338.褐色の花嫁.3 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
虎ノ門の会社に採用され久々に満員電車に揺られたワタクシ、始めは1ヶ月の営業の研修となったのでした。



商品は健康食品、営業マンは5人、毎日違う営業マンと違う客先を歩くのですが廻る先はスーパー、ドラッグ、店舗のある調剤薬局、自然食の店、スポーツジムなどで幅広く売られているのですが、ほとんどが問屋を通して販売されていました、しかし各営業マンと歩いてみて皆「これは駄目だ」という連中ばかりです、昼間から平気で酒を飲む営業マン、客の言う事を全く理解していない営業マン、ワタクシを置き去りにしてどこかに消えてしまう営業マン、これでは売り上げは上がらないのは見えています。


入社、1ヶ月後でワタクシは部長になりました、会長からは社長になったつもりでやってほしいと頼まれました、しかし、この会社に入ってからは月に2日も休めればいい日々が続く事になりました、当然休みがなければ当然フィリピンには行けませんが錦糸町には行けます、数ヶ月振りに仕事帰りに錦糸町に足が向かい取り敢えずはカプセルホテルに歩いていると前からアリがやって来ました。


アリ「シャチョウ ヒサシブリネー、ドウシテタノ?」


ワタクシ「いやー、久しぶりだなアリ、あれ、小さいくなったか」


アリ「ナニ イッテルノ、マエト カワラナイヨ!」

ワタクシ「あれ、前の客引きの場所と違うなー、どうしてここにいるの?」


アリ「シャチョウ、ワタシ イマ ジブンノ ミセ アルヨ」


ワタクシ「えーっ、凄いじゃない、アリも社長か」


アリ「ネエ、チョットミセ キテヨ」


ワタクシ「どこの国の娘がいるの?」


アリ「ロシア、ウクライナ、ルーマニア、フィリピン」


ワタクシ「ホッホー、そうか、じゃあ風呂に入ってから来るから」


アリ「ワカッタ シャチョウ マッテルカラネ」
アリと別れカプセルホテルで風呂と食事を済ませ、早速アリに電話を入れ迎えに来てもらい店に入って行くとそこには何と以前ワタクシがマクドナルドの前で一目惚れした、ルーマニア人のアンドリアちゃんがいるではありませんか、
アンドリアちゃん「レイスリーサン、ドウシテ ワカッタノ コノミセ?」
偶然とは言えかつて一目惚れしたアンドリアちゃんがまさかアリの店にいるとは思いもよらない事でした。


ワタクシ「アンドリアちゃん、日本に来てたのに電話もくれないなんて冷たいなー」


アンドリア「ニホン キタバッカリダカラ」


ワタクシ「本当かな~」

アンドリア「ホントウヨ、コンド オミアゲ ワタスカラ」


ワタクシ「お土産なんかいらないよ、アンドリアちゃんが側にいてくれれば何もいらないよ」


アンドリアちゃん「アナタ クチ ウマイナー」


ワタクシ「本当だよ、心からアンドリアちゃんの事思ってるんだよ」
臭い言葉を平気で並べる特技を持つワタクシです、ダメ元で次から次にアンドリアちゃんを持ち上げ押しました、しかし、彼女は猫のような女性でした、ニコニコ寄って来たかと思うとクルリと違う方向いてしまう、そしてまたこちらを向いて「ニャー」と鳴きスタスタと行ってしまう、ワタクシはそんな女性に弱かったのです、手が簡単に届く女性より届きそうでなかなか届かない、それが女性を追いかける男の本能なのかもしれません。

長い仲のアリの店とはいえこの手の店はワンセットでもお値段がソコソコしますチェックして退散です、20メートルほど歩くとビルの下にポスターが
ワタクシ「なになに、タレント来日中、えっ、まだいるのか~タレント!」


その時エレベーターで見知った男が降りてきたのでした。



次回に続きます、いつものご訪問心より御礼申し上げます。