58.ハルの微笑み.3 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
その日ワタクシは業界の懇親会に来ていました。

同僚と2人で参加し終了しお開きかと思いきや問屋の若社長が「行ってみますか」とワタクシの同僚に何か誘っているようです。


止まったタクシーに3人で乗り込みます、若社長がドライバーに行き先を告げ車は下町を20分程走り、そして目的地に到着しました。


タクシーから降りて周りを見渡して見てもネオンがバチバチ付いているわけでもなく、人はそれなりに歩いているものの冴えない街並み、その街は錦糸町という名前でした。


時は1994年今から20年前、バブルが破れ株価、土地は下がり先の見えない不景気に入り始めた時代でした、この街に初めて降りた事で当時37才のワタクシそしてワタクシに関わった人逹の運命も大きく変わっていくのでした。


タクシーを降りた若社長こと慎ちゃんはタクシーを降りてすぐ側のビルに目をやります、そして「こっちですよ~」と言いながらスキップでビルに向かうではありませんか。


ワタクシは「な、何だこの人は」と唖然とします、「ス、スキップって、どゆこと?」と同僚の小山に尋ねます。


小山「レイさん(当時はこう呼ばれておりました)、この街ではこのスキップが常連の証なんだよ、このスキップこそがステータスなんだビックリマーク


ワタクシ「えっ、そうなのステータスか........や、やるねえ錦糸町、よしっ」と言って同僚の小山と二人でスキップで若社長の慎ちゃんを追いかけ三人でエレベーターに乗り込みます。m(_ _)m


エレベーターが5階で止まり、エレベーターが開き目の前にドアを慎ちゃんが開けると中から「いらっしゃいませーーッ」と大勢で言っているのが聞こえました。


中に入るとアジア系の女性が30人程もいるでしょうか、
ワタクシは「フィリピンパブかな?」と小山に聞くと
小山は「レイさん違うよ、まあ座って」


シートにドカーンと座るワタクシ逹、そこにデブのやり手風のオバサンが「アラッ、慎ちゃんいらっしゃい、小山さんも一緒、新しいお客様も、私みつえママです宜しくね」と話かけてきます。


オバサンには興味のないワタクシです、素っ気なく挨拶します「レイスリーです、宜しく」そこにチャイナ服に身を包んだソバージュの相当美人の女性がオーラを放ちながらシャナリシャナリとグラスと氷を持って現れます。


慎ちゃんが「夕子」と声をかけます、
夕子「シンチャン ゲンキ?アラッ、ノビタ モ イルノネ」
小山は何度かこの店に来ていたようで、メガネと髪型がドラえもんのノビタに似ている事でノビタと呼ばれているようです。


夕子はワタクシの方を見て一瞬戸惑った後「ユウコ デス ヨロシク オネガイシマス」流暢な日本語で話かけ頭をペコリと下げるとワタクシの前に座り水割りを作り始めました。


更に私服の女性が3人席に着きます、それぞれが女性と話しワタクシも夕子と話し始めるのでした。

次回に続きます。いつもご来訪誠に有り難う御座います。