417.大地に咲く花.2部.1 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシ、リカコママ、ミユキ、ナオコはアリサの話を聞いて無言だった、(この時に聞いた話はかなり省略したものでワタクシがこの後に何度かアリサに会った時に話を聞いた話が第1部の内容なのです)



家族は離散し人間とは思えない叔父の酷い仕打ち、そして人身売買の組織にタイに売られ売春を強制された、再び借金を背負い日本にやって来たアリサ、だが彼女の話に実際に衝撃を受けたのは日本人のワタクシだけだった、ここにいるリカコママ、ミユキ、ナオコのタイ人の3人だけでなく店にいる女性たちも皆、多少は違ってはいるもののアリサと同様な経験をしているのだから彼女に同情はするものの驚く事はなかったのでした。


彼女たちはタイだけでなく「欧州にもそんな国があったんだ」彼女たちの受け止め方はそんな感じでした、確かにワタクシの過去の恋人には売春をおこなっていたタイ人が3人ほどいて彼女たちからは人身売買の事は嫌というほど聞かされていたのだが、彼女たちからすると騙される事や売られる事は悲惨だが売春は貧しさから脱出する手段の一つで「しょうがないでしょう」という事が生まれて育っていく中の概念となっている。


売春を反対する方はたくさんいらっしゃると思うが彼女たちからすると売春が出来なくなると家族たちは食べれなくなり、病院にも行けない、「ワタシたちに死ね」と言っているに過ぎない、もし売春を根絶するには売春が当たり前に行われている国に行き貧しい人たちにお金を与えるか仕事を与え売春をしなくても暮らせるようにするしかない、そうするにはその国の構造を変えたり新しい産業を起こす事だが実際はかなり難しいだろう、日本人がフィリピンやタイで仕事を始め現地の人を雇用する事は賞賛に値するのは少しでも貧しい人を救う事になるからだ。


例え日本のようにその国が経済発展しても競争に負けた国が貧しくなり売春する女性が増えるかもしれない、結局、全世界がキューバのような社会主義国家になれば取り敢えずは売春は少なくなりそうだが、自由経済の世界では富む人は富み貧しい人は貧しく成り上がるには簡単ではない世界だ、従って誰がどう訴えても売春はなく無くならないのだろう。


結局、この日はアリサに客は付かなかった、やはりタイ人を目的で来ている客にはモルドバなどという聞いた事もない国の女性は無理だったのだろうか、いや違っていた、この娘には全く笑顔がないのだ、タイの女性はフィリピーナと同様に明るい性格だ、過去に何があっても笑顔を忘れない、しかしアリサは笑うものの完全な作り笑いなのが客にもわかってしまうのだ、一晩だけの恋人に3万5千円というお金を払うのに客は女の娘に気を使いたくなく暗い娘は敬遠される、過去のアリサの出来事がこの娘を笑顔のない娘にしているのだろうが、それではこの日本で仕事をするのは難しい。

タイでやってこれたのはアリサが子供であり、客は子供の体を求めて来る連中だったからだ、後藤のように飲みにだけやって来る男はほとんどいない、日本では客層が違っていた、果たして日本でやっていけるのか一番心配したのはリカコママだった、それはそうだろう彼女は250万円をアリサに投資して400万円を出来るだけ早く回収したいのだから、リカコママがワタクシに向かって口を開いた。


リカコママ「レイスリーサン、オカネ ダスカラ アリサ二 イロイロ オシアゲテクレナイ」


ワタクシ「へっ、教えるって、あんな事やこんな事をホテルで教えるのかな?」


リカコママ「ソウヨ、オネガイ」


ワタクシ「いや、ちょっと待ってよ、それはちょっと無理だよ」

「何言ってんだよ、ホテル代も出してくれそうなのにサッサッと行けよ!」「行ったらんかい、ボケッ」という声が聞こえてきそうだが、そういう方は第1部の3話をもう一度お読み下さい、ワタクシは実はナオコという巨乳の古株に食事を誘われているのです、食事に行けば当然それだけでは終わらないはずです、この時ワタクシの頭の中ではカンピューターがどっちがお得か計算をしていたのでした。


そして、その答えは「やっぱり、無理だよママ」と断ったのでした、そしてワタクシは店が終わりナオコとコッソリとタイ料理を食べに行き予想通りホテルに向かったのでした、そしてこりまた予想通りこんな事やあんな事をしたのです、当然、全てナオコ持ちなのは言うまでもありません、ナオコはワタクシの過去の彼女たちとは違い、賢く優しい女性でした、ただこの頃のワタクシは恋人を作る気がなく、ナオコに対しても同じです、いつもノープランの根なし草でその日その日を生きていたのでした。


ナオコ「レイスリーサン、アリサワ ヤッテ イケルカナ?」


レイスリー「マイ トン ペン フーワン(心配ないよ)、若いから直ぐなれるよ」


ナオコ「ソウダヨネー」
ホテルのベッドの中で二人はアリサを何故か気にする二人でした、それから2ヵ月たったある日、ミユキから電話があったのでした。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして心より御礼申し上げます。