たまたま何の気なしにライブラリの中からベームのブラームス3番を聞きました。
4楽章に至って粛然と襟を正す思いになりました。
ベームは現役の頃から派手な人気の人ではありませんでしたし、
その指揮は今や聞く人はほとんどいなくなってしまったのかもしれません。
いつも思うのですが、ベームの演奏を聴いていると、
これこそベート-ベンだ、これぞウィーンフィルの音だと思うのです。
これがベームの演奏だという印象は受けないのです。
これが才人ラトルだったらどんな曲にでもこれは俺の演奏だという刻印を打ちます。
ラトルが悪いと言ってるのではないですよ。ラトルがどう料理するか、
これはこれですごくスリリングで面白いことなのです。
しかし、ベームの場合、指揮者の影は見えてこないのです。
あるのはただ音楽のみ、
これはすごいことなんだと思います。
ブラームスの3番をきいていて、音楽が実に自然に流れてゆく。
この曲はこんなに素晴らしい音楽なんだとの想いに打たれて圧倒されました。
俺が俺がという自己顕示欲の塊のような指揮者が多い中で、
ベームの演奏はその音楽の本来有るべき姿を示してくれているように思えるのです。
もっともっと評価され大事にされてよい、そんな指揮者です。