さて長く書いておきながらやっとシャトー訪問2件目にたどりつきました。
時刻は14時30分。

ポイヤックを南下して到着したのは

Ch. Pichon Longueville Baron

格付け2級であり、しかもとてもボルドーらしい感じがするポイヤック地区のシャトーということで、まずは、ひときわ目をひく壮麗な外観にまたしてもやられます。

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これぞいかにもボルドーのシャトー。


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歩いてまずは畑に案内してくれました。


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案内人は
Nicolas Santierさん。
広報というかツーリズム担当の方だそうです。
いかにもフランス人、という顔立ちとたたずまいです。
でもとても柔らかい優しそうな方でした。

シャトー概要
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Chateau Pichon Longueville Baron
メドック格付け2級

・1694年、近くの区画を開拓したピエール・ド・ムジュール・ドゥ・ローザンのp娘テレーズが、当時ボルドーの議会長であったジャック・ドゥ・ピション・ロングヴィルと結婚。
・1850年、当時のオーナーであったバロン・ジョセフ・ドゥ・ロングヴィルが亡くなり、シャトーが二つに分かれてしまう。長男のラウールがその5分の2を一人で相続し、残りの5分の3は3人の娘が引き継ぐこととなったが既に嫁いだなどして管理が困難に
・ラウールが他界する1860年までは二つのシャトーに分割されていたものの1つのシャトーとして管理されていたが、その後正式に分裂し、ピション・ロングヴィル・バロンとピション・ロングヴィル・コンテス・ド・ラランドと2つのワインができるように。

ちなみにこの2つのシャトーの畑は今でも隣り合っている。

・1987年、アクサ保険のグループである「アクサ・ミレジム」がシャトーを買収。以降、積極的にシャトー修復、醸造設備の入れ替えなど多大な資金投入がされ現代までに評価を復活。

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・73ha
・CS60%、Me35%、CF4%、PV1%
・平均樹齢55年
・表層には砂利が堆積、地下3-4mまで。
・その下に鉄分を多く含む粘土層


・生産量
Pichon Longueville Baron 20万本
Les Tourells de Longueville 15万本
 

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カベルネ・ソーヴィニヨン。
種の周りは青みがかっていて、口に含むと意外と青りんごのようにみずみずしい。
タンニンもしっかり感じます。美味しい!


・収穫時期は科学的に決められる、職人の目と舌も重要
・奇跡は起こらない。畑のブドウ品質がすべて
・収穫は手摘みで行う。100名~110名体勢
・今年の収穫は9月25日、26日(あと約3週間後)の予定



シャトー内へ
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・現在のシャトーは1851年建立
・1987年にAXA資本となってから、資金力を活用し畑や蔵の改築が行われた。
・現在の蔵は1992年に完成


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2Fから見下ろす醸造設備


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夏場は出荷を控え、9月からすぐプリムールの販売を始める
全体の80%はプリムールで売却済み。
その売却代金で樽育成を完成させる
高品質なワインは高品質なブドウから



収穫口へ。

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最初の選果台。


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除梗機

・AXA資本投入後、最新式の醸造設備を完備
・選果作業の精密性を追求した最新機器「BUCHER」により、光レーザーで粒の濃さなどよりピュアなものを見極め行う
・人件費の削減と作業効率向上


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続いてステンレスタンクへ



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・40機あるステンレスタンクがすべて円形に配置されている
・蔵がどのように設計されるかは、家庭で言えばどういうシステムキッチンにするかどうか、そのコンセプトにより仕上がりが違う
・円の中心部分地下にはブレンド用のタンクがあり、ここからステンレスタンクまでの距離を一定に保ちワインの移動を均質最小限に留める狙いがある。
・区画のタイプ別にセレクション醸造を行う
・すべてコンピュータ制御による温度管理を行う


・地下タンクは17機、タンク内でマロラクティック発酵を行う

メモに書いてある内容がバラバラなのでまとまりのない記事だけど、、

ここから樽貯蔵庫へ。
長くなったので(2)に続く。

大満足のランチを済ませた後は車にみな再集合し、次の目的地へ。

D2街道、別名銘酒街道を北上します。


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右手にジロンド河をのぞみながら。



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確か車で停まり、少しポイヤック地区の説明を聞きました。


ポイヤックといえば、61の格付けシャトーのうち18ものシャトーが含まれていて、(しかもそれらの畑が栽培面積のほとんどを占める)、1級シャトーも3つ。
左岸でもっとも有名なアペラシオン。

