327.始まりはいつも雪.最終話、改訂版(38) | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
カマ太郎が去り、やっとレイアと二人になりほっと一息つく事が出来ました、とっ、余り悠長なことは言ってられないのです。



日付は夜の0時を回り、もはや今日の昼にはワタクシは日本に帰らなければなりません、大急ぎでシャワーをして二人は健やかに眠るのでありました、勿論やる事は済ませた抜かりのないワタクシで御座います。


朝、起きて部屋でフレンチトーストを口に運ぶワタクシです、
「やっぱり、もう少し....もう少しいたいなぁ、レイアと一緒にフィリピン」と独り言を言います、4度目の渡比でやっと人並みの旅をしたような気がしました、最後の日はいつも感傷的になるのですがこの日は特におかしいワタクシでした。


帰れば仕事がまっている、仕事をしなければ借金返しも遊びも出来ません、そしてレイアへの仕送りも出来ないのです、レイアには3.4か月後には「また来るよ」とは言ってみたものの、実際には今度はいつフィリピンにこれるか全く見通しがたっていないワタクシなのでした。


ワタクシ「レイア、顔を良く見せてくれる」レイアの顔を除き込むワタクシです、「目が可愛いんだよな、レイアは」


レイア「ドウシタノ イカウ?」


ワタクシ「ナハハ、何でもない、何でもないんだよ~、レイア」と言ってレイアをハグします、これがレイアといる最後の瞬間なのかも知れないという思いが彼女を強く抱きしめさせました。


そしてワタクシ「行くか、エアポートに!」


レイア「オッオー」


二人はタクシーで空港に向かいます、その日に限っては空港に行く時間がワタクシには早く感じられてしまいました、前回と同じように空港の入口で平凡なキッスをして
ワタクシは「帰ったら電話するな」


レイア「マッテルナ キヲツケテナ」

ワタクシはタクシーに乗るレイアを見送ります、見送る人と見送られる人が別れを惜しむところがない、情緒も何もない人の気持ちを考えないようなそんな作りのこの空港がワタクシは嫌いです、そしてワタクシは機上のヒトとなったのでした。


それは2005年3月27日、今から9年と4か月程前の事でした。


今、思えばレイアはこの時に唯一の恋人でしたがワタクシの中では絶対という存在ではなかったかもしれません、ただレイアには他の女性と違う物があるように感じました、それが何だったのかを知るのは8年の時を経て理解する事になるのでした。



第3部.始まりはいつも雪



いつもご覧頂きまして誠に有り難うございます、錦糸町という風俗街に降り立った普通のサラリーマンのワタクシがタイ、フィリピーナや他の外国人に振り回され女性たちに嵌まりながら外国人たちを少しずつ理解していったのが過去の3部作になります、この街に来る外国人たちは恋人を作りに来たわけではありません、貧しさ故に家族を養う為に自分の夢を叶える為に来ているのです、ワタクシは彼女たちといる機会が多くあった為に多くの日本人たちがワタクシ同様に嵌まっていく姿を見て来ました、貧困から逃れる為には彼女たちからしたら当たり前の事なのです、ワタクシも女性を追いかけるあまりに財産もなくなり愛も失いました、こんなワタクシを見て騙された馬鹿な奴と見下す方もいらっしゃるでしょう、しかし、ワタクシは騙してでも生きようとする彼女たちを心から憎む事も軽蔑する事出来ませんでした、むしろ彼女たちを少しでも理解しようと努めてきました。


ワタクシは日本人の常識や感性だけで外国人を見てはいけないという事を彼女たちは教えられた気がします、第4部では外国人を偏見や差別の目で見る人達とワタクシは対峙する事となります、ワタクシと同じような思いを持った方はたくさんいらっしゃる事でしょう、逆にお互いの国の事情を理解しないままに結婚して失敗なさった方もたくさんいらっしゃると思います、異国の人と一緒にいるという事はそう簡単ではありません、そんな中でつまらないワタクシのブログがそういう方たちに少しでもお役に立てればと思いで毎日書いている次第です。


明日からは暫く大阪のあるブロガーさんをモデルにした小説「進撃のカモ」をアップ致します、引き続き宜しくお引き立てお願い致します。