105.ハルの微笑み.49 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ドンムワン国際空港に着いた飛行機から降りるワタクシ、ドア近くになるといつもながらの熱気からムワッとした空気と独特の匂いがしてくるのでした、タイは観光客のリピート率が高い国なのですが、この降りる瞬間で好きになるか嫌いになるかどちらかだと言われているのです。


足早に歓迎口に向かうワタクシ、今度こそハルの故郷であるコンケーンに行けるのか、ハルは一人で来ているのかと考えながら出口に着くとそこにはハルと夕子そしてワタクシね見知らぬ跳びっきりの美人が待っていたのです。
ワタクシ「おう、夕子久しぶりダネ~、その可愛い人はどなたかな~」


その美人はカイといい夕子の妹だったのです、夕子は錦糸町のタイ人の中でもナンバーワン美人で知られていたのですがカイもまた美人でやや生意気そうな顔だちで短パンからスラリと伸びた足が男をそそる、生唾ゴクリ、そんなタイプの女の子なのでした。


そして少し離れたところにいる2人の小さな男性いや良く見ると男性の髪型、服装をした女性が立ってこちらを見ているのです、‘トンボーイ,彼女達はそう呼ばれ日本で言われるところの‘オナベちゃん,でタイやフィリピンなど東南アジアには多く存在する子達なのでした、しかし体は女ですが心は男なのです、即ち彼女達の恋愛の対象は女性という事になります、それが何故ここにいるかワタクシはその時全く解りませんでした。


そして出口に向かうのですが、美人3人にトンボーイ2人&ワタクシと歩くとすれ違う人達全てが必ず振り向きます、映画女優顔負けの美女3人が歩けば当然振り向くのは万国共通なのでした、ワタクシも美女に囲まれいつもよりも楽しい気持ちになり歩いて行く先には2台の乗用車が運転席にはまたまたトンボーイが座っているではありませんか、そして美女3人、トンボーイ5人、日本人1人計9人に膨れ上がった一向は一路パタヤに向かうのでした。

ワタクシ「ハル、そうかっトンボーイは運転手代わりか、なるほどね~」
と言ってワタクシは待てよと考え込みます
「9人分のホテル代は一体だれが払うのかな?」とそれを見透かすように
夕子「レイスリーサン シンパイシナイデ ワタシ ト カイ ワ ホテルダケド ジブン ハラウヨ」


ハル「アトワ ミナ カエルカラ」

どうやら夕子と妹のカイはホテルに泊まるものの自分で払いトンボーイはひと遊びしたら帰るらしいのです、セコいワタクシは取り越し苦労でホッとするのでした。


途中、雪子の出身地のバンセンを通過しパタヤに到着し海岸沿いで皆降りると道路を通る車の上からタイの若者から美女3人に次から次に何やら声がかかりますが3人共に全くの無視、まるで女王様の如くホテルに歩むのでございました。


チェックインし荷物を置き海に行く事にといってもワタクシはこの海で溺れかけたのでとても入る気にはなれず浜辺で皆が遊んでいるのを見ている事に、ワタクシは考えていました、ハルはワタクシを本当に愛しているのかと4度タイに来て一度も二人きりでいた事はないのです、大勢でいる方が楽しいという事はワタクシと二人きりでは楽しくないのか、今もワタクシを1人にし友達と遊びに行ってしまう、雪子ならどうだろうと今までなら考えなかった事を考えるようになっていたワタクシだったのでした。


こうしてワタクシとハルが一緒にいられる最後の時は何気なくゆったりと過ぎて行くのでした。



次回に続きます、ご訪問有り難うございます、心より御礼申し上げます。