小説:アサルト選抜チーム | RCSPAWNのブログ

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ブリーフィングルームのドアを開けるとタナカが機材のセッティングを行っている。

「わるいな、タナカ」

タナカはそういったいづいの方を見やるとにこりと笑った。

「いえ、これが私の仕事ですから!」

そういって手際よくデジタル化された資料をプロジェクタにうつせるよう設定を続ける。

(タナカは器用だな。チヌークの操縦といい、デジタル機器操作、兵装の知識も豊富だ・・・)

「準備できました!」

「ありがとう。メンバー召集かけてくれないか」

10分後、部屋にはメンバー全員が顔をそろえていた。

いづいが全員に声をかける。

「休憩中わるいが、先ほどの作戦成果を共有したいと思ってな」

メンバーは黙ってうなづく。

「OK。では最初の資料だ。これはラボの老人が言っていた”ウォールハック”のものだが・・・。」

プロジェクタは資料映像を映し出す。

「おおお」

皆、一様に驚嘆の声を上げる。

そこには兵士が特殊な銃で厚さ300mmほどのコンクリートを打ち抜き、その裏にある的を正確に射抜

く様子が映写されていた。

「透視でもしてるようだな」

SPAWNがつぶやく。

「資料によれば、赤外線と熱感知、電磁波の技術を用いて、透過と可視化を行っているらしい」

いづいが続ける。

「ただし連続使用時間は限られているらしく、そこが技術的な課題として残ってるということらしい。

これはあのラボで聞いた話とも符合する」

「厄介な技術だな・・・・。敵からは建物越しに俺らが見えるって事か」

リグが腕組みをして前のめりにスクリーンを見つめる。

「しかも弾も特殊なものじゃないか? 排出された薬莢、見た事が無いぞ、あの形状は」

Risaがタナカに問いかける。

「ねぇ、うちに似たようなものってあるの?」

タナカがすまなそうに肩をすくめて答える。

「マスターに聞かれて確認しましたが、同様のものはないです。そもそもここには最新式のものはあま

り配備されていませんし・・・。」

Risaが机の上に足を投げ出す。

「それじゃ対抗しようが無いわね。いくらこの面子でも見透かされた中に飛び込んで生きて帰れるなん

て奇跡に近い芸当だわ」

「見える範囲はどの程度なんだ?」

ジョーがいづいに尋ねる。

「資料によれば、性能として確立しているのは15m、条件次第で20mと書いてある」

「飛び込んで狙撃、後退、というのを今以上に撹乱しながらやれればいけそうな気もするがな」

ハマーンが同意を求めるようにRisaを見ながら話す。

「そうね。でも確率は低いと思うわ。」

「ヒールじゃ無理だろ」

ハマがぼそりとつぶやく。とたんRisaはハマのほうを睨みつける。

「あら、ハマ。踏まれたい?」

ハマは意に介さず続ける。

「俺たちの基本的な防護も考え直さないとまずかろう。

少なくとも今以上の防弾装備は必要だとおもう」

「OK。タナカ、防弾含めて防護系装備を至急確認していくつかパターンを出してくれ」

「わかりました。」

タナカはすぐに部屋の隅にあるPCを操作して兵装と連絡を取りはじめた。

「次は、重装機兵だ。」

資料映像が流れると一同からは失笑が漏れる。

「随分と不細工だな・・・」

ロンズが笑いをかみ殺しながら感想を述べる。

映像には、全身を装甲で覆った兵士が走り回り、機銃掃射を行う様子が写されている。

ただ、その装甲は全体に体以上のふくらみがあり、見た目だけでも重量を感じさせ、敏捷性に欠けていた。

天才は頬杖をつき、ペンをいじりながら

「でかい、かたい、だけじゃないのか?」

退屈そうに話す。

いづいはそれを見ながら答える。

「確かにそうだが、倒すのには苦労しそうだぞ・・・。」

そういいながら映像を止める。

「みろ。可動範囲も装甲で覆われている。高硬度装甲というらしいが」

いづいがポインタで指し示した肩、肘、手首、股関節、膝、足首には重厚な装甲にさらに蛇腹様の装甲がつけられている。

首の周りも、カラーがつけられており、用意に射抜けるようには見えない。

「こいつをしとめるには首周りへのこれまで以上の精密射撃が必要ということか」

SPAWNがまとめる。

「そういうことだな」

いづいが我が意をえたりと言う様子で大きくうなづく。

「以上だ」

「何か質問は」

いづいがメンバーを見渡す。

「この兵器を開発してるのはマイバッハたちか?」

SPAWNがたずねる。

「これだけのものを技術的にもコスト的にも反政府組織だけでまかなえるとは思えないんだが」

(たしかに、規模もでかい。わざわざこの戦乱のため、ともおもえんな)

いづいも資料を見ながら釈然としなかった部分だった。


「ひょっとして俺たちの当座の敵はマイバッハかもしれんが、その後ろにさらに控えた敵がいるんじゃ

ないのか?」

SPAWNが続ける。

「そういえば」

ハマーンが身を乗り出す。

「ラボのじいさん、俺らを”本社”の連中といったな」

ロンズ、リグ、天才も思い出したように話し始める。

「撤収支援の時に出くわしたやつら」

「マグワイヤとボンズ、だったか、そいつらも”業務”って」

「軍人にはなじみのない単語だな」

ハマがつぶやく。

「確証はないが単なる反政府組織との抗争、というだけじゃなさそうだな・・・」

「そういうことだ」

いづいが、部屋の明かりをつけながら皆に告げる。

「俺たちが戦っているのは目の前ばかりじゃ無いって事のようだ。今後も情報は集める。たのむぞ!」

その声に各メンバーは各々大きくうなづきながら立ち上がり、ブリーフィングルームを後にする。

その様子を見送りながら

(いずれ、その背後にいるやつらも引きずり出してやるさ・・・・)

SPAWNは義手のプレートを触りながら決意を新たにし、部屋を出る。

「タナカ、Risaが起きたら”ブリーフィング前に酒を飲むな”と伝えておいてくれ」

いづいがタナカに声をかける。

「了解です」

そういったタナカの背後でRisaは足をテーブルに投げ出した状態で爆睡していた。

その床には空のバーボンの小瓶が所在無げに転がっていた・・・。

第2章

Secret Documents 完

第3章 Desert Eagleに続く