福沢諭吉の言葉をネットで拾いました。
「独立の気力のない者は必ず人に依頼する。人に依頼する者は必ず人を恐れる。人を恐れるものは必ず人にへつらう。そして人にへつらうことによって、時に悪事をなすことになる。独立心の欠如が結果として、不自由と不平等を生み出す。学ぶことの目的は、まずは独立心の涵養である。」
僕は、この言葉は、1つ1つ点検した場合、論理的に全く間違っているとおもいます。しかしながら人を動かしたり、気づかせる言葉であるとおもいます。
どういうことか補足したいとおもいます。
独立気力のない人は人に依頼する人
→人に依頼する人は人を恐れる人
→人を恐れる人は人にへつらう人
→人にへつらう人は時に悪事をなす人
これは「風が吹けば桶屋が儲かる」、日本のことわざそのものではないでしょうか。
それぞれの言葉の意味するところにもよりますが、わずか数十%から数%の可能性がある定理を数個積み上げて、最終的にはほぼ0%の確率の定理を述べています。そうなのです。あり得なくはない因果関係を無理矢理つなげて出来たこじつけの理論・言いぐさなのです。
しかし重要なのは、これがいかにこじつけの理論だとしても、人に与える影響があるということです。事実、この言葉の意味を探ろうとすることで僕も自分自身を振りかえさせられています。これは正しい・正しくないを超えて、言葉尻や行間から得られる思想や価値観や、この言葉を発している人物そのものに対しての共感なのでしょう。
少し視点を変えて考えてみると、何かを行動をするときには、正しい・正しくないを徹底的に突き詰めて考えることが意味がないことかもしれませんし、情熱の大きさや、共感をベースに行動を積み重ねて行った方がよりよい環境や機会に恵まれることがあるかもしれない、ということじゃないでしょうか。まあこれもこじつけですが。
言葉の持つ力を実感すると同時に、決して言葉に捕われないことを忘れてはならないと思わせる、よい例文だとおもいました。