シネヴィスさんのレポートも第三弾になります。
今回はフランスからエクレール。アメリカ風に言うとエクレア、美味しそうな名前である。
eclair ACL(ミニエクレール)
フランスエクレール社の16mmカメラ。
Angenieux Type10X12B(12-120mm F2.2) レンズがついてます。
フランスエクレール社といえばフランスを代表するシネカメラメーカー。16mmフィルム用のエクレールと35mmフィルム用のカメフレックスを作っていた。
エクレールは同時録音が可能なためドキュメンタリーや報道などで活躍した。
一方カメフレックスは映画産業で活躍した。特にフランスで起こったヌーベルバーグという新しい映画運動を支えジャンリュック・ゴダールなどに愛用されたことなどで有名である。
話をエクレールに戻す。このカメラの最大の特徴は本体向かって右側面下部についているクリスタルモーターである。これもシネヴィスのご主人に教わったのであるが、クリスタルの振動を利用したモーターで正確な回転数で駆動することが可能なのだそうだ。その代わり非常に高価な部品である。
当時同録(同時録音)の際、録音は外部のレコーダーで行われていたためモーターの回転数が不安定であると、音声が同調しないという問題があった。このモーターのもうひとつの特徴はその静粛性である。これも同録には必要不可欠な要素である。
このクリスタルモーターと取り外し可能なマガジンのおかげでエクレールは当時最高水準の16mmムービーカメラであった。NHKなどでも「NHK特集」や「ドキュメンタリー」などで10数年の長きにわたり使用された。ただ意外なのはこのカメラのマウントがCマウントということである。シネヴィスのご主人いわくArriflxなどの先行カメラの各マウントに対応するためではないかとのことだった。
そしてエクレールといえばAngenieux Zoomと言えるほどこのカメラにはAngenieuxのZoomが似合う。Cameflexの資料に単焦点レンズが多く登場するのとは対照的である。これは映画とドキュメンタリーという最終的に上映される画面サイズの違いによるレンズ選択の違いがある。それともう一つ、ドキュメンタリーはレンズ交換により発色やレンズ特性の違いが出るのを嫌うといった事情があったようです。編集ベースの映画とスピードが命の報道といったジャンルの違いに起因した差のようです。
ちなみに「エクレール」とはフランス語で「稲妻」という意味だそうです。
出典:NHK放送博物館
Special Thamks:CINE VIS8&16