178.ハルの微笑み.122 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシがグルリと盛り場を一周回って戻って来ると韓国の留学生のリュウ君が二人連れのサラリーマンの酔っぱらいに絡まれていました。


酔っぱらいA「この韓国ヤロー、しつこいんだよー」


ワタクシ「どうしたのリュウ君?」


リュウ君「社長ー、ちょっと声かけだけですよー、そしたらいきなりネクタイ捕まれて」


酔っぱらいA「あ、あんた、こいつの店の社長か!」
サラリーマンはガッチリ体型と派手なネクタイをしていたワタクシを見て勘違いをし握っていたリュウ君のネクタイを話し二歩ほど後ずさりします、
ワタクシ「違うけど、それがどうしたの」


酔っぱらいB「ス、スイマセン、ちょっと酔っぱらっているだけなんで、お、お前いくぞ」
とワタクシを筋の人と勝手に勘違いしスタコラサッサと引き揚げるサラリーマン達でした、
ワタクシ「リュウ君怪我ないか?」


リュウ君「社長、大丈夫です、でも、でも、日本人どうして韓国人バカにするですか、ワタシそれ悲しいー」
と言いオイオイと泣き出してしまったリュウ君、今時こんな純朴な青年がいるのと思うくらいなリュウ君、何か他にもきつい言葉を投げつけられ心が傷付いたようでした。

ワタクシ「オイ、泣くなよリュウ君、皆見てるだろ、なっ、そうだ一時に店終わるんだろ、一緒に食事しよう、台湾料理ご馳走するから、なっ」


リュウ君「本当でしゅか、わかりましたー、頑張りますー」
食事をご馳走すると聞いてチャカリ泣き止んでしまうリュウ君、ワタクシは夕子とリュウ君と一緒によしえママの店に行きました、よしえママはお客と早めにスナックを後にして既に台湾料理店に到着していました、今はスナックと台湾料理店の二足のわらじのママ、客は帰りノッシノッシとこちらの席にやって参りました。


よしえママ「あらっ、レイちゃん、この人だれ初めてねー」


ワタクシ「ほらっ、ママの店の斜め前の韓国バーの客引きのリュウ君だよ」


よしえママ「フーン、韓国なの」


リュウ君「ハイッ、リュウと言いましゅ、よろしくお願いいたしましゅ」
リュウ君の話しだと貧しい両親が苦労してお金をかき集めリュウ君を日本に送り出した、と言うのであればお涙頂戴なのですが、実は家庭は裕福なのですが日本で苦労してこいと両親から学費だけ出してもらい生活費は自分で稼げと送り出されたらしいのです、
リュウ君「レイスリーさん、どうして日本人は韓国人をバカにしゅるんでしゅか?」


ワタクシ「人間色々いるんだよ、韓国人だって日本人を嫌いな人はいっぱいいるだろ、日本人だって同じだよ、でも反対に韓国人と仲良くやっていきたいと思う人だってたくさんいるよ、いつまでも過去の事ばかり言ったってしょうがないよ、今いる人間は未来を見つめて生きていかなくちゃ駄目なんだよ、だからリュウ君がその架け橋になってくれよ、お願いするよ」


リュウ君「そ、そうでしゅねー、やっぱり、皆が仲良くなりたいと言う気持ちを持って前にしゅしゅむ(進む)というのはホオント大事でしゅよねー」
そしてリュウ君は運ばれてきたチャーハンと鶏肉に貪りつくのでした、
ワタクシ「美味しいか、リュウ君」


リュウ君「ええ、ホオーント美味しいでしゅ、ママさんも彼女さんも綺麗だし」


よしえママ「まあ、あなた本当にお世辞うまいねー、いいよ鶏肉もう一個サービスするよー」
そして大笑いする台湾人のよしえママ、韓国人のリュウ君、タイ人の夕子、そして日本人のワタクシ、そこには国や言葉、文化そして過去を越えた温かい物が確かに感じられた気持ちのいい瞬間でもあったのでした。



次回に続きます、いつも御覧いただきまして誠に有り難う御座います。