バカは夜明けによく笑う(仮) -21ページ目

ロッシュ ~とある海賊の小さなネックレス~

昔々、ロッシュ・ブラジリアーノという男がおりました。
ロッシュは世に言うバッカニア(海賊の一種)で、その中でも残忍で悪名高く、捕虜を生きながらに焼き殺すような荒くれ者でした。

ロッシュは港の居酒屋で仲間を寄せ集め、メキシコからの財宝を積んだ船を襲っては海賊行為を働きました。
バッカニアの中でも有名な戦い、大都市プエルト・べリョへの攻撃、パナマへの攻撃にも参加しました。

そんなロッシュも後年スペイン軍に捕まり拷問を受けた彼は、とある島に宝を埋めたことを白状しました。
スペイン軍がその場所を掘り起こすと、8レアル銀貨10万枚以上(約6億円相当)が見つかりました。

海賊の小さなネックレス


一般に思われているのとは違い、海賊が宝を埋めて隠すということはほとんどなく、数日のうちに使い果たすことが典型的な海賊の行動でした。
海賊たちはいつも死と隣合わせでしたので、稼いだ金を使い果たすのもいつ死んでもおかしくないからです。

では、なぜロッシュは宝を埋めたのでしょうか。
今となっては真相は分かりませんが、いつか掘りおこす日を夢見ていたはずです。

そんなとある海賊の名をした小さな小さなネックレス。
願い叶わず死んでいったロッシュの眼には、死んでもぬぐい去れない想いをひと粒埋めました。


僕にもまだやりたい事があります。
このまま死んだとしても、いい人生だったなんて言えません。

いつか必ず来るその時に、そんな言葉が言えるようにと。