Eli and the Thirteenth Confession | Born of Frustration

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Artist: Laura Nyro
Album: Eli and the Thirteenth Confession
Year: 1968
Genre: Art Pop, Pop Soul, Jazz Pop, Progressive Pop


アメリカのシンガーソングライターLaura Nyroの2枚目のアルバム。71年の「Gonna Take A Miracle」まではどれも傑作と呼べるけどやはり「Eli and the Thirteenth Confession」と「New York Tendaberry」は格別に魅力的です。60年代の3作品はいずれも黒を基調としたアートワークで重厚かつ憂いのある世界観が魅力です。ポップとソウルとジャズとロックをミックスした芸術的で自由でプログレッシブな楽曲は後のKate Bushなどにも確実に繋がっていきます。Kate BushもPatti SmithもStevie Nicksさえもまだデビューしていない60年代にこのようなジャンルにとらわれないアルバムを作り上げていることがいかに時代の先を行っていたか分かります。彼女の楽曲に全く古さを感じない大きな要因はボーカルにあります。例えばソウルならソウルらしさ、フォークならフォークらしさと昔はジャンルによって同じ方向を向いている傾向にあるけどLaura Nyroのボーカルというのは同時に色んな方向を向いていて多様性があります。それが結果として古さを感じないのだと思います。Luckieのようなジャズとポップを混ぜたキャッチーな曲から始まり、Poverty Trainはまさに70年代のKate BushとPatti SmithとStevie Nicksを彷彿とさせる革新的な曲です。これが68年だから素晴らしいですね。アートワークの虚ろな表情は後半のダークなDecember's Boudoirがイメージにぴったり合います。力強い声から細い声まで幅広く出せるボーカルの表現力というのもずば抜けた才能があり、海外のLGBTミュージシャンは天才肌のシンガーの宝庫です。