410.大地に咲く花.9 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
アリサはイリーナに「一体いつまで此処にいるの?」と訪ねると
イリーナ「16歳までよ、或いは借金を返すまでよ」


アリサ「どうして16歳までなの?借金を返すってどういう事?」


イリーナ「ここは16歳以下の娘しか置かないの、16歳を過ぎたら別の場所で働かされるのよ」


アリサ「じゃあ、借金って?」


イリーナ「あなたは売られてきたでしょう、その金額プラスアルファを組織に払い終わったら自由になれるわ、私達」
借金を払い終わったら自由になる、アリサは此処に来るまでどうなるのかを心配したが、自由になると聞いて希望が沸いてきて少し気が楽になった、とはいえ叔父がいくらでモルドバの組織に売りトルコの組織がタイの組織に売られたのか判らないアリサだから借金が一体幾らあるのかサッパリ見当もつかなかった。


イリーナ「私の時は2年前で7万ドルだから、あなたも同じくらいだと思うわ」


アリサ「7万ドルって?」7万ドルと言われてもその金額が多いのか少ないのかそれすらも判らない、しかし「借金を返せば自由になる」この言葉を信じ自分がこれから生きていく唯一の心の礎としてアリサは前に進もうと思った。


そして夜が近づいてきた、食事はライスに目玉焼きにタイソーセージ、久しぶりの家庭料理を味わった、その後に女の娘たちは順繰りにシャワーを入り化粧を始めた、皆の化粧をする姿を茫然として見ているだけのアリサに気が付いたイリーナが手伝って化粧してくれた、もちろん来たその夜から仕事だ、しかも自分の体を売らなければならない、甘えは許されない職場だった。


皆が全裸になり下着なしの体にチャイナ服を着始めた、どうやらこれが制服らしいアリサも着替えると笑顔の男と5人の男たちが2階に上がってきた、「さあ、行くぞ」と言うと皆がゾロゾロと男たちに囲まれて家を出て行き屋敷に向かった、屋敷に入り2階に上がって行くと大きな部屋があった、女の娘たちはその横の部屋で客が来るまで待機するらしい、30分もすると3人連れのタイ人がやって来た、常連らしく女ボスの‘ピー.ユッ,が先ほど会った時とは違いニコニコしながら客たちと話した後に控え室にやって来た、‘ピー.ユッ,は今度はニコリともせずに指を指し3人の女の娘を連れていった。


女の娘はロシア人とウクライナ人だった、この3人はご贔屓さんでイリーナの話だとタイの官僚の上の人間らしい、この高級の児童売春宿にはやって来る客はタイ人も外国人も其れなりに金も持っている、そしてある程度の地位に就いている人間たちだ、しかし身分が高いとか金が有るというのは彼らの性癖とは全くの別物だ、ワタクシは以前タイ人の売春をやっていた恋人と複数付き合っていた時に話を聞いたが店に来た白人たちは普通の性行動では満足出来ないらしい、アブノーマルなSEXを求めてやって来る欲望の塊なのだ、普段の鬱憤を店に来て発散していくのだから女の娘たちは堪ったものではない。


そこには日本でフィリピンパブやタイパブなど外国人のがいる店に行って接する時の日本人などは彼女たちから見ると優しく思いやりがあると同時に客としては甘い男に思えてしまう、それに比べればこの店に来る連中のように金さえ出せば何でも出来ると思っている野獣のような連中が世の中にはいる、ドラッグを使いすぎ女の娘がそのまま死んでしまう事もある、場末の店ではよく有る事らしいがその時は組織が客からそれ相当の金額を取るらしい。


この店は高級という事で其れなりに厳しくしているようでアリサに取ってはラッキーだった、とは言えアリサは12歳、客を取るには余りに若すぎた、もちろんタイでも児童売春は禁止されており取り締まりの対象になっているが、厳しくなってきたのはここ5.6年の事で20年前はその限りではない、12歳といえども仕事が出来ない人間には組織は容赦がない。


時間が経つに連れて客が次々と来始めたようで、控え室の女の娘も一人減り二人減りして来た、そして、その時がやってきた‘ピー.ユッ,が来て「こちらに来いと手招きしている、いよいよアリサにデビューの時がやってきた。



次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠に有り難う御座います。