452.トキメキの1970年代.レイスリー.ZERO.12 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシはボクシングで視力が大幅に低下していた、その為に当時流行り始めていたコンタクトレンズを購入し装着していたのだが海では風と砂が目に入る為にいつも外していた為よく見えない状態だ、この時大川らしい男と二人のビキニを着た女性がこちらに来るのがわかった、「さすが大川、見事に釣り上げたか~」とほくそ笑んでいた、一歩二歩と近づいて女性たちの輪郭が次第にはっきりしてくる、それはまるで「アラビアのローレンス」でピーター.オトゥールが従者を助け砂漠の陽炎からラクダに乗って姿を現すところを仲間たちが見ていて狂喜するシーンに似ていた、そして大川が岡釣りで釣り上げてきた最初の獲物、それは..................まさかのスルメとドブネズミだった、一人は顔は普通だが体は痩せていてオウトツのないスタイルで、まるで干からびたスルメのような娘、もう一人は前歯が二本ニョッキリと飛び出た‘ゲゲゲの鬼太郎,のネズミ男を女にしたような娘だった、海だというのにスルメはともかくネズミがいるとは、この二人を見てワタクシの楽しいはずの1日は音を立てて崩れ去り「オー.マイ.ガアッ~!!!
」っと、ガックリとうなだれてしまった。



これから先にワタクシと大川はディスコと海に何度も繰り出すのだが、この大川のナンパする相手はブスが多かった、それは何故か?男は自分の気に入ったタイプの美人を探しだし、どうにかしたいとナンパするのが普通の男の行動だろう、だが美人はプライドが高く扱いずらい場合が多くライバルも大勢いる、それよりもA.B.CのCの下(ゲ)の女性を狙った方が成功率はずっと高い、Cの下(ゲ)の女性はこれまでナンパなんかされた事がないので簡単にホイホイついて来るケースが多いのだ。

やはり現役早稲田大学生は考えが違う、「断られる可能性の高い女より引っ掛かる可能性の高い女を狙う」これは確率の問題なのだ、50代のオッサンが20代のピチピチ.フィリピーナを狙うよりも30.40代の指名が全くない人生の辛さを知ったボテボテ.フィリピーナを狙った方が落とせる確率が高いのと同じ理屈だ、だが超が付くくらいの面食いのワタクシとしてはメザシとネズミは受け入れられない、従ってこの二人の事は一切無視して家から持ってきたラジカセでビリー.ジョーの「ストレンジャー」を聞きながら体を焼く事に専念した。


隣では大川がEの下のスルメ女とチュー子に囲まれてご機嫌のようだった、するとチュー子が「皆で海入ろう~、ねえ、あなたも行こうよ」と言ってきたが、当然のように無視しているワタクシに「チュー、チュー、チュー」とネズミ語でしつこく話してくる、「テメエ、さっきからチュー、チュー、うるさいんだよー、お前らだけで言ってこ~い!!!」と心の中で叫びながらチュー子を睨み付けようと横になっていた体を起こそうとすると、フッとチュー子の乳(ちち)の方に目がいってしまったワタクシ、「あら~、意外といい乳(チチ)してるのね、チュー子さ~ん」と再び心の中で今度は呟いた。


顔を取るか、乳を取るか、ここが海でなくお花畑ならワタクシは「顔か、乳か、顔か、乳か、顔か、乳か、顔か、乳か、乳か、チ、チチか~~!!」と花占いしたかもしれない、だが残念ながら花はなくふらつく気持ちと前を押さえた、乳の誘惑に打ち勝つのはワタクシの理性を持ってしても白鵬に相撲で勝つと同じくらいに困難だ、だがワタクシは視線を海の方向にやり「海は広いな、大きいな~」と冷静になろうとして再びチュー子の顔を見るとニョキリした歯を突きだしニヤリと笑うチュー子の半端のないブス顔が目に入りそこで完全に我に返ったのだった、どうにかワタクシの理性が勝った瞬間だったが、もしチュー子が乳バンドを着けていなかったならばワタクシは間違いなく理性が負けた事をここに付け加えておきたい。

そして夕方になり大川とワタクシは両ブスを横浜の駅まで送っていった、そして大川はスルメの電話番号をゲットして別の日に再び会い、その日の内にホテルでスルメを食べたらしい、しかし何故かワタクシは全く羨ましくなかった、今でも付き合いのある大川だが彼の好きなタイプが未だに解らない、頭もよく、人に気を使い、当たりもよく人に好かれる性格の彼だが下の人格は全くの別ものだという事だろうか、いやいや、実はワタクシも同じなので人の事は言えないが、男の持つ女性を抱きたいという本能が理性を凌駕してしまう場合は相手が美人だろうがブスだろうが全く関係なくなってしまう。


ワタクシも初めて行ったフィリピンでカエル顔のケロ子という女性と夜を過ごしてしまったが、女性に対してド面食いのワタクシがお世辞にも美人と言えないケロ子と二晩も一事を構えてしまうのは下半身が別の人格を持っていたからに他ならないと思っている、もちろんケロ子には事が終わった後はサッサと帰ってもらった、朝になり目覚めた時に横にカエル顔のケロ子に「ゲロ、ゲロ(オハヨウ)」と言われる事を想像するだけでゾッとしてしまうからだ。


またまた横道にそれてしまったが、海に行った数日後にワタクシは渋谷の道玄坂のモーテルにいた、相手は後輩のサユリだ、顔は可愛く性格も従順な彼女、夏休みが終わるとベンキーや堀川と会う事になる、全てはワタクシが悪いのは解っている、このままバレるまで成り行きに任せるか、それともサユリか堀川に「ご免なさい」をするのかワタクシは悩んだ、
ワタクシ「サユリ、いつも一緒にいて楽しいか?」


サユリ「......レイスリー、ひょっとしたら他に女が出来たんじゃないの?」


ワタクシ「えっ、そ、そんな事はないよ」
つい余計な事を言い地雷を踏んでしまったワタクシ、女性の勘は鋭いのだ、男のちょっとした言葉や仕草で何かを感じ取ってしまう、どうにかこの場は笑って誤魔化したがサユリに疑いの気持ちを抱かせたかもしれない、そして、夏休みも終わりワタクシに取って辛い時が訪れようとしていた。


次回に続きます、いつもご訪問いただき心より御礼申し上げます。