347.褐色の花嫁.12 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
今書いているのは6年ほど前のお話なのですが、インターネットが爆発的に伸びていた時代でもあります、その日ワタクシがたまたまいくつかのワードで検索していると引っ掛かったのが何とアンドレアちゃんの記事だったのです。



そこにはアンドレアちゃんの誹謗中傷が書かれていました、記事を書いた人は初めて錦糸町に行き適当に店に入り、ついたアンドレアちゃんを気に入り指名、更にアンドレアちゃんのオネダリで一緒に働いている妹と従姉を場内指名、更に一時間延長し店に3万円ぼられたとネットにアップされていたのです、実はワタクシはこの店に何度も行っているのですが、2万以上払う事は稀でした。


この街では国際クラブはフィリピンパブより基本的に少し高めの設定になっているところが多く、システムもワンセットが終わると飲み直しとなり基本料金も指名料金もダブルになるのでワタクシはいつもワンセットで帰るのですが、システムを知らなければボラレタと感じてしまう人がいても不思議ではないでしょう。


これがネットの怖いところでしょう、この人はシステムを知っていればネットにアップする事もなかったかもしれません、初めての店に入る時はワタクシのような貧乏人は必ず確認しワンセットが終わった時に料金の確認をいれるのが当たり前と思っています、そういう事をせずただ悪い女だと相手の事も考えずに断言しネットに載せてしまう人もいるのです、もちろんアンドレアちゃんには実害はありませんでしたが、本意でなくともネットも時には人の心も傷つけてしまう事があるのです、顔が見えないネットの世界だけにワタクシも含めて気をつけなければならないと思うのでした。


ワタクシはこの頃フィリピンパブに行くものの本当の意味でのお気に入りに出会う事はありませんでした、タレント時代が過ぎてアルバイトだけの店には物足りない何かがあったのかもしれません、ワタクシと同様な人が多かったのか人通りはまばらです、ドスケベ大王の先生も全く店には行かなくなり合コンで知り合った日本人の女性と結婚してしまいました、ワタクシは久しぶりにシニガンが食べたくなり、パチンコや競馬仲間だったボラボラと言うフィリピンレストランに行きました、
ワタクシ「マスター、元気?」


マスター「あっ、レイスリーさん、いやー、駄目ですねー」
マスターの話だとタレントがいなくなってからは売り上げが5分の1に落ち、おまけにフィリピン人の料理人に売り上げ金を持ち逃げされてしまい、内装業の元請けの仕事を始めたらしいのです、慣れない仕事はこの人のいいマスターでは無理ではと思っていました、そして1ヶ月後に再び訪問してみると案の定仕事をくれた先からの入金はなくマスターは途方に暮れていました。


いい時にフィリピンに買った家を売りに出したようなのですが、結局マスターとフィリピーナの気のいい奥さんも錦糸町から消えてしまいました、消える前に共通の友人の先生からも3万円借金をしてのトンヅラです、高橋ジョージに似た優しい人でしたが優しさや人を簡単に信じてしまう性格が自分を追い込んでしまったのかもしれません、世の中の移り変わりを生きていくのには優しさだけでは生きていけない、マスターが今どこにいるかわかりません、或いはフィリピンにいるのかもしれません、しかし、何処にいても元気で前向きに生きて欲しい、そして人懐っこい笑顔を見せていたマスターを覚えている男がここにいる事を忘れないでもらいたいのです。



次回に続きます、いつもご覧頂きまして心より御礼申し上げます。