348.褐色の花嫁.13 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
その日1人の男性が会社に会長を訪ねて来ました、その人は食料品の大手の前社長でプロ野球の球団オーナーでもある人なのでした。



この人が社長時代に世間を騒がせた大きな事件が起こり責任を取り社長を辞職し子会社の社長になったのです、この会社は元々、創業者の一族企業だったのが一族に次ぐものがおらず、この方の部下が社長に就任、院政を引くはずが部下の離反にあっていた最中だったのです、とはいえ球団のオーナーでありグループには影響力は残していた時期だったのです。


その人が何故吹けば飛ぶような中小企業にやって来たか、実は会長は杖をつき変更メガネで派手派手ネクタイと実に怪しい人なのです、街中でワタクシと一緒に歩く時は街の人達が皆避けていくのです、更に混雑しているコーヒーショップで「会長」と聞こえるように言うと回りの人達は立ち上がっていなくなってしまうのです、この会長は見掛けだけでなく口もたつのです、この人も波乱万丈な人生を送っていただけに口八丁手八丁の人である意味カリスマ宗教家のような感じがある人なのでした。


こんな大物詐欺師的な会長の言葉に誘われるように大会社の前社長はやって来たのでした、会長の狙いは資金提供してもらうという物だったのですが、今やグループ会社の社長になってしまってはそれほど力がない事に会長も気づいていなかったのです、しかし、ひょっとしたら再び社長に返り咲く可能性もあり、この人を大事にしていく事になったのですが、窓口になったのが仕事に少しなれてきた会長の娘だったのでした。


しかし、これが会社を割ってしまう原因になったのでした、大会社の前社長は資金の代わりにグループ会社のお偉いさんたちを紹介してきました、その対応は娘です、そして経営コンサルタントも送りこんできたのでした、娘はこの経営コンサルタントとマンツーマンで会社の経営に関わるようになっていったのです。

その頃、フィリピンのレイアにも動きがありました、ワタクシは以前より送金のお金に頼るだけではなく、少しでも働くように言っていたのですが、彼女はドバイに出稼ぎに行くと言い始めました、ドバイと聞いて不安がよぎりました、アラブ首長国連邦の一つで観光地で知られる国ですが、余りに日本から離れ過ぎているのです。


フィリピンからの出稼ぎ組も多い国でレイアはホテルのショップで働くらしいのです、夜の仕事でないだけましなのですが、不安を抱えながら同意せざる得ませんでした、何よりワタクシの送金はドバイで働く間はいらないと言うのですから、承知せざる得ません、しかしワタクシのいい予感は当たらないものの嫌な予感は当たってしまうのでした。


ドバイに着いたレイアから早速電話なのですが、お金がなくてご飯が食べられないと言うのです、開いた口が塞がりません、普通の感覚なら初めて行く国に少し余分にお金を持って行こうと考えるのですが、甘い考えのフィリピーナ、どうにかなるだろうとノーマネーでドバイまで行くとは大物です。


早速、会社の裏にある銀行に行きドバイまでの送金の手続きをしますが、もちろんドバイに送金するのは初めてのワタクシです、ここで知ったのはドバイへの送金は支店はいらない、指定した銀行に送ればどこでもドバイでは受け取れる、そして急ぎの送金料は馬鹿高いということです、2万円を送るのに8千円近く取られアホらしくなってしまいました、どうしてフィリピンにいる間に言ってくれれば簡単に済んだのに「あー、いやになっちゃう」と何も考えないフィリピーナと付き合った事を嘆くワタクシがいるのでした。



次回に続きます、いつもご覧頂きまして誠に有り難うございます。