カブのテレスコ&ディスク化 ジオメトリ設計&部品収集編 | 虚構の設計

虚構の設計

設計の立場から高専ロボコンに関して書いていました.
今は引退し,カブ90に乗っています.

色々あって,期間が開いてしまいました.

実は,カフェカブに参加したりしてました.

多種多様なカブが見れて,参考になりました

 

個人的に気に入ったカブ

前後ディスクにテレスコ,さらにハンドル加工までされていて,気合が入っていてかっこいい

・・・ディスクの直径では負けないぞw

 

あとは,しれっと4バルブシリンダーヘッドを入れている方とお話ができたり,

(実は今私のカブにも同じキャブレターがついているのですが,最高速が私より20[km/h]以上速い

排気量が2割ほど違うとはいえ,4バルブすごい)

 

なかなか,いい機会でした

・・・暑くて後で日焼けが凄かったけどw

 

 

 

さて,本題に移ります

テレスコ化ですが,フロント周りをごっそり入れ替えるからには,

ついでにジオメトリも適正化します.

具体的には,ノーマルではハンドリングが軽すぎる(セルフステアが小さい)ように感じるので,

もう少しバイクが主張するような,セルフステアが大きくなるようなジオメトリを探ります.

これを弄るためには,

・キャスター角

・トレール量

・重心位置

・タイヤプロファイル

・・・など,かなり多くの要素が関わってきますが,タイヤは今までと同じようなものを使用したいし,

キャスター角はフレーム側を派手にいじらないと変えられないし(リアサスの長さでも多少変わりますが)

変えられるのは,トレール量しかありません(キャスター角も+0.5[deg]くらいなら可能)

 

基本的に,キャスター角が寝るほど,トレール量が増えるほど安定といわれていますが・・・

感覚的になんとなくわかるのですが,解析的に求めようとすると,なかなか難しい・・・

(私もまだ勉強中・・・いい感じの書籍が英語しかなかったので,なかなか進まないw)

 

そんなわけで解析的にやるのは無理なので,市販車のジオメトリを参考にします.

まず,カブ90のジオメトリは

キャスター角/トレール

26.5[deg]/75[mm]

ただし,私のカブはリヤのサスペンションを少し長くしているので,

26[deg]/72[mm]

ぐらいかと思います

 

他のバイクの例をあげると

PCX(125ccスクーター) 27[deg]/86[mm]
NMAX(125ccスクーター) 26[deg]/92[mm]

YZF-R25(スポーツバイク) 25[deg]/90[mm]

Ninja250(スポーツバイク) 26[deg]/82[mm]

Ninja250SL(ガチスポーツバイク) 24[deg]/90[mm]

エストレヤ(クラッシック風バイク) 27[deg]/96[mm]

こんなところでしょうか

数字で見ると,意外と大差ないように感じます

川崎の250ccを3台並べてみましたが,

(Ninja250:フルカウルの初心者向けスポーツバイク

 Ninja250SL:峠キチ向けのある意味一番ガチな250ccスポーツバイク

 エストレヤ:マターリクラッシックバイク)

これを見ていると,何がどう影響するのかなんかよくわからなくなってきます

多分キャスター角は立っている方がスパスパ車体を動かせるんだろうという気がしますが,

トレール量はどう影響するんだろう

個人的に,Ninja250よりSLのほうがトレールが大きいのが意外

 

そんなわけで,よくわからなくなってきましたが,どのみち変えることのできるのはほぼトレールだけなので,

トレールを少しだけ大きくとる方向にします

具体的には,現状の26[deg]/72[mm]から

26.5[deg]/91[mm]にすることにします

数字の根拠は・・・一切ありませんw

ただ,キャスター角は,フォークの設計の都合上,どうしても純正のフォークと同じ長さにはできず,

少しフォークの長さを伸ばした結果,26.5[deg]になったという,妥協案だったりします

フロントサスペンションのストロークを減らせば,何とかできなくもないのですが,

ストロークを減らすとハンドリングに多大な悪影響が出るのが明らかなので,諦めました.

 

また,トレールはPCXとNMAXを参考に決めました

車重が両者より圧倒的に軽いので,これでもカブならではのひらひら感はそこまで失われないと思われます


そんなわけで,ジオメトリが決まれば,あとは細部の設計を詰めるまでです
ただ,細部の設計を詰めるためにはベースとなる部品を選定する必要があるので,そこから考えます
(テレスコピックサスペンションとかは,流用しないと無理,絶対作れないw)
まず,条件としてカブの雰囲気は極力残したいので,
車輪は17インチとします.
また,フロントフォークが上の方まで突き出してくるのは見た目的に却下
なので,スクーター用の短いテレスコを使用します
また,先ほど決めたジオメトリから,フォークオフセット(ステムとフォークの中心軸のオフセット量)を
そこそこ大きめに取らないといけないことが分かったので,それも考慮する必要があります.
例えば,ヤマハのシグナスのフォークを見ると

