小説:アサルト選抜チーム | RCSPAWNのブログ

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第2章 

**********Break Shot

マグワイアの繰り出したパンチが天才の左ほほをかすめる。

天才はわずかに体をひねり、パンチをかわしていた。

(体捌きだけでかわしやがった!)

マグワイアが第2撃の右パンチを繰り出そうとした瞬間、天才が左腕を内側にひねり上げる。

マグワイアの体は前転する様に回転をし始める。と同時に引き倒されるのを防ごうとマグワイヤは自ら

蹴り上げて着地しようとした。

(よし!)

マグワイヤはそう思って左腕を前に出そうとするが、何かに押さえつけられて前に出すことができない。

気がつけば天才はすでにマグワイヤの背後に回りこみ、マグワイアの左腕は彼の脇で押さえつけられて

いた。

「そろそろあきたんでけりをつけさせてもらう」

背後で天才がつぶやく。

その途端、マグワイアの首は左腕ごと天才の両腕によってぐいぐい締め上げられる。

「ぐぁ!」

なんとか脱出を試みようと体をねじるが、背後から締め付ける天才の腕力はその動きすら止めるほどの

強さを持っていた。

マグワイアは右手でナイフを探す。

腰に仕込んだナイフの柄に手が届いた瞬間、

「グキッ」

鈍い音がしてマグワイアが苦悶の表情を浮かべる。次の瞬間、天才はマグワイアの右腕を取ると、両足

に挟んで、ひねりあげる。

「グキッ」

マグワイアは苦悶の表情のまま、地面に倒れこむ。

「なかなか面白い芸当だったが、楽しむ時間がないんだ。」

天才は手で軍服についた砂を払いながら、マグワイアに言い放つ。

「次は容赦せん。今日はおまえの技量に免じてここまでだ。もっともあの大男に”次”はないだろうが・・・」

そういって天才はリグとロンズに視線を向ける。

ボンズの繰り出すパンチと尋常ならざるスピードの中、ロンズとリグはそのパンチを掻い潜りながら、

左右のわき腹にパンチを叩き込んでいた。

「ちょろちょろと・・・・」

ボンズはかなり苛立っていた。スピードを上げた割にはパンチがこの二人を捉えたのは最初の一撃のみ

で、あとは交わされてばかりだからだ。

(速度が上がった、とはいえ攻撃がこうもパターン化してれば交わすのも潜り込むのも造作はないんだが)

(このパンチの効果がいつでることか)

と、ボンズの動きがぎこちなくなった。

(よし)

途端、ボンズはわき腹を押え動きがとまる。

懐に潜り込んでいたロンズはさらに左わき腹にパンチを打ち込む。

苦痛に顔を歪めながらボンズが左パンチを繰り出す。

その瞬間、ロンズの背を踏み台にしてリグがボンズの顔面に躍り出る。

「りゃっ!」

リグはボンズの左腕に絡みつくと、内側に体をひねる。

同時にひねる力を利用して右のけりがボンズの顔面を狙う。

「バキッ」

リグのけりはボンズの左こめかみにめり込んだ。

ボンズは左腕の痛みとこめかみの激痛で、ずぶずぶと沈みこむ。

そこにロンズが渾身の力を込めてあご下に右パンチを放り込む。

ボンズはその衝撃で白目をむいたまま、仰向けにどうっと倒れる。

ロンズとリグも思わず、その場にへたり込む。

「なんてスタミナだ・・・。けりがつくのかと思ったぞ」

ロンズも荒い息使いをしながら答える。

「あぶなかった・・・な。」

天才が二人を引き起こす。

「久々の白兵戦、ちょっとしんどかったな。」

「だな」

「ああ」

3人はお互いに肩をぽんぽんと叩き、労をねぎらった。

「そろそろくるぞ」

そういうと天才は、銃を拾い上げて二人に渡し、周囲を警戒し始める。

と、ラボの奥から爆発音が聞こえた。

と同時に、奥の建物の壁や天井がつぎつぎと爆発によって吹っ飛び始める。

(随分派手に仕掛けたな)

そう天才が思った瞬間、背後の砂丘から爆音とともにヘリが急接近してくる。

(敵か!)

思わず3人が身構えるとコミュータから

「皆さんご無事で!。タナカです!。迎えに来ました!」

聞きなれた声と同時に操縦席から手を振るタナカの姿が見えた。

「おお!。」

(チヌークの操縦もできるのか、タナカ・・・)

リグが感心していると、通風孔から、6つの影が現れた。

「天才!ご苦労! 撤収だ!」

いづいが天才に声をかける。

「首尾はどうなんだ」

「資料は手に入れたわ。設備もこの通り木っ端微塵よ!」

Risaが答える。

旋回するチヌークからラダーが投げられ、9人はそれにつかまる。

と同時に、旋回速度を上げて、チヌークが急上昇する。

眼下ではラボが爆発音とともに炎と砂煙を上げて崩壊していく。

周囲の設備も天才らの仕掛けたC4が連鎖して爆発し、あたりはまるで砂嵐が停滞するかのように砂塵

で何も見えない状態になっていた。

いづいが操縦席のタナカに声をかける。

「タナカ!、いいタイミングだな!」

タナカは振り返ることなくコミュータ越しに答える。

「SPAWNから、大体の時間を言われてましたんで!」

「な?」

いづいたちはいっせいにSPAWNの顔をみる。

「この面子ならてこずるわけなかろう。」

そういうとSPAWNは親指を立てて応える。

「確かに・・・・」

「ところで・・・」

リグがRisaたちを指差して怪訝そうに尋ねる。

「そこの女医とインターンはどういうことだ?」

「あら?にあってるでしょ?」

Risaは得意げにくるりと体を翻す。

「潜入にはこれが一番違和感がないってRisaがいうから・・・」

ジョーとハマがばつが悪そうに言葉を濁す。

「これからそれでいくのか」

ロンズが悪戯っぽい笑みを浮かべながら聞く。

「冗談じゃねえ!」

必死に否定するジョーとハマの奥でRisaだけがまんざらでもないという風に笑みを浮かべてチヌークの
丸窓から外を眺めていた。

チヌークはさらに加速すると一気に砂丘地帯を南下してベースへの帰途に着いた。



第2章 

**********Break Shot完

Secret Documentsに続く