[ 東京都知事選挙を振り返って]
東京都知事選挙は、現職の小池百合子都知事が290万票強で3選を決めました。
対抗馬と見られていた立憲民主党の蓮舫元参議院議員は128万票余りで、まさかの3位。元広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が2位に食い込む大健闘を見せました。
その石丸伸二氏ですが、当選はかないませんでしたが全国民に強烈な印象を残したことは間違いないと思います。そういう意味では石丸氏の大勝利だったのでしょう。
ただ冒頭にはっきり述べておきます。石丸氏を礼賛するつもりは全くありません。私は広島県安芸高田市長職を一期途中で投げ出すような人を信用しません。彼が3期くらい勤めて、安芸高田市で様々な改革を実現して、安芸高田市が全国一住みたい市だというような評価を得て、移住希望者が列をなす……というような状況になっていたとするならば、私も彼こそ都知事になって欲しいと応援したかも知れません。
彼の代名詞は古参の議員を「恥を知れ!恥を!!」と怒鳴りつけている動画で、これをテレビでも何度も見ました。でも…公衆の面前であんなことを言われた人は、「恨み骨髄に徹す」になってやしませんか? 安芸高田市議会は廻らない、何を言っても相手にされない……では安芸高田市長は辞めて、東京都知事選に出て売名行為……これが真実なのではないですか?
しかし、都民はそんなこと考えなかった。石丸氏の街頭演説の風景を見て、本当に驚愕しました。有楽町だろうと銀座だろうと彼が演説を始めると人、人、人、人、人……SNSを駆使し、まったく新しい選挙戦を展開する彼の注目度は、日に日に高まる一方、それを後押ししていたのは、明らかに街頭演説の様子を報じるテレビ、新聞等の既存メディア。
そんな石丸氏を応援し支えたのが、後援会長に就任したドトールコーヒー創業者の鳥羽博道氏(86)、その鳥羽氏の依頼で、選挙の神様と呼ばれた藤川晋之助氏(元大阪市議、国会議員政策担当秘書等、現在は藤川選挙戦略研究所長)が選挙全般を仕切り、
選対本部長が自民党衆議院議員で通産大臣等を歴任した深谷隆司氏の娘婿である小田全宏氏(松下政経塾四期生、TOKYO自民党政経塾塾長代行)です。自民党に在籍しながら選対本部長を務めているわけです。
鳥羽氏、藤川氏、小田氏、そして超大物のG先生と続く人脈の中で、元自民党本部職員で、歴代総理の政策立案を支えた田村重信氏まで石丸候補を支えました。そしてネットを駆使したPRを担当したのが、FそしてTという人物。
ネット選挙だけでなく、こうした重鎮が石丸氏を支えていたという側面も、しっかり分析する必要があると思います。
当初は小池vs蓮舫の一騎打ちと見られていた都知事選挙でしたが、「石丸氏の登場が蓮舫氏を沈めた!」という分析はその通りだと思います。
石丸氏の切れ味鋭い発言は確かに若年層を捉えています。しかし、一方で「国家観がない」「風見鶏」、そして私と同様に「安芸高田市長を途中で投げ出して」という批判もあります。
この熱波と思われるような石丸現象が、少し醒めて来たときに、彼の真価が問われるのではないでしょうか?
安芸高田市で様々起こされている裁判も、石丸氏は連続して負けているようです。
官邸は、「広島一区から衆議院議員に立候補も選択肢」という彼ののぼせた発言に、彼の利用方法をより考えはじめています。
次の総裁選では、菅義偉元総理は加藤勝信がメイン、幹事長として小泉進次郎を考えているようです。麻生太郎元総理は、河野太郎メイン、岸田続投もという両睨み。
六日のあるパーティーでも岸田、麻生両氏は同じテーブルで談笑しています。
一部では、麻生氏は、ミスターホークと言われている小林鷹之氏押しとの推測がありますが、自民党では二世を好む傾向があり、一気に世代交代はありません。
さて、2024年後半の政局はどうなるか^_^。