454.トキメキの1970年代.レイスリー.ZERO.14 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
修羅場、個人的には修羅場より濡れ場の方が大好きなのだが~、奇しくもワタクシを中心とした恋人で後輩のサユリ、クラスメートの浮気相手の堀口、そして堀口の汚物を食べてもいいという程に惚れている親友のベンキーという四角関係の当事者が学食で出揃ってしまった、と、言ってもワタクシが変な行為をしなければこうなる事はなかったのだが、ワタクシの‘悲しき下半身,は簡単には心の声を聴いてはくれないのだ、その為にこの先も度々、いやいや時々だが修羅場になることがあったのだった。



さて、この逃げ出したくなる修羅場、ワタクシは短い時間で走馬灯が流れるが如く考えた、一人一人ならば謝りつくしその場を収める事が可能だ、しかし相手はそれぞれ立場の違う3人だ、土下座も一瞬浮かんだものの大勢の人がいる学食でそこまでする程ワタクシも人間が出来ていなかった、それに3人にそれぞれその関係が完全にバレたわけではない、兎に角この場をどうにかすればいいとの考えに至った、そして
ワタクシ「オッ、あんなところにエルトン.ジョンが歩いてるぞ」と指を指した


条件反射、当時人気絶頂期で皆が知っているエルトン.ジョンの名前を出し、アッチ.ムイテ.ホイの方則を利用した事で3人プラスブス友は指を指した方向を見る、そしてその隙を逃さずワタクシはトップギアの高速スキップで猛ダッシュを駆けた、多分この時100mを9.5秒位で駆けた気がした、ワタクシはジェームス.ボンドが言った「三十六計逃げるに如かず」を実行に移した、学校の出口も一気に駆け抜け雀荘までどうにかたどり着いた。


「やっぱり‘逃げるが勝ち,だな~、これは毛沢東の言葉だったかな?」と言いながら雀荘で一服するワタクシ、クラスメートが1人抜けたのでゲロ男や藍場の卓で始めるとしばらくしてベンキーが入ってきた、
ベンキー「レイスリー、さっきどうしたの?」


ワタクシ「いや、大事な物忘れちゃってさ、それより学食で堀口と一緒だったけどベンキーこそどうしたの?」
ワタクシの質問にベンキーは下を向いて小声で
ベンキー「だ、駄目だったんだよ」


藍場「えっ、フラれたの?、やっぱり」


ワタクシ「そうか、そうだよな、堀口はまあまあ可愛いし男の50人や100人位いても不思議はないよな、ベンキーじゃ無理だろう」


ベンキー「ヒド~イ、皆ヒドイよ、こんな時くらい優しくしてよー!」
ベンキーはいい奴だ、優しくてパシリもしてくれる、麻雀ではワタクシに連戦連敗で毎月お小遣いをくれる、そんなベンキーを裏切ったワタクシはとんでもない男だ、この時罪の重さに心が痛かった、(イヤ、本当に~)。

若い時は「こんな嫌な大人にはなりたくない、」と思いながら実際に社会に出て経験を積み重ねていく過程でいつの間にかズルい大人になってしまった自分がいるのを実感してしまう時がある、一度、人に嘘をついたり騙してしまったりが上手くいくとそれが当たり前のようになっていく、更に人は嘘は言うが自分に嘘をつかれるのは嫌な生き物だ、例えがまたフィリピーナになってしまうが彼女たちは生きていくために嘘を言う、いやフィリピーナに限らず人は生きるために嘘をつく、お金の為、恋の為、見栄の為、フィリピーナたちや水商売で働く外国人たちはファミリーや暮らしの為にお金を稼ぎに来ているのでまだ許されるかもしれない、恋の為、これはワタクシも長い間多くの嘘を突きまくった、家の外での不倫で前の嫁、母親たちにいつも嘘を言い続けた。


「浮気は男の甲斐性だ」と言って逃げたいところだが、実際は自分の我が儘でしかない、ワタクシは正直に言って人様より多少多めの浮気をしてしまった、自分として浮気ではなくいつの間にか本気の恋になってしまった時もあり、次から次に女性を取っ替え引っ替えの時もあった、ワタクシに取っては女性と付き合う事は登山家が山を征服していくのに似た行為だった、登山家の方や女性の方々からは怒られるかもしれないが、一つの美しい山を登ってみれば他にも美しい山があったので違う美しい山にも登ってみたくなった、これは征服欲というものかもしれない、達成感と征服欲の繰り返しをワタクシは行っていた、歳と共に欲というものが薄れ違う感情が生まれてきたが若い時は欲というものを抑えきれずに嘘を突き通してしまった愚かなワタクシだった。


だが若い時はそんなものだと思う、ワタクシ自身は極端だったかもしれないが人間は欲にまみれつきたくもない嘘をつく事がある、何故?それが人間というものだからだろう、もちろん生まれてから一度も嘘などついた事もない方もいらっしゃたり、全うな人生を生きてきた方も多くいらっしゃるかもしれないが逆にそういう人間たちがいて実は心の中では「これではいけない」と戦い少しは苦しんでいるのだ、少なくともワタクシは浮気をしたり嘘をつく事で苦しんできた、ワタクシと同様に今も苦しんでいらっしゃる方は大勢いるだろう、その方たちもどこかで線引きする日が必ず訪れる、そしてケリをつけるのは自分しかいないのだ。


ベンキーは堀口に振られていた、ワタクシがいようがいまいが振られたかもしれない、だが親友の好きだった女性に横恋慕した事で心は痛かった、そんなワタクシもどうにか大学3年になっていた、サユリと堀口とはまあまあ巧く付き合っていたが3年になった初登校日に意外な事が待ち受けていたのだった。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして誠にありがとうございます。