アーヴィング・ペンX三宅一生 写真展に行く | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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アーヴィングペンが撮った三宅一生のファッション写真の写真展に行ってきました。
20世紀のアメリカファッション写真界の巨匠の一人です。

路上カメラマン日々是勉強中
arriflex cine-xenon25mm f1.4
アーヴィングペンはアメリカの写真家でポートレート、ファッション、スティールライフ(静物)の写真が有名です。
個人的にはスティールライフの写真家だと思っています。というのは写真のアプローチがスティールライフぽいからです。シンプルな画面構成と絶妙な構図、最小限の演出で被写体の美しさを極限まで引き出すペンの写真は世代を超えて普遍的な美しさを持っている。
今回は『ISSEI MIYAKE』の87年春夏コレクションから99年の秋冬コレクションまでの13年間の写真がテーマになっている。「Visual Dialogue(視覚的対話)」というサブタイトルにもあるように三宅一生とアーヴィングペンというクリエーターが13年間続けた『対話』を垣間見ることができる。驚きなのは13年も続けたのに作品がすべてフレッシュなところだ。いかに13年間気を抜くことなく常に新しいことに2人が挑戦し続けてきたかという事がわかる。
そして今回一番うれしかったのはペンの写真のためのラフスケッチが見れたこと。通常写真展でラフスケッチが展示されることはまずない。ラフスケッチを見れたことでペンがラフの段階からメイクやポーズなどの絵ができていることがわかった。そしてもうひとつ、ペン自身が写真の絵作りをしていたということがわかる。
通常、特に日本の場合アートディレクターが全体的な絵を作ることが多い。ひどい場合にはフォトグラファーがまだ決定する前から絵だけ決まっていることがある。日ごろからそのことに非常に違和感を持ってきてなるべくそういう撮影を避けてきた僕にとってはうれしい事実だった。さらに驚くべきことに三宅一生自身13年間撮影に立ち会ったことがないという。フォトグラファーを絶対的に信頼する三宅さんの姿勢に脱帽である。でも本当はペンの写真が完成してから見たいというファン心だったのかもしれない。持つべきものは尊敬しあえるクライアントだと思う今日この頃であった。

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arriflex cine xenon 25mm f1.4       六本木ミッドタウン 21_21 DESIGN SIGHT