小説:アサルト選抜チーム | RCSPAWNのブログ

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第4章 Lost Children


「さて・・・・。中にはいったはいいが・・・・」

いづいは目の前に伸びる薄暗い廊下をみて暫く思案した。

(救援の通信があってから時間がたっている・・・・。もうだめかもしれんな)

廊下は大人が3人ほど並んで歩けるほどの幅があり、天井は高いものの、所々に防火壁用途の梁が張り

出していた。

壁はステンレスで覆われてひんやりとした空気の中、天井の青白い照明が所々明滅を繰り返し

ている。

「とりあえず外の連中がなだれ込んでくる前に救援通信をしたやつを探し出そう」

ハマーンが装備を整えなおし終えたチームに声をかける。

「でもどうやって探すのよ。ここの見取り図はあっても部屋数が多いわ・・。」

Risaがお手上げね、といったジェスチャーとともにため息をつく。

「外があの調子では建物の中の安全な場所に隠れるのが普通だな」

天才がつなぐ。

「通信室か?」

ハマさんが問う。

「武器庫じゃないか?」

ロンズが答える。

「3手に分かれるか」

ちょうど眼前には通路が二股に分かれているのが見える。

「おれとリグ、ロンズ、天才はここで待つ。万が一ドアを蹴破られでもしたら俺らの逃げ道がなくなるからな」

「Risaと天才、ハマさんは武器庫を目指せ、SPAWN、ハマーン、反対側の通路を」

いづいが指示を出す。

「わかった」

SPAWNがハマーンとともに歩き出す。

二手に分かれた通路はかなりの距離があり、ところどころの部屋を用心深く覗いてみるが、人の潜む気

配は感じられなかった。

4つ目の部屋の捜索を終えて廊下に戻ると

うんざりした表情で

「どこにいると思う?」

ハマーンがたずねる。

SPAWNは捜索済みの印である「×」をドアにスプレーしながら暫く思案していた。

「・・・・・おれは食料庫が一番可能性が高いと思っている。」

思いもよらぬSPAWNの答えにやや驚いたハマーンが矢継ぎ早に2の句を告げる。

「なんでだよ。」

「救援要請は確かに通信室からだろう。ただ、ここにもあの手の化け物めいたものが侵入した可能性も

ある。」

そういいながら立ち止まったSPAWNはステンレスの壁を触る。触った場所は指でなぞったようにへこみ、

うっすらと血がついていた。

「なるほど」

ハマーンが唸る。

「となれば、通信を終えたら武器を取って安全な場所に篭ると考える。ただ救援がいつ来るか、たどり

着けるかがわからなければ、長期間篭る可能性を考える。であれば武器をもって食料庫、が妥当な判断

だとおもう。」

「なるほど」

「ただ、あの外の状況で冷静に思考できれば、の話だが・・・・」

(補給基地の人間がそこまで考えられるとは思えんがな・・・・。ましてや出入りの民間人であればな

おさら期待できない・・・・。それにしてもさっきのあの傷・・・・。ステンレスがあんな形にへこむ

ものか?。)


SPAWNは考えをめぐらせながら歩を進める。

「ん?」

(空気が変わった・・・・・)

SPAWNは気配の変化を感じて立ち止まる。

ハマーンの顔をチラッとみる、とやはり同様に気配の変化を感じたかのように前方の一点のを凝視している。

「じいさん・・・・」

「ああ、なにか、いるな・・・」

二人は視線を前方に固定したまま、武器を携える。ハマーンは日本刀、SPAWNはKriegを構える。

いづいたちとの距離は随分とあり、屋内ということもあってか通信は途絶気味だった。

(応援を呼べる状況でもなさそうだ・・・。)

と次の瞬間、二人の前に突如として大きな塊が現れた。

「なっ!」

とっさにSPAWNとハマーンは身構える。

(なんだ? 何が来た?!)

「ぐぁ!!」

更に視界の外から黒い影が迫ったと思うと、二人はそれに弾き飛ばされ、弾みで扉を蹴破って転

がった。

とっさに受身を取って体勢を整えると先ほどの黒い塊を凝視する。

(人?!、いや人じゃない!!)

そこには身の丈2mを越える人型の「何か」がたっていた。

先ほど視界の外から突如現れてふたりを吹き飛ばしたのはどうやらその「人型」の腕らしかった。

その人型はゆっくりと動き始めると喉の下辺りが眼のように開いた。

「なんだ、こいつは!」

ハマーンが押し殺したように唸る。

その人型はゆっくりと反転すると、SPAWNとハマーンに正対するように向き合った。

全身は茶褐色で筋肉がまるでレスラーのように隆起している。

顔はめがつぶれたようにのっぺりとしているが口だけが異様に大きく裂けていた。

「どうやら外の連中の親玉、のようだな・・・。」

SPAWNがつぶやく。

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「バトウ博士! プロトタイプが再起動しました!」

白衣の男が声を上げる。

「ほう、まだ生き残りがいたか。カメラをアクティブに。」

バトウ博士と呼ばれたその男は腕組みをしてモニタを見つめる。

「ほう。軍人か・・・・。救援部隊だな、2人だけか?」

「ちょうどいい。攻撃力のあるモルモットは大歓迎だ。アドレナリン注入! 回路開放!」

バトウが命令すると、白衣の男はキーボードをカタカタとタイプし始める。

「完了!」

バトウはにやりと笑うとモニターを凝視した。

「さてプロトタイプといっても機能はすべて完成版に準じたものだ。どれほどの破壊力があるか、いい

データを提供してくれよ。モルモットの諸君・・・・」

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ビクン!と人型は一瞬痙攣すると雄叫びを上げる。

「ごぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

(随分とやばそうなあたりくじを引いたようだな・・・・)

SPAWNはぐっとKrieg を握り締めなおした。