ヤマハ発動機株式会社HPより

このように,フォークの中心軸より,車軸の方が後ろにきています.
このような形状は,設計の都合上今回はあまり嬉しくありません

一方,PCXのフォークを見ると

フォークの中心軸より,車軸が前にあります
今回の設計だと,このような形状の方が都合がよいため,PCXのフォークを流用することにします.
PCXのフォークは31[mm]と125ccクラスの中では比較的太いインナーチューブ径で剛性が高く,
純正で2+1ポットのキャリパーを備えており,加工して3ポット化すれば制動力も期待できます.
(PCXのキャリパー自体は3ポットなのですが,油圧系統が1ポット分だけ分かれており,
PCX純正では,右手レバーは2ポット分のピストンしか動かしません.
残る1ポットは.左手レバーに接続されており,後輪ブレーキと同時に作動する,CBS専用です.
ただし,油圧ラインを弄ってしまえば,普通に3ポットキャリパーとしても使用可能です)
PCXのレビューを見ても,ハンドリングや制動力はなかなかよさそうです.

懸念事項として,他のスクーターよりややフォークが長いため,レッグシールドに干渉する恐れがありましたが,
実測したところ,ギリギリ入りそうです
さらに,球数が多く,フォーク,キャリパーその他消耗品を安価に入手可能など,
好条件がそろっていたため,フォークはPCXのものを使用することを決定しました.

ヤフオクで500円wで落札した中古フォーク
ただし,オイルシールなどは,すべて新品に交換します.


次に,ホイールを選定する必要があります.
ディスクブレーキのローターの直径がPCXと同じ220[mm]であれば,
キャリパーサポートもPCXの流用で済む可能性がありますが,
220[mm]では性能的には十分とは言え,見た目のインパクトが弱いので,
ローターだけはでかいものをつけたいところです
(純正風の見た目はどこへやら・・・でもおとなしすぎる見た目も面白くないし,多少はねw)

で,ローターが純正でデカくて,なおかつリム幅がカブとほぼ同等で,カブと同じ17インチのホイール,
さらには,フォークの都合で,ディスクローターが左側についているスポークホイール
・・・そんな都合のいいものありませんでしたw
頑張って探すと,ホンダのCRM50/80がローター直径以外は条件を満たしていました.
ただ,ローターは社外品でも220[mm]しかないし,
そもそもCRM50/80自体が相当古い車体なので,状態の良いものはなかなか手に入らなさそうでした
さらに,スポーク数が特殊な規格となっており,万が一リムを破損すると修理は困難です

そこで,もう少し色々探してみると,スズキのGN125用の社外パーツとして,
17インチのスポークホイールが見つかりました.
これなら,万が一リムを破損しても修理ができそうです.
GN125は日本国内では20年以上前に生産終了ですが,中国ではいまだに生産されています
なので,社外部品も豊富で,300[mm]という,途方もなく大きなブレーキローターも見つかりました.
速度を測る,メーターギアなどの消耗品もしばらくは手に入るでしょうし,
部品供給が怖ければたくさん買っておいても,中国直輸入ならそこまで高くつかないので,
このホイールを使用することにしました.
発注は,タオバオ(中国の大手ショッピングサイト)で購入代行,さらに日本まで発送してくれる業者に依頼しました.
要するに輸入ですが,タオバオについては,日本語のやり取りに対応して,
なおかつ申し込みも簡単な業者が多数いるので,特に苦労することはありません.
今回は,ひなかという業者を使用しました.

すべて新品でそろえて確か送料込みで2万円程度だったかな?
迫力の300[mm](実測295[mm])ディスクブレーキ,どう考えても過剰装備ですが
私が作るのはバリバリのカスタムバイクです,気にすることはありませんw
さて,部品ですが,中国製です,精度を期待してはいけませんw
ホイールに関しては,ローターの取付穴のねじが少々荒かったので,もう一度タップを通したりしました.

なんでこんなに切りくずが出るんだ・・・

さらに,ベアリングもなぜか異様に動作が重いので,国産のベアリングにうち変えました

ベアリングは鉄,ハブはアルミなので,温めれば多少は緩くなります.
緩くなったところをハンマーで叩いて,気合で外します.
しかし,いやに硬いような・・・はめあいがきつ過ぎると思うんですが・・・

とはいえ,これぐらいで使えたので,よしとしましょう
他方,ローターの方は直径300[mm]として売っていましたが,実測すると295[mm]・・・
そんなもんかな?どうせキャリパーサポートは自作するしかないので,特に問題はなし
歪も,机の上にのせた感じでは問題ありませんでした

メーターギアはなぜか微妙に違う車種向けのものが届き,使用不可
メーターケーブルの方は目当てのものが来たので,諦めます
ちなみに,メーターケーブルのメーター側の取り付け部は,メーカーが違っても共通です.
さらに,ケーブルの回転数もJISで規定されているので,異メーカー間で流用可能です.
ただし,メーターギア側の取り付け部は車種ごとに違ったりするので,注意が必要です

結局,メーターギアはヤフオクで古い部品を落札して入手
内部の状態もよく,しばらくは問題なく使用できそうだったので,よしとします

これで基本設計にかかわる部品は集まったので,ステム回りの設計に取り掛かります.
これ以上書くと冗長になりすぎるので,続きは次回の記事で