そんなイメージのあるポイヤックですが、ガイドさんの説明によれば、精油や原子力発電所もあり、経済の基盤なんだとか。
さらに大西洋までわずか40kmの位置にあり、小エビの水揚げ産地でもあるそう。
潮の満ち引きが盛んで水質が美しいのだそうです。


そんなポイヤックが高品質のワインを生み出す理由は、約100万年前のギュンツ氷河期に運ばれた砂利。この砂利がポイヤックのアペラシオン全体にほぼ一様に堆積している上、砂利の堆積層が他のアペラシオンより厚いのだそう。 砂利は太陽熱を蓄積して、ブドウの成熟に貢献。ポイヤックは訪れて見るとわかるけれど比較的起伏も大きい。(サンジュリアンの印象とはそこが大きく異なった)もちろんその地形も水はけを向上させるのに寄与しています。


というわけで。
次の目的地のシャトーはポイヤックにあるのだけれど、D2街道には豪華シャトーが目白押し。ということで見学しつつ行くという行程。

このツアーでは「気になるところがあれば言ってくれれば停まります」というスタイルなのだが、「気になるところ」があるのは我々おたく二人組のみ。。
なので周りに(ほんの少しだけ)遠慮しつつ、さていくつかめぐりました。


まずはポイヤックを通り過ぎて、いったんサンテステフ地区まで北上しきってしまいます。


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サンテステフ地区に入りました。


サンテステフ。
最北の産地ということで、ボルドー市内と比べて気温が平均で1度低いそう。涼しい気候というのが第一の特徴。サンテステフの土壌は独特で、まず表土には砂利。この砂利層は、類似の砂利質土壌を持つほかのアペラシオンと比べて、すぐ下に他より多い粘土があるのが特徴。
左岸の他の地区と比べると、この粘土に向く品種であるメルローが多く植えられているのも特徴。さらに、石灰岩土壌も多く存在する。



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車はD2街道をずっと走らせていきます。
これは後で寄るMontroseのあたりかな?


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こんな風景がひたすら続きます。


このあたりはクリュ・ブルジョワ級のシャトーがたくさん。
シャトーメイネイ、シャトー フェランセギュール。


しばらくすると

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Rue de SEGUR。

そう、格付けシャトーの中では最北にあたるカロンセギュールのあたりまでやってきました。


ハートですっかりバレンタインワインかのように有名になってしまったカロンセギュールですが、18世紀、カロンセギュールと共にラフィットやラトゥールを所有していたセギュール伯爵が、「われラフィットやラトゥールをつくりしが、わが心カロンにあり」と言ったという有名な逸話が。

ハートマークはその心を表したものだといいます。



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カロンセギュールまで行ったら折り返して次はモンローズへ南下。

有名シャトーが目白押しのこのツアー。まだまだ慣れません。
ワインエキスパート取得したてで、必死に61シャトー暗記した直後というのは、人生で一番ふさわしい旅のタイミングだったように思います(笑) 

これらの写真たち、ちょっと、カロンセギュールだったか、モンローズのあたりだったかはあいまいなのですが。


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遠くに見えるはお花畑。
モン ローズでお花畑、というメモがノートに残ってました。


続いて訪れたのは
Ch. Cos d'Estournel


二級シャトー、スーパーセカンドの筆頭。
1982年にパーカーポイント100点を取得して以降、格付け一級に肉薄しているといわれ大人気のシャトーになりました。

ということでここは下車。

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おぉー
エチケットに印字されている建物そのものだ。と興奮する(我々だけ)
なんだかアジア風? こういうリッチな建物たちに見慣れてきたとはいえ、美しいたたずまいに圧倒されてしまいます。
しかもコスはポイヤックとの村境にあるのですが、すぐ隣りはラフィットを見下ろす丘の背に位置しているのが、訪れてみるとよくわかります。


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この辺りでガイドさんからメルローとカベルネの見分け方を教わるのですが、、素人には判別は難しい!


さて再びポイヤックへ戻ります。