2010年の北海道ツーリングに向けて、ドカティ ムルティストラーダ620 「ねこぱんち」 について各種の準備作業を行ったが、その際の記録について
 
前回までは、ツーリング中に電源を必要とする機材を運用するための電源について取り上げたが、今回はバイクに機材を積載する方法のうち、タンクバッグについて考えてみた。

 
ムルティストラーダとタンクバッグ
これまで、管理人はムルティストラーダを(どちらかというと)アドベンチャー系のツアラーとして運用してきた。
ツーリング中は、多数の荷物を積載して走ることが多く、ツアラーには荷物の積載力が要求される。
そして管理人の場合は、タンク上にも荷物を積載することが必須となる。
管理人はたいていの場合、地図等のナビゲーション関連モノをタンクバッグ内に収納する。
(タンクバッグは、「すぐに取り出せる」、「走行中にも視界に入る」という点でバイクの積載スペースのうちでも特に重要な位置である。)

ところで、ムルティストラーダ620等の樹脂製燃料タンク装備車両は、燃料タンクに磁石が吸着しない。
したがって、通常の方法では、磁石吸着式のタンクバッグが使用できない。
 
という訳で、ムルティストラーダ620等の樹脂製燃料タンク装備車にタンクバッグを使用したい場合は、吸盤吸着式やベルト固定式のタンクバッグを用意するか、タンクカバーとセットになったタンクバッグ(バグスタ○等)を用意する等の必要がある。
 
ところで、管理人は以前から使用している年代ものの磁石式タンクバッグは持っているが、ベルト固定式やタンクカバーとセットのタンクバッグは保有していない。

保有していないからと言って、素直に購入するほど諦めも良くない。 (ついでに予算もない。)
しかし、タンクバッグはどうしても必要である。
 
・・・何らかの対応策を考えなければなるまい。
 
ムルティストラーダのタンクバッグ、過去の経緯
管理人が3年前にムルティストラーダ620で北海道ツーリングへ出かけた際には、吸盤式フック(100円ショップでお馴染のヤツ)を燃料タンクに取り付け、そのフックをタンクバッグに通したロープをひっかけ、タンクバッグの運用を行った。
2007年北海道ツーリングで運用中の様子。
イメージ 5
通常はタンクバッグのフラップ(タンクのDUCATIロゴの上にある、通常は磁石が入るポケットになっている部分)が被っていて見難いが・・・
 
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(邪魔なのでフラップを畳んだ状態) その下には吸盤フックが取り付けられていた。
ピンク色の落下傘用のコードでフックとタンクバッグを留めている。
イメージ 7
ちなみにタンクバッグを外すと、こんな感じ。
吸盤が見苦しいので、タンクバッグを外した場合には吸盤も外すようにしていた。
身だしなみも気にする管理人。 画像は「たまたま」運良く残っていたもの。
 
これは、見た目が悪いだけではなく、
①吸盤の吸着力自体はあるが、吸盤に許容以上の力がかかると、全く吸着力が無くなってしまう(吸盤が外れてしまう)場合がある。 これは、一つの吸盤が外れると、別の吸盤に過負荷がかかって、連鎖的に吸盤が外れ、タンクバッグ自体が落下しかねない。
これが磁石式なら、多少の力がかかって磁石が外れた場合でも、力が除かれれば、再度磁石が吸着するなどして、一気にタンクバッグが外れたりすることはまずない。
②フックが普通の「引っ掛けるだけの」フックなので、状況によってはタンクバッグを固定しているロープが緩んでフックから外れてしまう。
タンクバッグに荷物が詰まってタンクバッグの型を保っているうちは良いが、荷物が少なくなって、型が崩れてくるとロープが緩む→フックが外れる→タンクバッグが外れる。 となってしまいがちである。
 
というように、吸盤フックとロープで固定するタンクバッグの運用は、「一応可能」ではあったが、管理人的にはイマイチな結果に終わった。
 
前回の反省と今回の方針
この3年前の反省から、今回は磁石吸着式のタンクバッグの磁石部分を改良して運用することとした。
 
これまでのタンクバッグで使用していた磁石は重いので、最近一般化してきた小型の強力磁石(ネオジム)磁石を使用する。
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超強力マグネット(以下「ネオジム磁石」) これも100円ショップで手に入る。
この磁石の磁力は非常に強いので、タンクバッグを燃料タンク上に留めるだけの力はあるはず。
ただ、樹脂製タンクには強力磁石といえども吸着しないので、燃料タンク側にも磁石が吸着できるよう、細工を実施する。
燃料タンクに磁石が吸着できる鉄片等を貼り付けるのが、最も簡単かと思われたが、軽量化と吸着力の関係から、燃料タンク側にもネオジム磁石を貼り付ける事にする。
 
