第2章
**********Boys and Girl
見張りの兵を制圧したRisa ハマ ジョーは天才 リグ ロンズとは別の方向に走り出す。
(Risa そちらのチームの統率はまかせた)
天才からコミュータ越しに指示が飛ぶ。
(了解。坊やたちのお守りは任せて)
それを聞いてハマとジョーは不満を口にする。
(おいおい。俺たちゃ赤ん坊じゃないんだぜ)
低い姿勢で移動しながらRisaが切り返す。
(あら、あたしは11からこういうことやってるわ。)
(そうかもしれないがね・・・)
憮然とするジョーに比べハマは冷静に物事を捉えて言った。
(俺たちは潜入任務の経験が少ない。ジョー、ここはお手並み拝見でいいじゃねーか)
(物分りがよくて助かるわ。大丈夫、へまはしないわ)
そういうとRisaは通風孔に消える。
ハマとジョーもその後に続く。
通風孔に入ると、ハマ、ジョーの順に先へと進んでいく。
Risaは後方の確認をしながら後に続く。
通風孔はところどころ分岐はしているものの径から考えれば主道は容易に想像できた。
メインの通風孔の先には必ず、リネン室や食堂など人気が少なく、
警戒の薄いエリアに出ることができる。
Risaは移動しながらそれらへの投下を最善と考えていた。
(ハマ、どう?出られそうなところはある?)
ハマは匍匐前進しながら答える
(もう少し行くとダクトがある。そこから出られるかもしれない)
(OK。そこで降りましょう)
ダクトにたどり着いたハマは器用に外ねじをはずすとダクトからスコープを少し入れる。
(ロッカールームみたいだな。人もいない)
ダクトをそっとはずすと、3人は音も無くロッカールームと思しき部屋に降り立つ。
(ほんとロッカールームね・・・)
ロッカーは凡そ200人分を一列として20列ほどあることが確認できた。
1つ1つのロッカーは80cmほどの幅があり、ほとんどのロッカーは鍵がかかっていて
あかないことも確認できた。
(ここに通ってるって感じじゃないわね。ここで生活と研究、ってことかしら)
手近にある鍵のかかっていないロッカーをRisaがあける。
ロッカーの中には白衣が入っている。
スリッパや手袋など一式がそろっている。
(そうだ・・・。)
暫くすると3人は白衣に身を包んでいた。
「おい、これは・・・」
ハマがさすがに恥ずかしそうにRisaに意図を確認する
「この格好が一番目立たないわよ。ほら」
Risaがくるりと身を翻す。
「コスプレじゃねえか」
ジョーがつぶやく。
「じゃあんた、軍服で見つかって蜂の巣になる?」
Risaがジョーのあごを指で支えながら問いかける。
「わかった。任務のためだ」
ジョーが引き下がる。
「いい子ね、聞き分けのいい子、私好きよ」
暫く廊下を進むと金属音と乾いた銃声が2発聞こえた。
反射的に三人はそれぞれの携帯していた武器に手をかけて身構える
(なに、今の)
Risaはあたりを見渡しながら考える。
先ほどジョーを手玉に取った悪戯な微笑とは逆に眼光鋭く、口元はきっと結ばれている。
(マスターたちだろう)
ジョーが答える。
(近接戦闘でいつものライフルや銃は使っていない。
俺たちも近接戦闘前提で行った方がよさそうだな)
ハマが状況と方針を提案する。
(そうね)
そう答えながらRisaはこの二人の状況把握と選択の正確さに舌を巻く。
(さすが若くしてこのチームにいるだけのことはあるわね)
暫く歩くとドアから白衣の男が現れた。
「こんにちわ」
Risaは飛び切りの笑顔で挨拶をする。ハマとジョーもぎこちなく会釈をする。
「ああ」
不精ひげを生やし髪も寝癖のついたその男はやや面食らったようにその挨拶に反応する。
「配属されたばかりで研究室がわからないの。」
Risaが続ける。
「ああ。何の研究だい」
「あ、あの極秘の研究って聞いてるから詳しくは・・・」
「ああ、ならこれを奥に進んで突き当たりのドアを入ればブースがあるよ」
男はRisaを上から下まで舐める様に見、ついで奥に控えている二人の男をチラッと見た。
「お、女の人が配属ってのは珍しいな」
「あらそう?」
「よ、よかった今度食堂で一緒に飯をたべないか」
(この手の男は勘弁、願い下げね)
Risaはぐっと男の顔に近づく。
男はそれだけで及び腰のようになった。
「ええ、今度お願いしたいわ」
そういうとさっと身を翻して男の横を通り過ぎる。
ハマとジョーもそそくさとその場を離れる。
「きっとだぞ!」
男はうれしそうに手を振ると次のドアに消えていった。
「おい、すげーな」
ハマがRisaに声をかける
「男をあしらうってのはああいう感じなのか・・・」
ジョーもひとしきり感心したようにつぶやく。
その気配を背後に感じながらRisaはくすくすと笑い出す。
「聞きだす方法はいくらでもあるわ。でもあんなに簡単な手口で引っかかるなんて・・・」
(やっぱりここで生活してるのかもしれないわね。あの反応からすると女性の研究員は珍しいみたいだから長居すると彼からばれるかも知れないわね)
ドアを開けるとそこにはマスターをはじめとした先発の3人がすでにいた。
「あら」
「よう。どうやらここがラボの入り口らしい。ブースがあるんだがそれぞれキーロックがかかっている。暗号側から無いんでは入りようが無いぞ」
いづいがテンキーボックスを見ながら吐き出す。
「ああ、この手のタイプか」
ジョーがごそごそとバックをまさぐって電卓のようなものを出す。電卓の先にはコードが着いておりカードがついていた。
「これで破れると思う」
カードをテンキーのスロットに流すとロック解除を示す緑色のLEDが点灯する。
「どうやって?」
「ああ、カードで暗号の組み合わせを瞬時に全件試すのさ。所詮9桁しかないから全件といっても知れてるけどね」
ブースのドアが開くとそこは資料が壁の書架にぎっしりとかかっている部屋が見える。
「OK,適当にピックアップして持って帰ろう。残りは焼却。」
6人はそれぞれ書架にある書類をぱらぱらとめくり、ジョーのバックに放り込む。
ついで時限C4を各所にセットする。
「OK。こんなもんだろう、次に行こうぜ」
ハマーンがいづいに声をかける。
「そうだな」
周りをぐるりと見渡していづいが答える。
「だれだ!」
声のするほうを6人がいっせいに見上げる。
書架の最上段から老人が鋭い目つきで6人を見据えている。
(やるか?)
ハマとジョーが腰裏に隠した拳銃に手をかける
(まて。)
いづいがそれを制する。
第2章 Boys and Grils 完
Old manに続く