453.トキメキの1970年代.レイスリー.ZERO.13 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
夏休みも終わり何故か心寂しくなる秋が近づいていた、新学期の初日だが出席を取らない授業なのでいつもの雀荘に直行だ、ドアを開けると一人の可愛い娘が「いらっしゃいませー」と声を掛けてきた、
ワタクシ「あれ、君は誰、名前は何?」


可愛い娘「へへ、いつも母がお世話さまです、娘のミユです、宜しくお願いします」
雀荘のオバチャンには二人娘がいた、長女は当時は名が知られていた美人シンガーソングライターだった、この娘は高校生の妹で姉と同じく美形だった、
ワタクシ「へー、ミユちゃんて言うんだー、お兄さんとデートしない?」と、ダニの心臓のワタクシはそんな事を言えるはずもない、奥に行くと先輩の芝さんがいつものように麻婆丼を食べながら「オウ」と声を掛けてきた、そして相変わらずクラスメートや後輩たちがヘボ麻雀を打っていた、ヘボ同士の麻雀は後ろから見ててイライラするが人柄がよく出る、必要以上に警戒心を持ったり、我慢出来なくなり打ち込んでしまったり、大した手でもないのに強気に出てみたりと打ち手の性格がそのまま出てくる、クラスメートで友人の藍場やゲロ男はいかにも人の良さを物語る打ち方だった。


確かに彼らは麻雀は下手でワタクシの敵ではなかった、ギャンブルが強い、仕事がよく出来る、株式で儲かった、金持ちだ、と世の中を機敏に動ける人がいる反面ギャンブルが弱い、お金がない、出世出来ない、という人がいる、ワタクシの友人たちはどちらかというと後者だろう、如何にも世渡りが下手な彼らは一見地味な凡人のように思えるかもしれない、だが人の価値はそんな物で決まるのではない、藍場やゲロ男、ベンキーは友人として実に誠実で嘘も言わないいい奴らだった、ワタクシは大学には遊びに行っていたようなものだったが彼らのような善人に会え友人になれただけでも価値のある時間だったと歳を取った今は感じるようになった、だが、若いワタクシは当然そんな事を考えてなどなかった、むしろ彼らより金も欲しい、いい車も欲しい、いい女も欲しい、偉くなりたい、と少しずつだが欲という物を持つようになっていった。


人間、欲を持つ事は悪い事ではないと思う、何かを得ようと頑張る事は何も問題ではない、むしろ生きていく上での目標になるだろう、だが欲深過ぎると人は変わってしまう事もある、欲に振り回され自分を見失い本来持っていた人間らしさを失ってしまう、出世したり金を得た事で自分は偉くなったと勘違いし人を見下してしまう人もいる、だが、そういった人たちは人間の本当に持っている優しさであったり、誠実であったり、お互いを助け合う心を知らずに人生を終わってしまう可哀想な人なのだろう。


幸いな事に欲深い世界に陥りそうになったワタクシはその後ドン底に落ちた時に日本人、外国人を問わず多くの人たち情を受け救われた、今でもその事は忘れないし死ぬまで忘れる事はないだろう、大学時代の友人たちは人の情や心を持ち合わせたいい連中だった、そういった人たちに出逢えたワタクシは幸せだったと言えるだろう、またまた横道にそれてしまったが、その時麻雀をやっているメンバーの中にベンキーが見当たらなかった、藍場やゲロ男に聞いたが会っていないらしい、ワタクシは嫌な予感がした、ひょっとしたら堀口の事がバレたのかもしれない、その為ワタクシに会いたくなく雀荘にも姿を現さないのではと思った、麻雀をやろうにもメンバーがいないのでワタクシは足早に学食に向かった。


学校に着き学食に入ろうとすると堀口とベンキーがテーブル越しで一緒に座っているのが目に入り思わず足が止まってしまう、「こ、これは、マズイ~」しかもベンキーは下を向いて項垂れている、まるで泣いているように手で目を押さえている、臆病者のワタクシは後退りし学食を出ようとして後ろを向くと目の前にサユリとブス友が立っていた、
サユリ「どうしたの、中に入らないの?ご飯一緒に食べようよ」」


ワタクシ「い、いや別に、た、たまには外に食べに行こうか」


サユリ「えっ、外に食べに行くの、外は高いじゃない、学食でいいよ」
言うことをなかなか聞かないサユリ、ワタクシは当然この場から一刻も立ち去りたかった、と、その時ワタクシの腕に絡み付いてきたのは堀口だった、
堀口「何してるの、レイスリー」
あってはならない場面にワタクシの背筋は凍りつく、本来ならここで‘次回に続きます,と逃げたいところだが予定の文字数まで後1000文字ある、従って最近ノリノリの関西有名ブロガーさんが流行らせた「ドスル!?」をパクらせて頂こうと思う。


一般の方向けに説明させて頂くと「どうする?」と日本人なら言うのだが「ドスル?」と言うフィリピーナが多い、.......ただ単にそれだけだが実際にフィリピーナの発音が自然省略形でよく使われている言葉でフィリピーナをよく知っている方々なら直ぐピンとなるのだ、因みにワタクシの嫁さんも「ド.スル?」(普段)「ドスル~?」(お願いの時)「ドースル?」(強気の時)の3段活用をその時の感情によって使い分けている、さて、この時ワタクシはまさに「ドスル?」の状態だった、さらにトボトボとベンキーまでやって来た「レ、レイスリー、何してるんだ?」3人プラスブス友に囲まれた焦りまくるワタクシ、ちょうど文字数も埋まってきたのでここいらへんで....



次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠にありがとうございます。