ウォールストリートジャーナル誌の記事によると、人間が自分の選択や価値観などの話をしている、所謂セルフディスクロージャー(自己開示)をしている時に、中脳辺縁系ドーパミン経路の領域が活発になるのだそうだ。この領域は、食べ物やお金、セックスなどで得られる満足感や快感と密接に関係している部分。
そして実験によると、自分の話以外をすると金銭的なインセンティブを受け取れるにもかかわらず、敢えてそれを諦めて、自分の話をする人が多かったという。(詳細の結果は不明)
ソース
自分の話を聞いてもらいたい欲求を取り込んだ商売は既にある。老人介護やキャバクラ、相談所とかが代表例だろうか。しかし、食欲や性欲などの既に確立された欲求と比べると「自己開示欲」はまだ市民権を得ていないので、それだけではマネタイズできていないのが実情じゃないだろうか。つまり、サービスの受け手が、まだ自己開示欲が満たされることに対して金銭を支払う認識が備わっていない。
もちろん逆に、知らぬ間にその欲望が解消されることに価値を感じていることもあって、例えば、とある飲み会で上司が自分のことを話すことで饒舌になり、気持ちよくなったとする。そんな時は、ちょっと自分ばかりが気持ちよくなった後ろめたさを感じているのか、上司から部下たちへ「今回はおごろうか!!」などとなるのである。聞き上手はそんなときに得をする。今回の記事からすると、その人のコア(価値観や生き方)を引き出す質問の仕方、聞き方がいいんでしょうね。
だがしかし、世の中には、全ての人間にそんな欲望があるとふんで、どんな下心があるのか知りませんが相手の心を開こうとする策士がいるものだ。そんな人には僕は心をひらきませんけどね。「この場をみんなで楽しもう」と思っていれば、自然と”自分”と”相手”のどちらにも偏らないポーズに落ち着くと思うんですけどね。