82.ハルの微笑み.27 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
バンコクから帰ったワタクシは独立の為に奔走していました、自己資金1500万円、借入金1000万円、自宅を寝抵当に入れ2500万円、計5000万円準備したのです。


ワタクシのその時の仕事は2本立てで一つはインジウム、ビスマス、カドミウムという特殊な金属を輸入し国内販売する、そしてもう一つは鉛を使った放射線防護材とMRI室を作る時電磁波の影響を抑える為に部屋全体をケイ素鋼鈑という材料を使うのですがその材料の販売が主なものなのでした。

インジウムは当時kg当たり12000円もするので1000kg購入するだけで1200万円もしてしまい、ケイ素鋼鈑等の金額も時には数千万円の金額になる為5000万円を準備しても決して楽とは言えなかったのでした。


そしてワタクシは銀座線の稲荷町にあるワンルームマンションに事務所を構えたのでした、ワタクシが会社を去る事になり寂しがったのが梅津君でした、今日その事務所に梅津君と一緒に来ていたのでした。


梅津君「レイスリーさん、僕1人置いてかないで下さいよ~ッ」


ワタクシ「梅津君、勘弁してくれ、人はいつかは離ればなれになるのは世の常なんだよ、男はつらいよ、なっ、おいチャン」


梅津君「あの~、おいチャンじゃないんですけど~」


ワタクシ「あれっ、じゃおばチャンか?」


梅津君「おばチャンでもないですよ、言っときますけどサクラでもないですからDASH!DASH!DASH!


ワタクシ「ハハハ、そういえばサクラは怒ってるかな」
バンコクから成田空港に帰って来たワタクシ達はサクラが荷物をピックアップする隙に置き去りにしてサッサと帰ってしまったのでした。


そこに「ピンポーン」とインターホンが鳴り受話器をとると本間さんでした、パタヤでワタクシが本間さんに救われたお礼としてご馳走するために呼んでいたのです、早速3人でマンションの前にある創作焼き鳥屋に向かいました。


ワタクシ「本間さん、先日はお疲れ様、ママも無事に帰ったのかな」


本間さん「エエ、無事に帰って来ました、どうやらタイのボスとの話は駄目だったようですよ」


ワタクシ「そうか、じゃあハルも女の子達もスグには日本には来れないという事だな、まあ2ヶ月に一回はタイに行くつもりだから構わないけどね、しかし遊びに行くところがなくて少し寂しいよね~」


本間さん「そうですか~、ありますよ錦糸町に何軒か」


ワタクシ「ムムムッ、あ、あるんだろうね、ヤッパリ」


本間さん「なんだったら、此れからお連れしますよ」


ワタクシ「えっ、こりから、そうだね~、ちょっと、ちょっとだけ行ってみるかね」


梅津君「レイスリーさん、いいんですかハルちゃんは!」


ワタクシ「いや、ちょっとだけだよ、チミ行かないの」


梅津君「当たり前ですよ!!!、行きますよ!」

しょうがない男達はタクシーで錦糸町に向かうのでした。



次回に続きます。いつもご訪問頂きまして心より感謝いたします。