81.ハルの微笑み.26 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
朝を迎えました、今日の夜の便で日本に帰るワタクシと梅津君...........そしてサクラなのです!

よしえママと本間さんは後3日程留まるそうなのです、よしえママはタイのボスに会うつもりなのでした、ママがあらかじめワタクシに話していたのは捕まった女の子を再び日本に呼びよせ店を再開するという事でした、しかし女の子達を呼び寄せるには正当な手続きでは無理です、したがって組織にお金を渡し連れてこようというのですが、通常250万円の相場をママはどうにか100万から150万円に値切れないかと考えていたのです。


ワタクシは無理だろうと思っていましたしママもダメ元で交渉に望むつもりだったのでしょう、ワタクシを用心棒代わりに一緒にの腹積もりがタイ側の都合でワタクシが帰ってからの交渉になったのです。


しかし本間さんにチケットを任せていたとは言え帰りまでサクラと一緒とは、どうもワタクシはサクラが苦手なのです、人の都合を考えない余りにも自分本意なところが好き嫌いでなくいつも鼻についてしまうのでした。

出発は夜なのでホテルのショップをブラブラするワタクシ達です、今回の旅でホテル代以外は全てよしえママが支払っていたのでしたワタクシが5万円を渡そうとすると全く寄せ付けません、そしてママは
「レイちゃん今度新しい店が出来たらそこでイッパイ使って」と大笑いしながら言うのでした、しかしワタクシの気がすまないので何かプレゼントしようと見て回っていたのです。


夕子が「アレ ガ イイジャナイ」
と見るとタイシルクでした、ハルもエミもスカーフがいいと言うので3枚組のセットを購入しハルにはワタクシ達が帰った後に皆からのお礼としてママに渡すように頼んだのでした。


部屋に戻り荷物の整理ま終わり、ハルにママのお陰でお金を使う必要がなかったので持ってきていた20万円のうち15万円を円で残りの両替していた3万円分のバーツを渡します、ハルは合掌しそのままワタクシの胸の中に、そして「チャオシュー メダイ ナ(浮気しないで)」とささやきます、そして空港に行く時間が来ました。


タクシー2台に分乗し空港に向かいます、車内のワタクシもハルも梅津君もエミも皆無言でした、湿っぽいのが嫌いなワタクシはハルが好きだった‘ロード,をアカペラで歌い初めました‘何でもないような事が~ッ幸せだったと思う~、何でもない夜の事、二度と戻れない夜~ッ,「アッ歌詞がマズイ」と思いましたが、ハルが意味まで解らないので助かりました、そして皆が笑顔に戻りました。


空港に到着し搭乗手続きを済ませます、タイの空港は搭乗手続きするところから入り口まで見送りが出来るのでお別れがじっくり出来るのです。


ワタクシ「じゃあ、帰るな、いや又来るな」っといった瞬間ハルの目からは大粒の涙が流れました、つられるようにエミ、夕子が泣き、そしてよしえママまでワタクシの横にいたサクラそして梅津君も涙を流していました、ワタクシはグッとこらえて「オイオイオイ、泣かないでよ、皆で泣くと飛行機おっこちちゃうよ!」と言うと皆どっと笑うのでした。


ワタクシと梅津君、厄介者のサクラは飛行機に乗り込みました、そして飛行機の小窓から外を見てワタクシは「バンコクまた来るよ、ハルに会いにな、それまで待ってろよ」と小声で呟いたのです。


次回に続きます。いつもご来訪誠に誠にありがとう存じます。