燃料タンク側の準備
神経質な管理人は、燃料タンクの塗装に傷がつくのは避けたいので、燃料タンクに保護シートを貼った上に、燃料タンクの塗装色に似たカッティングシートで、ネオジム磁石を貼り付けた。
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タンクの保護シートは低粘着力のカッティングシートを使用している。
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燃料タンク側に磁石を取り付けるのは、赤色のカッティングシートである。
それほど強力な粘着力ではないので、燃料タンクの塗装が剥がれるような事はない。
(ちなみに、NX650ドミネーター運用時に塗装部分保護用に買っておいたカッティングシートである。物持ちが非常に良い管理人。)
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赤色カッティングシートに磁石を取り付け、タンク保護シートの部分に磁石が位置するようにタンクに貼り付ける。
(なお、この赤色カッティングシートの粘着力と、シートの強度でタンクバッグを保持する事になるため、ある程度赤色カッティングシートの面積と強度は必要だと思われる。)
イメージ 1
 
燃料タンク側に磁石を貼り付けた様子。
どうせ今回のツーリング期間限定での運用なので、見た目は気にしていない。
(どうせタンクバッグの運用中は、タンクバッグのフラップで磁石部分は隠れてしまう。
今後も継続して使うつもりなら、もう少し美しい仕上げを考えなければなるまい。)
 
タンクバッグ側の準備
タンクバッグ側は、標準の磁石を取り外し、ネオジム磁石を取り付ける。
なお、単に標準磁石が入っていたポケットにネオジム磁石を入れただけでは、ネオジム磁石が小さいため、簡単にポケットから出てしまうし、磁石が内部で回転して極性(N極・S極)が変わってしまうと思われたので、小さなビニールパックにネオジム磁石を入れたうえで、標準磁石が入っていたポケットに投入した。
イメージ 2
 
ポケット内に磁石を収める。
もちろん磁石の極性は統一しておく。
 

 
使ってみた
取り付けの際、鉄製タンクに磁石を取り付けるのとは異なり、(タンクバッグ側と燃料タンク側の)磁石同士を吸着させる必要がある。
タンクバックの磁石は、鉄製タンクであれば適当な場所に磁石を近づけただけで吸着するのに対し、樹脂製タンクに磁石を仕込んだ場合には、磁石同士を一定距離以内に近づけなければ吸着しない。
いったん吸着してしまえば、強力に吸着するので問題ないのだが、磁石の位置が多少ずれただけで吸着力が激減する。
つまり、適当にタンクバッグを乗せれば、勝手に吸着できる鉄製タンクと異なり、磁石同士を吸着させる場合は、ボタンやホックを留めるように、磁石を一つずつ、確実にくっつけていく必要がある。(実際は、磁石同士の距離が数センチの距離まで近づけば、その後は一気に吸着するので、全くボタンと同様というわけでもないが・・・)
 
実用上は多少の気を使う部分があるが、今回はこれで対応する。
イメージ 3
 
実際にツーリングの全期間中、このタンクバッグを使ってみたが、確実に取り付ける点で気を使った以外は、実際の運用に問題は無かった。
 
最後に
イメージ 4
 
万一、全ての磁石が外れたとしても、タンクバッグが「いきなり」脱落しないよう、電源コードの弛み防止を兼ねて、カールコードでも車体に固定しておいた。
(カールコードは画像中央のピンク色の紐。これも100円ショップで調達している。)
実際には、このコードでタンクバッグを保持する事態は発生していない。
もし、カーナビや充電器等が入ったタンクバッグの荷重が、全てこのコードにかかった場合、コードの強度的にタンクバッグを保持することは厳しいかもしれないが、タンクバッグが「いきなり」落ちる事は無くなったと思ってよかろう。
(だいたい、タンクバッグの位置がずれたら、普通のライダーなら気付いて膝や手で押さえると思う。)
 
まあ、安全側に配慮したということで、自己満足するには良かろう。
 
 
2010年北海道ツーリングでは、この状態でタンクバッグの運用を行った。
結果については、今後「ツーリングのまとめ」で。
 
 
 

 

 


 

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20240811 更新