367.褐色の花嫁.32 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシが帰ると姉と母親がテーブルに座ってお茶を飲んでいました、丁度いいとジョイの話を始めました。



ワタクシ「今度さあ、結婚するんだよ」


姉「えっ、誰と結婚するの?」


ワタクシ「フィリピンの女の娘だよ」


姉「あんた!何言ってるのよ、フィリピン人なんかと結婚だなんて!!」

ワタクシ「どういう事、フィリピン人なんかって!」
ワタクシはこの頭ごなしのフィリピン人を軽蔑する言葉を吐く姉に血が頭に昇りました、しかし努めて冷静に話て誤解を解こうと話しました、だがお互いに語気が強まっていきます、「あの連中は避妊も何にもしないでボコボコ生むんだから」「悪い事ばっかりしてるんだから」何らフィリピン人と接点のない姉はさも知ってるような事を並びたてました、そしてその話の中でアジア人全般が姉の頭の中では認められないのが解ってきました。


人種差別主義者、ワタクシの頭に浮かんだ言葉がこれでした、ワタクシが結婚しようとするジョイの家柄も本人の人格も姉には関係ないのです、フィリピン人である事だけで否定しまう、嫌悪感を抱いてしまっているのです、ワタクシは「自分を何様だと思ってるの?」と言っても姉の心には届きません、二人の間に入って母親はオロオロし「結婚しないから大丈夫だよ、言ってるだけだから」と姉の言っている事に同調し始めました。


姉は埒が明かないと思ったのか大阪にいる長男に電話しました、長男も姉と同意見で強く反対してきました、二人ともにワタクシが騙されていると思っている口振りなのです、ワタクシは馬鹿らしくなってきました、57歳の大して金のないオッサンを騙したところでたがが知れてるだろ、それよりも普段殆ど行き来のない兄弟がこんな時だけ何を言ってるのとワタクシは思いました。


前に申し上げましたが、今の母親の子供はワタクシ1人なのですが、母親は立派に他の兄弟を育て上げました、しかし、自分たちの父親が痴呆症になった時から亡くなるまで援助は何もありませんでした、いや、お金の事を言っているのではないのです、要は心や情の問題です、父親の面倒を見てもらっていたというのに「有り難う」の言葉ひとつワタクシの家族に掛けなかった。


長男は電話を切った後にファックスで10枚以上のネットで拾ったフィリピーナに騙された男の記事、イミテーション結婚の記事等を送ってきました、ワタクシはチラリと見た後全てをゴミ箱に捨てました、こんな記事を書いた人達より20年以上も錦糸町にいて外国人やそれに絡む日本人たちを見てきて裏も表も実際に見てきたワタクシにこんなものを送りつけても意味がない事を姉も長男も知らないのです。


人は知らない事があると恐れ近づかない人と興味津々になる人の二通りに別れますが前者はワタクシの兄弟たちでワタクシは後者でしょう、怖いもの見たさの少数派なのかもしれません、そしてその性格故に平穏な生活を送っている人達から見たら異端視されてしまう、ワタクシ自身この時まで気づきもしませんでした。


ワタクシは男女、良し悪しを問わずに外国人たちと色々接し、人に対しての見方や考え方に触れ皆同じ人間だという気持ちに変わっていったのですが、実際の日本人の考え方はワタクシの考え方とは違っているのです、これでは兄弟達といつまでたっても平行線をたどるしかないだろうと考えました。


姉も「もし、フィリピン人と結婚するなら縁を切る」と言って帰って行きました、母親も「しばらくその話は出さないでくれ」と言いましたがワタクシはジョイを呼び寄せる準備に入りました、そこにメールが入って来たのでした、次男からでした。



次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠にありがとうございます。