120.ハルの微笑み.64 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
その日は朝から事務所でバタバタと書類整理に終われておりました、一息ついて煙草に火をつけようとした時に携帯に着信が見るとリカコママからだったのです、リカコママから電話とは珍しい一体何があったものかと出て見ると
リカコママ「レイスリーサン デスカー?」


ワタクシ「ママ どうしたの珍しいじゃん」


リカコママ「レイスリーサン タイヘン ヨ!」


ワタクシ「えっ、ま、まさか雪子か?」


リカコママ「ソウヨ ユキコチャン ニホン ニ キチャッタノヨ」


ワタクシ「エーーーッ、ほんとに来ちゃったのー!!」



話は5日ほど前に遡ります、タイから帰って毎日電話するワタクシですが、その日は家の話になったのです、家は将来的には購入してもいいと思い始めていたワタクシですが会社が軌道に乗るまでは様子を見たかったのです、しかし雪子には全く話が通じないのです、日本語が下手な雪子を電話で真意を伝えるのは至難の業なのです、もともと言い出したら聞かない雪子ですが更に熱くなって「日本に行くから」といい始めたのです、ワタクシも「勝手にしろー!」と怒ってガチャンと受話器を叩きつけて電話をきってしまったのです、そしてそれから雪子とは連絡がとれなくなってしまったのです。


日本に来た雪子、大阪で捕まり強制送還されて2ヵ月もたっていないのです、観光ビィザだろうが何のビィザだろうが日本に入れるはずがないのです、それが日本に来たからにはタイの秘密組織のルートでやって来たのに違いありません、即ち250万円か300万円をリカコママが来た時に払ったに違いないのでした。
リカコママ「レイスリーサン ドウスルー?」


ワタクシ「どうするって、お金を払えって事だろ」


リカコママ「レイスリーサン モシ タイヘンナラ ワタシ ハンブン モツヨ」


ワタクシ「半分もつっていくら?」


リカコママ「150マンエン」


ワタクシ「だって250万じゃないの?」


リカコママ「ウウン、イマ ニホンニ クルノ 300マンエンナノヨ」


リカコママ、10年前に日本に来て自分も売春しながら今の旦那に会い、そして結婚しバックアップを受けながらタイに3軒の家と数億円を稼ぎ出したのです、当時の錦糸町のタイ人達の中で彼女を知らない者がいない伝説の存在なのです、ワタクシを友達と言うリカコママですがワタクシはこのリカコママには信頼をおいていませんでした、特にお金の事は全く信じられなく後で更に揉める事になります。


ワタクシはリカコママと夜に店の側の喫茶店で会う約束をしました、約束の時間に行くとリカコママと雪子が隣に座っていました、雪子は鬼の顔でワタクシを睨み付けていました、ハッキリ言ってワタクシの方が睨み付けてやりたい位なのですが雪子は少なくともワタクシに申し訳ないなどという気持ちは微塵も持ち合わせてなさそうな態度なのでした。


ワタクシはママに150万円を渡し念を入れます
ワタクシ「ママ、有り難う、それで雪子はアルバイトでいいんだよね、給料の中から毎月ママに払っていくという事でいいんだよね」


リカコママ「ウン ソレデ イイヨ」

ワタクシはリカコママの事だから雪子に売春させて150万円を回収しようとするのではと思い念押ししておいたのです、結局、雪子は前のアパートに入りリカコママの店で働く事に但し店外デートは無しで明日から仕事をするという事になったのですが、ワタクシは何とも言えない気持ちになっていました、そもそもどうして大阪に行く必要があったのか、そして大阪で捕まりまた一時の怒りに任せ日本に来てしまったのか頭の整理がつかないままワタクシは雪子をタクシー乗せ稲荷町の事務所に戻るのでした。



次回に続きます、いつもご訪問誠に有り難うございます。