小説:アサルト選抜チーム | RCSPAWNのブログ

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Hard Attack

リグとロンズはボンズと細身の男によばれた大男を正面に見据えるように立っていた。

(パワー型、か・・・)

リグがつぶやく。

ロンズは軍服の上からでもわかるほど隆起したボンズの筋肉のつき方の観察を続ける。

(上半身に比べて下半身がプアだな。)

身構えたままの二人に対してボンズが問いかける

「おい・・・。おまえら・・・・かかってこいよ。」

そういいながらボンズはゆっくりと前に進み出て二人との間合いを詰める。

「こないならおれからいくぞ・・・」

そういうとさらに間合いを詰めながら大きく右腕を振りかぶる。

ロンズが身構える。

リグは2,3歩下がるとロンズと体幹がかぶらぬよう、さらに右に1歩ずれて身構える。

(これでよし。存分にお互い動けるというものだ)

リグはロンズの背後で自分のとるべき動きのタイミングを計る。

ボンズの右腕が振り下ろされる。

(遅い!)

リグはあっけにとられた。

(素人のボクシング以下だぞ・・・)

ロンズは苦も無くそのパンチをよけ、腰を落として踏み込みボンズの懐にもぐりこむ。

ボンズの右わき腹はノーガードでロンズの前に曝け出される。

(もらった!)

ロンズは渾身の力で左わき腹にパンチを打ち込む。

手ごたえを感じたロンズはボンズの顔を仰ぎ見る

(効いたか?)

が、しかしボンズの表情は変わらない。眼がぎょろりと動いてロンズを見下ろす。

とっさにロンズは飛びのく。

ロンズのいた場所を右腕同様、ゆっくりとした軌跡を描いて左腕が振り下ろされる。


「しとめそこなったか?」

ロンズはボンズを見据えたまま答える。

「思い切りぶち込んだが効いてないようだ」

「なっ!」

リグが驚きの声を上げる。

(こいつは思った以上に頑丈で厄介だな。)

ロンズが今度は一気に前に出る。

ボンズはやはり右腕を振り上げる。

先ほどと同様に懐にもぐりこんでわき腹に攻撃を加えた後

振り下ろされる左腕をよけながら右わき腹にも

攻撃を加える。

リグは少し離れたところで細身の男とやりあう天才の様子を伺う。

(あの調子ならそろそろ蹴りのバリエーションはおさえたか・・・)

先ほどまで蹴りを両腕に当てながら往なしていた天才の動きが体捌きで蹴りをかわすようになっていた。

細身の男は天才が体捌きで蹴りをかわし、パンチを往なしながら徐々に間合いを詰めていくのに気がついていない。

ボンズの攻撃は変わらず単調なままだった。

右腕が第一撃、次いで左腕は振り下ろすか、振り回すかで第2撃。

その間をロンズが縫うように接近し、パンチを左右のわき腹に叩き込む。

もう10分ほどまるでリピート再生のような状況が続く。

リグはその様子を見ながらやや緊張感に欠けたあくびをした。

(きりがねえな)

「ロンズ!、大丈夫か!」

リグがロンズに声をかける。

「任せろ!」

そういったロンズの息は荒く、肩の上下がその疲労の度合いを示していた。

(随分と手間がかかるな。ロンズのパンチ力は尋常じゃない。もらい続ければ真っ先に足に来るはずだが・・・)

リグはボンズの表情を見てぞっとする。

ボンズは最初の表情のまま、攻撃スピードも衰えていなかった。いや、スピードを維持していた。

ボンズは攻撃にスピードこそないものの、鍛えた体で攻撃を受け凌ぎ

そのスタミナでやがてスタミナの落ちた相手を凌駕する。

そういう戦法を取っているようだった。

「ボンズ!どうだ!遊んでるか!」

細身の男が怒鳴る。

「マグワイア・・・こいつ・・すばしこくて・・・・・」

ボンズが答える。

「”ブースター”を使え!」

マグワイアがボンズに答える。

(ブースター?武器か?)

その声にロンズが反応し、さっと飛びのき、間合いを確保する。

ボンズはごそごそと胸ポケットから細身の何かを取り出す。

(注射器? 薬物か!)

リグもロンズも眼を見張って動きが止まる。

ボンズはその注射器のキャップをはずし、自分の首筋に突き立てる。

薬物を注入し終わると注射器を投げ捨て、腕、肩をぐるぐるとまわし始める。

はじめは早く、そして徐々にゆっくりとまわし、やがてその動きを止める。

ぎろりとロンズを睨んだボンズの目は先ほどとは違い赤く充血している。

「さ、続きだ・・・」

途端、砂埃がばっと舞い、ボンズが猛烈なスピードで踏み込んであっという間にロンズの眼前に現れる。

(!!)

防御の反応をするまもなく、ロンズがなぎ倒される

(ロンズ!!)

リグは同時に身構えるが、その上から振り下ろされた左腕がリグをもなぎ倒す。

「のろまっていうなよ・・・・・」

ボンズの赤い眼が二人を交互に射抜く。

(やれやれ、とんだ芸当だな。びっくりした)

「早くなっても結果は一緒だ。」

「お前は俺たちに倒される」

リグとロンズが改めてファイティングポーズを取り直す。

Hard Attack 完

第2章 Break Shotに続く