう、辞める必要がない。

 

この領域に到達しうる未来の経営者と出会い、強力にサポートすることは、私が獲得した知見を必要とする人へのフィードバック活動だと位置づけています。

 

そして、このフィードバック活動をとおして、新しい価値を生み出し、関係者とともに自己価値を高めつつ、社会に対する貢献の度合いを高めて参りたいと考えています。