歌舞伎デビュー | 1丁目住人のブログ

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写真家の方から就職祝いにと、新橋演舞場で歌舞伎を一等A席で見させてもらった。
何でも、市川團十郎さんや海老蔵さんとお友達とのことで、会ったら紹介するかもと言われ、久しぶりにフォーマルな格好をした(笑) その前に、前職の上司と、目の前にある宮本亜門のお父さんがやっている喫茶店で打ち合わせをしたが、そこも趣があって、いい感じだった。

本日は、市川猿之助の襲名披露とあり、報道陣がとても多かった。そして俳優の香川照之さんこと、市川中車の初披露とあり、この日にこの席を取る事は普通、ありえないらしい。。

そんな中、猿之助(えんのすけ)をさるのすけと呼んでしまったあたり、僕はドがつく素人であり、そんな席に見合う観客だったのか、はなはだ疑問である。

おそらく、このような歌舞伎や能のような日本の伝統芸能が僕はハマってしまうタイプで、上海雑技団やライオンキングも面白いと感じるが、こちらの方が性に合っているようだ。

歌舞伎については、人間の身体の動きや声の響き、台詞の間、所作や身のこなしの作法、を最大限に役者が意識をし、感覚を研ぎ澄ませることで、色気というか、演技に艶っぽさが生まれ、観客の視覚と嗅覚をとりこにしてしまう。interestingと一括りでまとめたくないほど、違うクオリア(質感)なのである。習字に似ている。字を書くという日常の一幕そのものを、意識して切り離し、芸にする。こういった感性は世界に類がないのではないか。

人間の意識や気という見えない力を向ける事で、身体や演技そのものが変化する。そして与える印象や質感も全く違うものになってゆく。まさに、”見えない世界”で生じたものが、見せない媒体で伝えられ、人間の見えない部分を動かしてゆく一連の現象ではないか。これこそクリエイティビティ。

感性のとても良い栄養になった。感謝。